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シガーキス
痛いですね。
部活終わり。親友と二人でロッカーに入った。
親友は隠しながら着替えているように見えた。
そこには無数の切り傷があった。隠す程度には罪悪感があるらしい。
俺はタバコに火をつける。
「おい」
俺は親友の左手を掴み、壁に押し倒す。
「タバコ咥えろ」
「俺、吸わねぇし」
少し抵抗するが大人しく咥えた。
俺はそのタバコの先に自分のタバコの先を押し当てて火をつける。
「苦げぇ!俺、吸えないんだよ」
空いてる右手でタバコを口から離す親友。
俺はそのタバコを左手で奪い、親友のリスカ跡に当てた。
ジュッ
皮膚が焼ける音がした。
「な、おま。なにし、いた…」
親友は涙目で訴えてくる。
「お前は、俺のモノだから。切るときは、毎回俺のこと思い出せよ。この傷、治ってきたらまたつけてやるから」
歪んだ愛だと知っている。
でも、俺は心から親友をアイしている。