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第5夜

ฅ(º ロ º ฅ)〈スイマセン遅くなりました。

トネリコの木のまわりが黒いモヤモヤで覆われてて、そこだけ雨雲の中にいるみたい。

「じ、じーちゃん!あの木大丈夫なの?黒い煙いっぱいだよ!!」

「ミヅキ!もしや、見えておるのか…?」

何だか凄い驚いた顔してる。あの黒いの見えないの?さっきの枝から出てたやつと似てるんだけど…。

「…。これはまずいかもしれんの…。」

どうしよう。何か悪いことしたのかな…。

「取り敢えずじゃ。ミヅキ、あの木に魔力を注ぐのじゃ。」

魔力!やっぱりこの世界には魔法があるんだ!

だけど魔力ってどうやったら注げるんだ??わからん…。

「ミヅキ、魔力の放出の仕方がわからんのか?」

「…うん。」

「なんと言うか、こう、体の中のグワッとしたものを、ギュッして、バッとするのじゃ。」

いや、分かんないです。

「…村長、それじゃ伝わらないと思うぞ?」

「じゃあライドが説明をしてみい。」

あ、じーちゃん拗ねた。

「いや、俺は説明とか苦手だし…。」

「私も何気なく使ってたからな…。」

皆説明ベタって言う壊滅的状況。

「仕方ない、気は乗らんがあのクソババアを呼ぶかの。はぁ。」

めっちゃ嫌そう。どんな人なんだろその人。

「『テレルート  コール“リアーノ”』もしもし、聞こえとるかの?急用じゃ、今すぐトネリコまで来るのじゃ。…。じゃから、急用じゃと言っておるじゃろう!…ア゛?そんな事はどうでもいいからはようこんかい!!」


犬猿の仲…。でも、初めて見た!魔法!!転送される時の魔法陣はゴタゴタしてたからノーカウントです。


「!?!?」

またあの点滴みたいな不快感。

まわりを見渡すと、じーちゃんの隣の空間が歪んでる!!気候的に真夏じゃないから蜃気楼じゃない。何だあれ?


