第17夜
ฅ(º ロ º ฅ)《遅くなりました!見限らないで欲しいです…。
さて皆さん。
この迷いの森で最も大変な事って何だと思われますか?
食事?
これはクロがいればその辺にいるオークもシェフ顔負けのコース料理になるので問題にはなりません。
睡眠?
こちらは私の隠蔽Lv.7によって姿はおろか、音やら臭いやら挙句の果てに体温まで周りと同化してしまうので問題なし。
快適な睡眠ライフを送れます。
お風呂?
確かにこれは問題でした。
では皆さん、よく思い出してください。
クロは私と契約する前、一体何属性だったのかと。
前まで使えていたものを使えるようになるのと、使えないものを覚えるのとどちらが簡単か。
結果的に何が言いたいかと言いますと、クロが赤魔法を使えるようになりました。
これで火の心配は無縁となり、川が(水源)があればお風呂に入れるようになったのです。
では一体何が問題なのか?
それは…
「暇だあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
旅(?)に出てからずっと周りは木、木、木。
いい加減に緑に飽きて来た。
偶に遭遇するモンスターがいい感じの暇つぶしになってくれたらいいんだけど、私たち相手には弱すぎる。
「クロ〜。後どれくらい?」
「残り1日と半分でございます。」
「暇だぁ。」
「もう少しの我慢でございます。」
「もうダメ。暇すぎて死んじゃう。」
「そんな事では死にません。ほら、もうすぐですから。」
「遠い〜。」
こんな会話も既に定型文みたいになってきた。
「どっかその辺に面白いこと転がってないかな〜。」
「そうそう無いと思うのですが…。」
「きゃぁぁぁぁーーーー。」
ガサゴソ、パキパキと悲鳴の主がこちらに向かってくる。
「『ブラインド』」
(「どっかその辺に面白いこと転がってないかな〜。」
「流石に無視はどうかと…。」)
ついさっき話したばかりの隠蔽魔法が火を吹くぜ!
え?
面白いこと探してただろって?
よく考えてよ。
悲鳴あげてるんだよ?
こっち来るんだよ?
100%面倒ごとじゃん!!
(「面倒ごとは楽しい事って言わないの。面倒なのは嫌。」
「もしかしたら面白いことかもしれませんよ?」
「本気で言ってる?」
「0.000001%ぐらいは。」
「そういうのを思ってないって言うんだよ?」
「流石に無視はかわいそうでは?」
「私の第六感がかかわり合いになるなって言ってる」
「どこの厨二病ですかあなたは…。」
「闇の炎に抱かれて消えろ!!」
「いや、そこは。悪いな、俺はまだ本気を出しちゃいないぜ!では?」
「くっ、第三の目がっ!!」
「封印されし左腕が!…疼くっ!!!」
「爆ぜろリアル!弾けろシナプス!」
「それも厨二病ゼリフなので?」
「え?嘘、知らない?」
「と言うか、元々主に教えてもらってないことは知りませんからね?」
「それもそうか」)
「きゃぁぁぁぁーーーー。あ?チッこっちに人がいる気配したんだけどな…。クソっ。これじゃぁ食いっぱぐれちまう。」
悪態をつく少女。
※目の前(約1m)に2人居ます。
「やっとそれっぽい気配したから、食料と金目のもんぶんどれると思ったのによぉ。クソッタレがっ!こんな事なら早々にあんなとこから足を洗えばよかった。クソがっ!!」
地団駄を踏む少女。
※目の前に居ます。
「なんで!あたしが!こんなこと!しなきゃなんねーんだよ!!誰か助けろよ!何で!なんで!なんで。なんで…。」
※目の前に居るよ!!
(「主?流石にこれはスルーできないかと?」
「逃げるが勝ち!さっさと行くよ。」
「…」)
「神様…。あたしが何したってんだよ…。アイツ、憎いアイツが持ってるあのマジックアイテムさえ無ければ!あたしだって逆らったさ…。だからって、だからって!!…うぅ。」
(「……マジックアイテム?」
「おかしいですね…。マジックアイテムは国が管理している魔法院に全てに厳重に保管されているはず…。こんなところにあるはずが…。」
「まぁ、私が持ってるステータスの宝珠もマジックアイテムだし、持っていても…。」
「いえ、一般的に制作方法は秘匿されています。独自に技術開発を行えるとは思えません。それと、あの村を基準にしてはいけません。」
「はぁ。面倒ごとは嫌なのに…。」
「致し方ないかと。」)
という事でだいぶ放置してる間に泣き崩れているお姉さんの後ろ側に回り込む
「どうしたの?お姉さん?どこか痛い?」
(まだミヅキは12歳。なので、ぶりっ子しても許される。見た目も悪m…ゲフンゲフン。人形じみているのでセーフ。だと本人は思ってる。中身の合計25だがな!)
---運命は大きく動き出す。
ฅ(º ロ º ฅ)《ミヅキさん。何も無い空中睨むの辞めませんか?ほら、目の前のお姉さん困った顔してるよ?だから、ね?睨まないで…。
え?年齢とかいらない?ぶりっ子じゃない?年齢に合わせてるだけ?
うっそだー
ごめんなさいごめんなさい!わかったから!