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第五花 村に入ってもおっけーね?

六天金剛「今回は会話が多かったな。」


幽香「と言うか多すぎよね。こんな所で作者の文才の無さを目の当たりにするとは…。」


六天金剛「…仕方ねーじゃん。初めてなんだし。」


幽香「初めてでも、上手い人は最初から上手いものよ。貴方は無い方のカテゴリね。」


六天金剛「(´・ω・`)」

ーーーストッ



「いよっし、着いた。降ろすぞー。」


「えー、もう終わりー?」


村の外れの入り口にらしき門の前に降り立つ。


降ろすと共に俺に抱き着き、首を振りながらぶーたれる少女。お母さんはあなたをそんな娘に育てた覚えはありませんよ。お母さんじゃないけど。



「じゃ、中入るか。」


「うん!」



元気良く返事する少女。なんというか、懐かれたな。



そう思いながら門を潜る。すると…






「ーーー千百合っ!!」



こちらに響く甲高い声。その声のする方へ顔を向けると、顔に玉のような汗を走らせながらこちらに駆け寄る三十代半ばの女性、。そして、青みがかった銀色の髪の毛を持つ女性がいた。


「お母さん!!」



え、お前お母さん二人いんの?


と思ったが違うようだ。



少女の母は黒い髪の毛の女性だそうだ。

ということはあの銀髪の女性は…。



「お母さん!!けーね先生!!」






…ああ、やっぱりね。



「~~っ!このっ…ばかたれ!!」


ゴンッ!