「よっこらせっと。」

気の抜けた掛け声がすると。


蜃気楼から人が生えた。


何あれ怖い。ホラーだ。下半身がない女の人が浮いてるように見える。怖っ。

「どっこいしょ。」

あ、良かったちゃんと全身あった。


「全く、人が忙しい時にいったい何の用だい?試作品置いてきてまでここに来たんだから、それなりの用事だろうね?」

「これだから腰の重いババアは…。」

「何だって?辛気臭いジジイに言われたかないね。」

「何じゃと?200年近く生きておる奴にババアと言って何が悪い。」

「実験台にした上で蜂の巣にしてやろうか?あ?」

「やれるものならやってみい。その前に灰にててくれるわ。」

「やるのかい?」

「やるのか?」


うわぁ、物理的に火花がバチバチ言ってる。燃え移るものがなくて良かった。


それにしてもさっきから違和感がすごい。我慢出来ないほどじゃないけど、すごい不愉快。


「まあまあ、2人とも落ち着いてください。」

「「ライドは黙っておれ」」

ライドさ、じゃなくてお父さんが泣きそうな顔してる。

「じーちゃん、じーちゃん。呼んでくれた人って、このオネーサン?」

「そうじゃ。このババアにオネーサンなんて言わんでええからの。ババアで充分じゃ。」

「誰がババアだ、クソジジイ。そのままオネーサンで良いからね?ッッ!!クソジジイ!!あんたいったいどこでこの子拾って来たんだい!!」

「ついさっき空から降ってきたのじゃ」

「…。お前、名前は何て言うんだい?」

「美月、黒崎美月って言います。」

「何で私を呼んだんだい?ミヅキ。」

「魔力の使い方がわからなくて、じーちゃんもお父さんもお母さんも説明が…。」

「なるほどね…。」


そしておばあちゃん(そう呼べと言われた。じーちゃんへの対抗心かな?)の魔法講座が開かれた。

要約すると。


●魔力は心臓のすぐ横にある魔力器官と呼ばれるところが空中から吸収した魔力の事を一般的に魔力と言う。

●人によって貯めることが出来る魔力の色が決まっている。

●魔力の色は赤、青、緑、黄、白、黒、無の7種類が存在している。

●魔力は使いすぎると魔力欠乏症になり、その後魔力が完全に回復するまで魔法が使えない状態になる事がある。

●魔法は魔法器官を持つものに触れると性質が変わる。


などなど、こんな感じだった。

おばあちゃんは緑と無の使い手で、さっきの蜃気楼は無属性の魔法らしい。


「今からミヅキの能力を調べるから、ミヅキ、これを握ってステータスって唱えてみなさい。」

そうですこの世界にはステータスがあったのです!

人によっては【ギフト】や【スキル】と言った物が神様から貰えている人もいて、多くの人が生まれた時に神官の人に見てもらうんだって。その後は水晶みたいな玉に力を込めて自分で見たり、神殿に行ったり、ギルドと呼ばれる組織でお金を払うと見ることができるらしい。今回は水晶みたいな玉を使います。

「『ステータス』」

お、体の中から水晶みたいな玉に何かが抜けていく感覚。

玉から透明なパネルみたいなのが浮かんできた!!

なになに?


黒崎 美月

【スキル】

黒魔法 Lv.1

幻術  Lv.1


【ギフト】

〈黒の乙女〉

効果:黒魔法の威力がLv.%分上昇。魔力の流れが分かるようになる。

〈転生者〉

効果:滅多なことでは死なない。半不死。

〈神様は見てない〉

効果:神様から加護が貰えない。

   「ごめんなさいね?ちょっとだけ色をつけたから頑張って?生きてたらだけど。」



おい。神様。つまり放置ですか。


「ミヅキ、どうだったんだい?それ、ほかの人には見えないからね。」

私は自分のステータスを書き出していく。〈転生者〉と、神様からのコメントは書かないけど


「ユニーク魔法に黒の乙女、極めつけは加護なしか。黒の乙女はお伽話だと思ってたんだかねぇ。実際に出会えるとは思わなかったよ。」

「ねえ、じーちゃんもおばあちゃんも、さっきから言ってる黒の乙女って何?」

「皆に忘れ去られた伝承でね?

【黒の乙女は厄災の少女

 闇に染まれば幸福を

 光に縛れば災いを

 黒の乙女は奇跡の少女

 故に神にも見放され

 故に人に殺された

 

 黒の乙女を手に入れようとする事なかれ】

なんて言う詩があるのさ。で、その黒の乙女に反応するのが、このトネリコの木とされているんだよ。」

何か物騒な詩…。私そんな大それたものじゃないんだけど…。

「じゃあ、じーちゃんが渡した木の枝は、トネリコの木の枝だったの?」

「そうじゃ。ワシは黒魔法もほんの少しじゃが使えるでの、あれが持てたが、それでも素手で持てばどんどん魔力を吸い取られてしまう。ミヅキは何の抵抗も無く持てておったし、疲れた様子も見せなかった。更に黒の魔力まで見える。黒の乙女以外ではありえなかったのじゃ。」

「何だって?ミヅキ!お前、黒の魔力が見えるのかい!?」

「トネリコのまわりに黒いモヤモヤがあるのが見えるよ?」

「そうか、そうか。これは逸材だね!!!人数の少ない黒魔法使いで、ユニーク魔法に黒の乙女ときた!クソジジイ!!この子は私が魔法を教えるからね!口出しは無用だよ!」

「ユニーク魔法って何?おばあちゃん。」


おばあちゃんの魔法講座Part2

●ユニーク魔法とは、無属性魔法に分類される世界に1人だけしか持つことの出来ない魔法のこと。その分扱いに難しく、ユニーク魔法の使い手を悪用しようと企むものも多い。



つまり私って所謂チート?やった!人生イージーモードじゃん!

ฅ(º ロ º ฅ)〈年末の大掃除が終わらない今日この頃…

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