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短編集

アイイロの町

作者: 月宮 柊

 私が住んでいる町は小さな町、何にもない町だけど丘の上から見る町はきれいだったオレンジ色だったり、真っ黒だったりとにかく私はそこから見る町の景色が好きだった。何にもない町だけど景色だけはきれいだった。

 今日も私は学校帰りにふらりと立ち寄ったそれがもう私にとっては習慣になっていた、行かないとなんだか一日が終わらないような気がするのだ。

 今日も一日が終わるんだなとわびしい気分になっていた。今日はなんだか家に帰る気にはなれなかった別に親は共働きで家にはなかなか帰ってこないしここにいても誰も私をとがめないから大丈夫だった。

 今日はいい一日ではなかった嫌な一日だった。そんな日はいつも以上に町を遠くから眺めていたくなるのだった。

 どこか遠くから人の声が聞こえてくるけれどそれが何を言ってるのかは聞き取れない。楽しそうな声だった。

 「いいなぁ・・・」

 誰に言うでも無くぽつりと言った。自分の意思とは関係なく無意識に発した声だった。

 何も考えずに一人立ち尽くしているといつの間にかオレンジ色の夕焼け空ではなく夜になる前の藍色の空になっていた。あまり見たことのない空の色だった。

 「きれい」

 あんまりにもきれいな広い空、自分がひどくちっぽけに見えた。この空の下にいるちっぽけな自分。

 だんだん星が見えてきた、一番星がキラキラと頭上に光っていた。

 「一番星見つけた」

 いいことあるかな、そんなことを思っていたらおなかがぐぅと鳴った。やっぱりおなかは減るもんなんだな。

 明日もまた来よう、この藍色の広い大空を見るために。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読しました。タイトルがいいですね。 学生らしく、おなかが空いたら家に帰るところなんて何とも微笑ましいです。 小説を書いてからまだ間もない頃の作品でしょうか? 句読点を少し足した方がいいかな…
2016/10/12 06:44 退会済み
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[良い点] 文章が凄く綺麗。雰囲気が良い。 [一言] 雰囲気がとても好きで気に入りました。素敵なお話ありがとうございました。これからも頑張って下さい。
2014/03/17 19:53 退会済み
管理
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