出会い
家に着いた僕は誰かが着ていることに気がついた
履きなれた雰囲気の見覚えのない靴が一足あったからだ
靴のサイズからして、どうやら女性のようだった
「ただいま~」
とりあえず、挨拶をする
「お帰り。はやく手を洗って、居間にきなさい。」
と、居間のほうから、母の声が返ってきた
僕は、足早に、洗面所に向かった
僕の家は、洗面所は1階にあり、居間は2階にある
手を洗い、居間に向かう
居間に近づくと、笑い声が聞こえてきた
母の笑い声と、女の子の笑い声だった
声からして、同い年のようだ
しかし、声だけでは、年齢は分からない
居間の扉をガラッとあけた
そこには、白いワンピースを着た清楚な感じの女の子が母と向かい合って座っていた
年は、僕と同じくらいって感じだ
「照途。こちら、あなたの運命の人の佐伯美穂さん。そろそろ、あっといたほうがいいかと思って。」
「こんにちわ。」
女の子はニコッと笑って、こちらに向かって軽くお辞儀をした
「ほら、あんたもはやく挨拶しなさい。」
「あっ、ああ、こんにちわ。」
軽く、頭を下げる
「ごめんなさいね。どんくさい子で。」
母が笑いながら、女の子に謝る
「いえ、そんなことは。」
女の子も軽く微笑む。
「アハハ。じゃあ、私は、夕飯の支度しなくちゃゃいけないから、二人で話でもしてて。」
そういうと、母は足早に居間を出て行った
「あ、えっと、、、」
まず、何から話すべきか困る
「えっと、照途くんは、部活には入ってるの?」
女の子の方から、話しかけてくれた
「あっ、陸上部に入ってます。」
「別に、敬語じゃなくてもいいのに。」
女の子がフフと笑う
「そうか~、陸上部なんだ。」
「う、うん。」
いくら、運命の人とは言え初対面の人にいきなり、ため口を使うのは少し、変な感じだ
「あのね、私ね、運命って変えられると思うんだ。」
「えっ。」
唐突な話題に少し驚いた
「運命の人に言うことじゃないと思うんだけど、私、実は好きな人がいるんだ。」
いきなりの衝撃的な告白に、思考が停止した
「えっと。」
どういうリアクションをとったらいいのだろう
へえ~、と適当に返事をしておくべきか?
それとも、運命の人に言うこと?って笑うべきか?
いやいや、あるいは
「実は、僕も好きな人がいるんです。」
何を言ってるんだろう僕は、
一度、言ってしまった言葉はもう戻せないのだった




