『再世』終わった世界の復活
Welcome to The World of MYSTLIA'S.
この世界は一度終わりを迎えた。
世界を創造した『偉大なる古き神々』は、突如として人間族・ドワーフ族・エルフ族――三種族の『人類』に世界の終焉を宣告し、空の遥か彼方から『大いなる闇』を呼び寄せた。
それは瞬く間に世界を、すべてを飲み込んだ。
あらゆるものを原初へと還す、大いなる闇。
闇の中には数多の世界の残骸――そして新たなる世界の種が煌めいていた。
人類も、魔物も、勇者も、魔王も、成す術もなく闇の中へと消えた。
彼らのどんな力も技も魔法も、大いなる闇には通用しない。
この世界に生まれた、新しき神であるミストリアは深く悲しんだ。
最後の抵抗として偉大なる古き神々を欺く策を講じ、自らの課した試練を乗り越えた唯一の『名も無き若者』に自らの力を託した。
ミストリアは世界を愛していた。世界に生きるすべての存在を愛していた。
すべてが闇へと還ったが、ミストリアの策は成り――その若者だけは難を逃れた。
そして彼は、たったひとりで世界の復活を開始した。
闇に散った欠片を集めて器を創り、ミストリアが遺した知識・記憶・力を使い、世界を再世させた。
それは途方も無い道のりだったが、闇と孤独の中で彼は見事に成し遂げた。
やはり彼も世界を愛していた。
ついに世界は光を取り戻した。
三種族の人類は再び繁栄し、世界に多くの街や城を築いた。
魔物たちも復活し、かつて偉大なる古き神々によって定められた秩序に従い、魔物と人類は再び永遠の戦いを始めた。
破壊と創造を繰り返し、激しく争いつつも両者は世界の均衡を保ちながら共生していた。
やがて力を使いきった若者は、愛する世界を静かに見守りながら永き眠りについた。
人々は名も無き彼を、かつて世界を愛してくれた神と同じ名で呼び、再世神として信仰した。
そして――再世紀2020年を迎えた現在。
この世界・ミストリアスは、今や冒険者と呼ばれる者たちの時代となりつつあった――。
お読み頂きありがとうございました。
お気軽に評価・感想等頂けると大変励みになります!