第1夜
頑張って最低でも週一投稿していきたいと思います。暖かく見守ってくださいm(_ _)m
「あぁ。コレ死ぬわ…。」
今日2度目のセリフを吐く。
見上げれば転送用の魔法陣が太陽の光が煌めくと共に溶けるように消えていっており、下を見れば広がるのはオーストラリアをよりフライドチキンに寄せた感じの緑豊かな大陸と、青い海と地平線。雲ひとつない晴天の中、私はただ今高度約1500mからのパラシュート無しのスカイダイビングの最中です…。
「呪ってやる…」
風をきる音で自分の声も聞こえない中、こんな事ならもっと美味しいもの食べとくんだったとアホな事を考えて私は意識を手放した。
私は高校からの帰り道そこそこ高い橋を渡っている途中、何者かによって橋から突き落とされた。
あれ?柵あったよね?と思っても、私が落下中なのは変わらなくて。
(あぁ。コレ死ぬわ…。)
硬く目を閉じた。
何時になったら水に落ちるのだろう。え?落ちたよね?私落ちたよね?ん?何で衝撃も何も無いの?
「いい加減にしなさい!!これで何回目だと思ってるのですか貴方はッ!この前の彼だって、移転先のバランスやら元の世界の修整やらで大変だったんですよッ!?分かっているのですかッ!」
「は、はいィ…。」
おかしいな。幻聴が聞こえる。
「だいたい貴方はいつもそうですッ!人の仕事増やすだけで、自分は何もしないのですから気楽なものですよねッ!こっちは貴方がいろんなものを拾ってくるから調整しなければならずッ!仕事は溜まる一方でッ!」
「お、落ち着いて?血圧上がるよ?綺麗な顔が台無しだよ?」
「誰のせいですか誰の!!!!!!!」
「すいませんでした。反省はしてます。(後悔はしてない)」
「私は呆れましたよ!何せ今回彼女を拾ってきた理由が『魂が綺麗な子が死にそうになってたから、つい。』って!なにが『つい』ですかッ!?貴方がそうやってホイホイ連れてくるから【異世界転生】とか【異世界移転】とか【神隠し】などが世界に溢れているのですよッ!?今回は更に生きた人間!せめて死んでから連れてきなさいとあれ程、あれ程言いましたよね私ッ!貴方のその耳は飾りですかッ!」
「いや、でもね?」
「なにか?反論でも?」
「あの、その。」
「なにか?」
「申し訳ありませんでした!!」
2人の人が(声からして男女)が、話し合い(女の人からのお叱り)をしているらしい。
わたし死んだのかな?死ぬ時って痛くも苦しくも無いんだなぁ。もう目開けても大丈夫だよね?
私はそっと目を開け――――顔のパーツで原型を留めている部分が無いんじゃないかってくらいボコボコにされた男の人が、白い空間に宙吊りになっている――――そっと目を閉じた。
え?え?何あれ?え?DV?プレ○?え?
お、落ち着け私。こ、こういう時は円周率を…。
「数えなくていいですよ?黒崎美月さん?」
あ、そうですか。すみません。
「って!!何で心の声が分かるんですか!あと、何で私の名前知ってるんですか!?」
「神様ですから。」
「あ、そうですか。」
「疑ってますね!」
いきなり目の前で神様発言はちょっと…。
「私は何だって知ってるんですから!例えば、黒崎美月17歳、進学校と言われる高校に通う2年生で、受験に受かるも赤点の落ちこぼれており、得意科目は体育。年齢=彼氏いない歴だったり、隠してるようですけどゲーマーで、先日発売されたVRMMOをゲットするために仮病使って三日前から店の前で寝泊りしてたりとか。更にさらに!BWHが、上から--」
「ストォーップ!!!!!!!それはダメ!」
「そうですか…。では他の情報を!」
「イヤ、いいから!と言うかここ何処?夢かなーと思ったけど何か違う気がするし…。私死んだんだから、ここは天国?まわり一面白いし。」
「残念ながら美月さん。あなたは死んではいません。ここは神域と呼ばれ、世界を管理してバランスをとっています。」
え?死んでないの?生きてるの?じゃあ何で神域?に来てるんだろ私。
「それに関しては誠に申し訳ありませんでした。このクズが死にそうになっていたあなたをここに連れてきたのです。」
あ、あの男の人いつの間にか降ろされてピクピク痙攣してる。
「んー?つまり此処は神域と呼ばれる管理室で、あなたはゲームで言うところのGMで、私はGMの1人にアカウントを止められ緊急個人メンテナンス中?」
「だいたいは合ってますが世界の調整が終わってもあなたが元の世界に戻ることは出来ません。これは規則として定められていますので申し訳ありません。」
本気か………。