第1編 第1幕『科学帝国騒乱』②
本章③『侵入者』
その老人はドアに触れる
「…『封印』か…」
老人は杖を取り出しドアを叩く
すると、ドアが開け放たれる
「こざかしい真似を…」
老人はエントランスに入り、暗い部屋の中を見渡す
「気配は…降りてくるのか」
階段の上から…少女が降りてくる
「誰?」
その姿は…天月美波だった
「おぉ!その御姿…お久しぶりでございます…『エインテール』様」
「…人違いじゃないかな?私の名前は『天月美波』だよ」
「それは申し訳ございません…ですが、貴女様は『エインテール』様の転生者なのです」
「…転生者」
「そうでございます…あの忌々しい神に記憶を封印されていらっしゃるでしょうが…私めにお任せくだされば…___」
「…その必要はないよ、私…今のままで満足してるの…だから、零君のことを忌々しい神なんていうのはやめて」
老人はため息を吐く
「貴女様の本質は…変わらないようですね」
美波は老人を見つめる
「仕方ありません…少々手荒になることはご了承ください」
老人は『禁忌魔法 爆裂照射』を使用し、美波を狙う
爆発が生じ、階段が抉れている
しかし、美波は老人の前に立っている
平然と…
「…どうやって…」
美波の眼は金色に光る
_______
科学帝国ギルテナード 五芒星
零と美白はその牢の前に立つ
「これはこれは…お客さんですか…お久しぶりですね…『全能神』」
「…」
「世間話に付き合ってもくれないのですか?変わりませんね…」
「お前が僕に用があると言ったんだろ…用件を早く済ませてくれないか?」
「…そうだね…君がここに来てくれただけでもありがたいくらいさ」
零と美白が不審そうに柊を見る
その時…轟音が響く
「何…」
ドアが開くと、美白の部下が入ってくる
「大変です!周囲を固めていた兵達からの通信が途切れ…『五芒星』が襲撃を受けています!」
「…全ての兵をかき集めて…防衛を…」
柊が高らかに笑う
「無意味さ…奴らはここまで来る…僕を…殺す為に」
「どういうことだ」
「僕は『離反者』になってしまったからね…僕から情報が流れる前に僕を始末に来たんだ」
美白は地上に戻り…部下に指示を出し始める
零はシャインと優亜に指示を出す
「お前達は美白達の援護を…」
「わかったわ」
「了解しました」
2人は出ていく
零は柊の方を見る
「お前の話を精査する時間はない…だから、信じてやる…死にたくなければ大人しくここに居ることだな」
「…言われなくても…死にたくないしね」
零はその部屋から出てドアを閉める
柊はかすかに開いている牢の窓から外の景色を見る
「さぁ…ゲームの始まりだ」
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科学帝国は世界の様々な国の中でも、『先進都市ゼクス』と同程度…いやそれ以上の発展を遂げてきたと言えるだろう
そして、科学帝国の主戦力は…元帥『神威美白』が最初に挙げられる
しかし、彼女は常に『五芒星』に常駐しているため…その周辺以外の防衛には別の戦力が向けられる
それが…『『知識』の実』と称される強者達だ
『『知識』の実』とは、科学帝国が『天魔族』に対する戦力として開発を続け…ある天才の登場によって完成された改造人間である
『五芒星』の襲撃者は…軍隊のように数百人規模で攻めてきている
その集団の前方が爆発し、襲撃者達を率いている2人はその景色を眺めている
「こんな早く対応できるのは…」
「十中八九…『『知識』の実』でしょう…『祭り人』…ここは私が引き受けます」
「え〜『人操者』君…独り占めする気?」
そこにいるのは…『神の簒奪人』…『祭り人』と『人操者』と称される2人
「早く行ってください…邪魔ですから」
「…もう、釣れないな〜」
『祭り人』の姿は軍団の中で消えていく
「全く」
『人操者』は手に握る『魔糸』を操作する
