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第13夜

ฅ(º ロ º ฅ)《大変遅くなりました。申しわけないです

「その小刀、抜かせてみせるから。」

「お、期待してるな」


キンッ


高く舞ったコインが地面にぶつかり高い音を響かせる。

私達は同時に飛び出した。

お父さんと私では剣とナイフ、大人と子供。リーチの長さが違う。

更に、

「『フォルト』!」


お父さんは風属性かつ地属性魔法の2色使い。

私が自分に能力上昇系の魔法が使えないのに対してお父さんはフォルト(防御力アップ)などの魔法が得意だったりする。


と言うか。卑怯だろ!大人気ないぞ!!


何て言ってたら、斜め上から剣閃が降ってきたので紙一重で躱し、懐に入り込んでナイフで一撃を叩き込もうとしてバックステップで躱される。


こっちの2歩が向こうの1歩っていうところがいたい。

このままだと勝ち目が無さそうなので奥の手の1つを切る。


「『グラビティ』」

「っ!!!な、なんだ!?体がっ。クッ。」


今のお父さんにはいつもの2倍の重力が上からかかってる。

これ上からって言うのが重要で、実験して分かったんだけど、ただ単に2倍にすると内蔵とか痛めちゃう可能性があるんだよね。鍛えようが無いからね。その分上からなら自分の体重と同じ荷物に押しつぶされる感覚に近いから、物凄く動きづらいくて凄く疲れるだけで、足止めにすごく便利。

魔物ならこの時点でパニックになってあっという間に狩れるのだけど。

魔物ならね…


ことごとく私のナイフの軌道上に置かれている剣。動きづらいからさっきみたいに動かない分先読みに神経を使っているのか当たらない。


重力2倍で何でこんなに動けてるのか…。

流石お父さん。

脅威だわ。

この黒魔法のグラビティ、弱点があるんだよね

お父さんならすぐ気づきそう…


「チッ『風よ、エアカッター』」


発動時間が短い魔法を接近中に使うって!

追尾機能が無かったからまだしも、普通の人なら絶対死んでるぞ!ご丁寧に急所狙って撃ってくるし!

だけど今のでお父さんと距離が開いた。

あっちはまだ私の魔法の中、攻撃には移れない。


「強くなったな!ミヅキ!」

お父さん楽しそう。こっちはだいぶ死にかけてるんですが…


お父さんがこちらに向けて剣を投げつけてくる。

咄嗟に躱すが、視線をお父さんに戻した時に私はニヤニヤが止まらなかった。


お父さんが小刀を抜いてる!!!


「こっちの方が動きやすくていいだろ?」

抜いた。お父さんが小刀を抜いた。私が抜かせた。

笑いが止まらない。


目的は達成した


「行くぞ!『風よ大地よ我が願によりその--』」

「『グラビオール』」


お父さんの得意技2属性魔法エアストーン。その詠唱が終わる前に私はお父さんの首に後ろからナイフを押し当てる


「そこまで!!勝者ミヅキ!!」


クロの声が聞こえると地面に倒れ込んだ。

気持ち悪い。完全に魔力枯渇してるわ…


「いやー。まいったまいった。負けてしまったな。最後魔法撃たせてくれてもいいだろうが。」

「うぅぅ。やだよ。それに、まだまだだよ。実際こうやって地面に這いつくばってるもん。」

勝ったのにこの姿は情けない…

「あの体が重くなるやつと、最後あれどうやったんだ?」

「グラビティとグラビオールだね。重くするのがグラビティで、んーとね、お父さんのまわりの空気を重たくしたから動きにくかったんだよ。最後のは所謂移転ってやつです。」

この世界に重力っていう概念が無いから説明しにくい。おばあちゃんに理解してもらうのに1週間強制合宿させられたのはいい思い出です。

「移転魔法って言うと大規模な魔法陣がいるんじゃなかったか?」

「私の場合は開始と同時にお父さんが動きそうな所に私の魔力を薄ーく漂わせといてグラビティで動きを止めてそこに私の空間とお父さんの後ろの空間とを重ねる方法だから自分が認識出来る範囲じゃないと発動しない。普通の移転は魔力で道を作ってそこを運ぶシステムだからちょっと違うんだよ。」


因みにグラビティの欠点が魔力を満たしておかない場合に1歩動くと効果が切れること。

つまり、魔力の届いていない範囲に移動すれば解けちゃうんですねこれが。

ただ、今回は魔力を開始と同時に広い範囲に浸透させたから逃げ切れはしないと思うけど。おかげで魔力切れでヘトヘト。コスパもっとどうにかならんのか黒魔法。


「1人前になった祝だ、ほれ。」

何か黒い布の塊が降ってきたので確認すると、中には

「黒いタガーナイフ?」

「光が当たっても反射しないスグレモノだぞ?」

「これ、貰っていいの?」

「お前の為のナイフだからな。あと、ミヅキは免許皆伝な。」

「…。え?つまり?」

「どこに出しても恥ずかしくない、本当の意味での名無しの村の一員だ。」


嗚呼!!やったんだ。やっと、やっと!

「クロ!やった、やったよ私!認めて貰えたんだ!!クロ!やった!!」

「分かりました!分かりましたから落ち着いてください主!」

「これが落ち着いていられる?お父さんがホントの村の一員だって!!7年だよ?7年!!」

「おうおう。まぁ、落ち着けミヅキ。もうそろそろリアーノの婆さんとこに行く時間じゃないか?」

「あ!もうそんな時間!?行ってくるね!!行くよクロ!」

「行ってらっしゃい。」

このナイフ一生の宝物にしよっと!

ナイフのことも含めておばあちゃんに早く報告しなきゃ!

ฅ(º ロ º ฅ)《これからまた忙しいので更新が不定期になりそうな予感

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