黒髪の女性の拳骨が少女に炸裂する。


「いっ………たぁ。お母さん、なにするの!!」


「それはこっちの台詞だよ!こんな時間まで何してたんだい!!」


「そうだぞ!朝お前が薬草を取りに行ったっきり戻って来ないと聞いて、村人総出で探しまわったんだぞ!!」


銀髪の女性の援護射撃。少女はぐうの音も出ず、涙目で押し黙ってしまった。



しょうがない、助けるか。



「まあまあ、落ち着いて下さい。」


「…ん?そういえば、あんたは誰だい?この娘と一緒にいたみたいだけど…。」


「俺が誰かは後で説明するとして。…その少女は、山で妖怪に襲われていたんですよ。」


「「何だって!?」」


同時に声を出して驚く二人。まあそりゃ驚くよな。


「…で、其処に偶然俺が通り掛かって、偶然助けたという訳です。」


「そ、そうだったのかい!あんたがこの娘を助けてくれたのかい!ありがとう!!なんてお礼をしたらいいか……!!」


「いやいやいや…。恩を売る為に助けた訳じゃないので、気にしないでください。その娘が助かっただけで俺は満足です。」




本当にな。もう少し遅かったらどうなっていたことか…。


「ああ…、本当にありがとう!…ところで、あんたのことなんだけど…」





む、そうだったな。

仕方無い、語ってやろう 我が名前。


「俺の名m「待て。その顔、見たことがあるぞ。」…けーねェ…」


なに人の自己紹介を邪魔してやがりますか貴様は。人じゃないけど。



「その緑の髪に紅い瞳…もしかしてお前は、【風見 幽香】じゃないのか?」


「ええっ!?あの大妖怪の!?」


驚く母親。まあそうだろうな。

幻想郷でも名の知れた妖怪が、普通に人里来ているんだもんな。そら驚くわ。


「…人里に何の用だ?大妖怪ともあろうお前が、わざわざ人里に来る意味など在るまい。…何が目的だ?事と次第によっては…。」




マジデカ。ゆうかりんってここまで信用無かったのかよ…。



何故かいつの間にか戦闘フラグが立っていたので、それをへし折るために誤解を解かねばなるまい。



「いや、だからな…」


俺が目の前でファイティングポーズをとる白沢の女性、【上白沢 慧音】から誤解を解こうと声を掛けようとした。が、


「けーね先生のバカーーー!!」


「はぐあっ!!?」




それは、かの少女【千百合】の慧音の腹部に対する頭突きによって阻止された。



「もう!けーね先生話きいてたの!?お姉ちゃんはわたしを助けてくれて!わたしをここまで連れてきてくれたの!!お姉ちゃんはいい人なの!わかった!?」


「あ、ああ。…そうなのか……?」


「…だから、そうだと言ってるでしょうに…」


せっかちで早とちりな奴だな。そういえばこの半獣半人、間違って能力で里の歴史を【食べた】ことがあるんだよな。


勘違いが多い分、間違いに気付くのも早いってことか。


「す、すまない!妖怪であるお前が人里に来たものだから、なにか仕出かすかと思ってつい…」


「勘弁してください…。」




つい、で急にバトられちゃこちらの身が持たない。主に精神的に。今度から気をつけて貰おうか。



ーーーふと、辺りが暗くなっているのに気が付いた。


そろそろ、帰らねーとな。家知らねーけど。




「んじゃ、俺は帰らせてもらおうかな。」


「えー!なんでー!?もっと一緒にいようよー!」


…そんなこと言われてもなあ…。




「俺はこれからそこらの道端で野宿するという計画がだな…。」


「待て、野宿だと?お前、自分の家はどうしたんだ?」




痛いところを突かれたな。だが、その理由は実に簡単。

なに?聞きたい?仕方無い、語ってやろうその理由。




「ちょっと、迷子になってまして…。」





「………は?お前がか?」


ここは口八丁で誤魔化すしかないな。



「ええ、幻想郷全体を渡り歩いていると家に帰る暇が無くて…、家の場所を忘れてしまったんですよ。」


「…何ともまあ、アホらしい理由だな…。」


口に出して言うなよけーね先生。


「だが、野宿をする訳にもいかないだろう。幻想郷は人里以外は至るところに妖怪が溢れているんだぞ?」


「いやいや、これでも俺は大妖怪ですから。並みの妖怪に襲われても傷ひとつつかないですよ。」


「だが……。」


渋るけーね。やはり、先生という立場であることから結構世話焼きな性分が伺い知れるな。


「だから大丈b「だったら、わたしの家に泊まっていってよ!!」…え?」


なにいっちゃってるのこの少女。


「いやいや、お前が許してもお前の母親がだな…。」


「いいでしょ、お母さん?」


「ああ、いいよ。」


いいのかよ!!?


お母さんの太っ腹具合に驚愕する。




「…いいんですか?俺は貴女達の怖れる妖怪で……。」


「何辛気臭いこといってんのさ。」


え……?





「あんたは私の娘を助けてくれた。娘が生きてたことで、どれだけ私の心が救われたか…。」


俺は、少女の母の独白を黙って聴く。




「ーーだから、その恩返しをしたいんだよ。…駄目かい?」


「いや、駄目かと聞かれてても、それは願っても無いことなんですが…。」


「じゃあいいじゃない!!一緒にお風呂入ろうよ!一緒に寝ようよ!!」



ここで少女が話に入ってくる。…だが、なあ。


「いや、しかしだな…。」


「…駄目、なの……………?」



キラキラキラキラ



しょうじょ の キラキラこうせん! ゆうかは 1500の ダメージ を 受けた!


「いや、だからな…。」



「……………」


ウルウルウルウル




しょうじょ の うるうる攻撃! ゆうかは そくていふのう の ダメージ を 受けた!




「…分かったよ。……お母さん、お願いします。」


「ああ!ゆっくりしていきな!!」


「やったあ!お姉ちゃんと一緒に寝れるー!」



全く、えらく懐かれたもんだな。



「…まあ、お前なら大丈夫だろう。私が許可しよう。」


人里の守護者の赦しも出ました。これで万事OK だな。だが、その前に…。


「じゃあ早く行こ行こ!お風呂入ろ!」


「ああ、ちょっと待てって。まだお前に、そしてそこの先生に聞いていないことがあるだろう?」


これは聞いておかないとな。


「…なんだ?」


「なーに?」



「まだ、自己紹介をしていないだろう?どっかの誰かのせいで名乗り損ねたからな。」


「ぬぐっ……」


今の俺の言葉で低く呻く慧音。ハハハ、誰もお前とは言っていないだろう。


「それじゃ、改めて名乗ろう。

俺は四季の花妖怪【風見 幽香】だ。これからよろしく頼みます。」


「私は人里の守護者【上白沢 慧音】半獣半人だ。寺子屋で教師をしている。」


そしてこの少女は…。


「わたしは【草加(くさか) 千百合(ちゆり)】!11歳だよ!よろしく、幽香お姉ちゃん!!」




「千百合か、いい名前だな。」


「えへへ…」



…それじゃ。



「そろそろ行こうか。辺りも完全に暗くなっている。

…お母さん、今日はよろしくお願いします。」


「あいよ!1日と言わず何日でも泊まっていきな!!」


「ははは…考えときます。」




ーーー本当に、いい人ばかりだな。ここは。

妖怪である俺を、何の躊躇もなく受け入れてくれた。


この人達に、そしてこの里に、感謝しなきゃな。





そして俺は少女に手を引かれ、人里の中を歩いていくのだった。

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