彼はその称号の通り…『人』を自在に操作することが出来る
その権能を用いて、『五芒星』までの道のりにいた兵士たちを操作する
しかし、その瞬間…前方での爆発が彼の元に迫ってくる
そして、その爆発から飛び上がった者が…彼に斬り掛かる
その攻撃を…彼は『魔糸』で受け切る
「まさか…『No.1』が来るとは」
斬り掛かってきた者の姿を見て、彼はそう呟く
そこに現れたのは…『『知識』の実』の『No.1』と称されるセナだった
「『襲撃者』を確認…『神の簒奪人』の1人…『人操者』…エヴィル=クローグと断定」
『魔糸』が完全に斬られ…エヴィルは後退を余儀なくされる
「チッ…」
セナは地面に降り立ち…周囲の軍団を薙ぎ払う
「想定外だ…が、傀儡ごときが僕に勝てるなどと思わないことだ」
「排除行動…開始」
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同時刻 『五芒星』正門付近
襲撃が始まった時点で…『五芒星』の門は閉じられた…が、敵を排除できないでいる
何故なら、操られているとはいえ…敵は自身の仲間なのだ
その場に…シャイン、優亜を引き連れた美白が現れる
「お前達…何をしている」
「美白様!」
「何故、襲撃者を前にして手を拱いているのだ?」
「ですが…美白様…襲撃者は我々の仲間で…___」
「仲間?ならば何故ここを襲撃しにきていると言うのだ?」
「それは…」
「何者かに操られているのかと…」
「なればこそ!お前達は手を拱いている場合ではないと私は思う…望まぬ襲撃を強制されているのなら…殺して解放すれば良い」
その言葉に多くの兵士たちが驚愕する
「我々が守るべきは国の安全…仲間の身を案ずるあまり…それを疎かにしてどうする!我々は命を賭け国の為に戦うと誓ったはずだ」
その言葉に誰も何も言えなくなる
「仲間のことを思うのなら…これ以上の過ちを止めてやるのが礼儀というものだ!」
美白は剣を引き抜き…門の外に跳び、シャインと優亜もそれに続く
兵士たちはその姿を見て…士気を取り戻す
そして、門を開放し…叫ぶ
「「「美白様に続けぇぇ!突撃だぁぁ!」」」
美白は地面に向けて剣を構える
「許せ…戦友達」
剣が地面に叩きつけられると…斬撃が360度に飛び、操られている兵士たちを斬り殺す
「あれあれ?ここにも誰かいるの?」
そこに立っていたのは…『祭り人』…久遠渚だった
「貴様…何者だ」
美白はその女こそ黒幕だと断定し、剣を向ける
しかし、それを妨害するように周囲の兵士たちが動く
その瞬間…その兵士たちを防ぐかのように2つの膨大な炎が出現し、兵士たちが焼き尽くされる
「美白殿…周囲の兵士は私たちに任せてくれて良い…」
「助かる…シャイン殿、優亜殿」
シャインと優亜は右と左に分かれて兵士たちに向かい合う
シャインは『黒陽剣』を引き抜いて告げる
「太陽よ…哀れな死者の勇ましき心を讃えよ」
優亜は炎の玉を出現させる
「せめて…苦しまないように…逝かせてあげる」
渚は美白を見る
「やばいかも〜?」
「これ以上先には進ませない…貴様はここで殺す」
美白の心は怒りの感情に染められている
その様子を『五芒星』の遙か上空で零は見下ろしている
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本章④『『五芒星』防衛戦』
『人操者』は状況を見極めるために、冷静に戦闘を進めようとしていた
しかし、セナにはそんなつもりはない
後退しながら自身の攻撃を捌くエヴィルに対して、何の躊躇もなく攻撃を続ける
セナが斬りかかるが、エヴィルはそれを避けて笑う
「嫌いじゃないよ…君のような特攻タイプは」
エヴィルが腕を振ると、セナの周囲に糸が現れる
セナは自身の『聖世剣』を振り、糸を切ろうとするが…糸は切れずに剣に纏わりつく
