お弁当ウェイクアップ・コール ~僕と、奥さんと、お弁当と、寝言と。~
「明日、何が食べたい?」
僕の奥さんの声で目を覚ます。
でも、彼女は隣で寝ている。
布団をかけてスヤスヤと。
「お弁当キャラ弁にしていい?」
それはちょっと遠慮します。
彼女の寝言に、心のなかで返事を返す。
時刻は午前五時三十分。
いつもより少し早いけど、そっとベッドから抜け出る。
ときどき、ぼくはこうして、
彼女の寝言を目覚まし代わりにして起きる。
目覚まし時計のアラームを切る。
設定時刻は午前6時。
お弁当は昨日のうちに仕込み済み。
少しぐらい寝坊しても大丈夫。
僕は台所でお湯を沸かす。
朝焼けのキッチンに、お湯の音が響く。
そのお湯で珈琲を煎れる。
僕は、ミルク入り。
彼女はブラックだ。
時刻は、ちょうど朝の6時。
ベッドルームでは、
「ハートマークは、キャラ弁じゃないよ。」
って、お弁当会議が続いてる。
そろそろ起きる時間だ。
「おはよう。珈琲がはいったよ」
僕は彼女を起こす。
うん?!むにゃむにゃ。ありがとう
といってベッドから彼女は起きる。
「おはよう」「おはよう」
僕と彼女の朝がはじまる。