「気に入っていただけるかな?それは『粘糸』だ…弾性を持っているからそう簡単には切れないさ!」
エヴィルが勢いよく腕を引くと、セナの持っている剣がエヴィルの方に引かれる
セナは剣を離さないように握り、糸を見る
「…『煉獄刃』」
セナの剣に渦状の炎が発生し…『粘糸』を焼き尽くす
その炎が『粘糸』を辿ってエヴィルに迫る
エヴィルは『粘糸』を切り離し、呟く
「私の『粘糸』に引火する炎…なるほど…では、これならどうですか?」
彼は再び糸を出現させ…周囲を囲い込む
「『金剛縛陣』」
エヴィル=クローグの使用する『魔糸』には様々な種類がある
その1つが『粘糸』、そしてもう1つが『金剛糸』という『魔糸』である
『金剛糸』の特徴はその硬度だ
セナを囲い込むように『金剛糸』が放たれる
セナは糸を斬るが、糸には傷ひとつ付かない
「硬い…」
「驚いていただけた様ですね、その『魔糸』に付与されている効果は『鉄壁』という権能だ…君の剣でも傷ひとつつけることは叶わないよ」
セナは剣を下ろす
「諦めたのかい?」
エヴィルの煽る様な問いかけに、セナは動じずに答える
「君は忘れている様だが、僕たちは絶えず2人1組で行動しているんだ」
セナがそう言うと、エヴィルは周囲を見渡す
その瞬間…軍団の中から1人が飛び出し、エヴィルに斬り掛かる
エヴィルは咄嗟に攻撃を避けるが、その人物が振った武器が地面に当たると…大地を大きく割る
「おいおい…」
その人物は大きな片手剣を持つ大柄の人物で…『『知識』の実』の『No.5』…グレンだ
その武器である『破岩』は一振りで山を割ると言われている
「グレン…しばらく時間を稼げ」
「わかってるよ!」
エヴィルは『金剛糸』をグレンに放つ
しかし、振られた『破岩』によって…その糸は薙ぎ払われる
「こいつ…」
「緩い…緩いぜ!『神の簒奪人』はこの程度かぁ!」
セナは『金剛糸』に囲まれたまま…身動きが取れずに居た
「(糸に権能を付与し、魔力を流すことによってその性質を操作している…僕から干渉しても意味はない…ならば…)」
セナは剣を構える
「『絶対切断』」
その一振りは、『金剛糸』に弾かれる
「仕方ない…『リミッター解除』を申請」
『…システムNo.001からのリミッター解除要請を確認しました…『ジオンフェイズ』…実行…操作権限を『知識の神』に移行…『全自動戦闘状態』を起動します』
その瞬間…セナに莫大なエネルギーが流れ込み…セナの魔力量は『勇者』を超えるほどまで上昇する
『『全自動戦闘状態』起動完了…『絶対切断』」
先ほどとは桁違いの威力で放たれた斬撃は…糸を断ち切り、軍団を一刀両断する
「『排除行動再開…No.005…撤退命令』」
グレンは『破岩』を肩に担ぎ、一歩下がり…周囲の軍団の方に向かう
セナはその姿を見送り…エヴィルの方を見る
「どうやって抜け出したんだ?」
「『通告…軍事施設『五芒星』から手を引け…さもなくば…抹殺する』」
「(なんだ…雰囲気が…違う)」
セナは膨大なオーラを身に纏う、その異質な気配は…深みを増す
セナは一瞬にしてエヴィルの懐に入り込む
「『煉獄刃・突』」
『聖世剣』が煉獄の炎が棘のようにエヴィルに飛ぶ
エヴィルは『金剛糸』を盾の様に展開するが、抑えきれずに吹き飛ばされる
セナは剣をなぞる
「『煉獄刃・蓮華』」
セナが振った剣から、斬撃が無数に飛び…エヴィルを狙う
エヴィルの眼前に斬撃が迫った瞬間…斬撃が逸れる
「『異質な魔力反応を感知』」
エヴィルの前には不可視の盾が出現している
「これを使わされたのは初めてだ…やるじゃないか」
「『未知の術式…』」
エヴィルとセナは互いの動きを警戒する様に武器を構えるが…
その瞬間…エヴィルの支配していた人間達から『支配糸』が切れた
「何?」
エヴィルは困惑する
しかし、考える暇もなく周囲の兵士たちがエヴィルとセナに襲いかかる
両名は同時に飛び上がり…攻撃を交わす
セナが壁の上に着地すると、グレンもそこに着地する
「おいセナ…雑魚どもの雰囲気が変わったぞ」
「『その様ですね』」
「おい!『神の簒奪人』!どうなってやがんだ!」
エヴィルは困惑を隠せずに周囲を見る
「(この気配…『嫉妬』の魔人か?…どうやって私から支配権を…)」
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美白は『祭り人』に対して剣を振るが、ひらりひらりと交わされる
「怒りで前が見れてないんじゃな〜い?」
「随分と私を甘く見ている様だけど、そんな余裕があるのかしら」
渚はその事に気づく…
美白の放った斬撃は空中に停滞し、2人を囲っている
「あはは〜やっぱりあなたのこと好きかも」
その瞬間…斬撃が渚に降り注ぐ
しかし、渚は鉄扇を広げ…何事も無かったかの様に立っている
「良いじゃん良いじゃん…貴女みたいな強者がこんな国にいるなんて驚きだなぁ…ま…それだから貴女を殺せって言って来たのかな?」
「…どう言う意味だ」
「いけないいけない…話が逸れちゃうよ…」
渚は鉄扇を閉じ、再び開いて美白に告げる
「さぁ…もっと私を楽しませてよ!」
「面白い…久々に本気を出せそうだ」
久遠渚は『神の簒奪人』の中でも多くの国でその名を轟かせて来た
最も有名なのは『月華法国』と言う大国で起きた『雷霆者』との戦いだろう
『超越者』である『雷霆者』は『神の使徒』…『真神』と同格の存在だ
勝てはしなかったものの、『雷霆者』と互角にやり合ったことで…その強さを知らしめる結果となった
対する神威美白は、『科学帝国ギルテナード』の最強戦力として多くの国で恐れられている
直近では…『科学帝国』に攻め入った国の兵四千に対して…たった1人で壊滅まで持っていった
その強さたるや…『神の使徒』にも匹敵していると言われている
美白の攻撃は渚に対して何の効果もなしていなかった
寧ろ、渚の笑みは深くなっていく
「考えなしに攻撃し続けても大丈夫?」
美白は渚の懐に入り、斬り裂く
しかし、渚は傷も無く後ろに飛んで微笑んで美白を見る
「(…確かに手応えはあった…つまり、こいつの能力か…)」
美白は剣を下ろして渚の方を見る
「やっと気づいちゃった?」
「なるほどな…『雷霆者』と殺り合えるわけだ…」
「うんうん…流石だねぇ…じゃあ…___」
渚は一瞬の内に美白の間合いに入る
「死んでね」
渚の振った『鉄扇』が美白に直撃し、美白は後方に吹き飛ばされる
美白は踏み止まって、体勢を立て直す
周囲から近づいてくる『操られた兵士』達を…剣を振って容赦無く葬る
「(こいつの身体能力が強化されている…私と同じ系統の能力の様だな)」
美白は剣を構え直す
「貴様の能力は…攻撃を受ける度に攻撃の影響を無かった事にし、身体能力などを上昇させていく能力…攻撃は無意味となる」
「ピンポーン…正解だよ、どう攻略するつもり?」
「…どの様な能力にも欠点がある、底上げする能力に上限がないのだとすれば…『雷霆者』にすら負けることはない…故に…お前の能力の欠点は無効化できる攻撃の威力、または上昇させられる身体能力に上限が設けられている…更に、貴様が『雷霆者』との戦いで逃走したということは…その上限を超える攻撃を受け続ければ…上昇した身体能力はゼロに戻るということだ」
渚は更に笑みを深める
「ならば…お前を倒す方法はある…それは…__高出力の攻撃によって一撃で葬ることだ」
美白の『魔力量』が上昇する
「消えるがいい…『赫怒崩壊撃』」
全ての魔力が美白の剣に集中し、その膨大さに渚は笑う
「いいねぇ…戦いはやっぱりこうじゃないと!」
美白が剣を振る為に一歩を踏み出すと同時に、周囲は異様な雰囲気に飲まれていく
「何!」
「?」
美白は異変に気付き、渚も疑問を浮かべる
「なんかおかしくな〜い?」
渚は背後から『操られている兵士』に斬り付けられる
「ちょっ!…」
渚は兵士たちの攻撃が届かない場所まで飛び上がる
「『人操者』!どうなってるの!?」
渚は近くにいる『人操者』に問う
「わからない…私から支配権が奪われたということしか」
美白は部下達の下に戻り叫ぶ
「お前達!何か変だ…私に任せて後退を」
「「「了解!」」」
美白は剣を振り、その斬撃で近くにいた『操られている兵士』を皆殺しにする
「(この気配は…『嫉妬』か…『暴食』の次は私というわけか)…どうする」
セナは状況を冷静に判断し、耳に手を当てる
「『応援要請』」
その様子を、別の場所から見ている人間がいた
「『『知識』の実』の登場は予想外だったが、概ね計画通りに進んだね…あとは『憤怒』を手に入れられれば…」
すると、その人物の後ろから執事姿の男が現れる
「『レヴィアタン』様…___」
その男はレヴィアタンに耳打ちする
「なるほど…ならばあれは使い捨てだな」
「はい…そうなるかと」
「厄介だな…『超越者』は」
レヴィアタンはそう言って立ち上がる
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本章⑤『理を超えた者』
科学帝国ギルテナード デルシナーサ天文台
この施設は、科学帝国の重要施設の1つ
そこでは、『『知識』の実』や『機神』の開発が行われており…『知識の神』という『人工知能』の調整なども行われている
そこの筆頭研究員である星宮湊という女性が『知識の神』の前に立っている
『『No.001』からの『応援要請』を受理…承諾…付近にいる『No.002』『No.003』に出撃命令を送信』
「…何かあったようね、調整は終わっているからいいかしら」
星宮はタブレットを操作しながら呟く
その後ろから1人の少年が近づいてくる
「湊…俺が行ってやってもいいぞ」
「…クラント…あなた…また勝手に…」
「いいだろ…どうせ何をするわけでもないんだから」
「部屋に戻ってなさい…明日は早いのよ」
「わかったよ」
クラントが引き返そうと踵を返した瞬間…大きな衝撃が走る
「なんだ?」
そして、その部屋の電気が消える…
しかし、すぐに非常電源で明かりがつく
「何が起こって…」
その瞬間…声が響く
「ここが…『知識の神』の調整場所か」
クラントは『聖世の細剣』を引き抜く
「何者だ!」
その人物は…『陰の魔手」というオーラを大きな手の形に具現化させているレヴィアタンだった
「君も…『『知識』の実』かい?」
「質問に答えろ…次はない」
「そうかい?…」
クラントの目の前からレヴィアタンの姿が消え、クラントの半身を吹き飛ばし…クラントは死ぬ
「君が、『星宮湊』だね?」
「あなたは…誰」
「失礼…私は『嫉妬』の魔神…レヴィアタンと申します」
「あなたが…」
「よろしければ…抵抗しないでくれるとありがたいのですが…」
湊は机にあった武器を見る
しかし、動こうとした瞬間…湊の首が飛ぶ
「無駄な事を」
レヴィアタンは湊の死体に手を当てる
「ではよろしく…『嫉妬の魔人』」
_______
統一国家レギオン
「どうやって…」
美波の右目が金色に光る
「君ごときの考える事を、なぜ僕が想像できないと思ったのか…不可解この上ないね…アストライオス…こう呼んであげようか…『最高神』を殺した神」
「貴様!『ゼロ』か!」
美波の姿は…零に変わる
「僕が何の神だったのか忘れていたのか?いや、君と会ったのは『神王化」を果たした後だったか」
「ありえない!貴様は確かに…『科学帝国』にいたはず!」
老人は驚愕する
零は『神帝』を引き抜く
「君では僕に勝てないが、数分くらい頑張ってくれ」
老人は杖を零に向ける
その瞬間…周囲が爆発する
老人は空中に停滞し、爆発後を見る
「倒せた…訳はないか」
老人の背後から声がする
「…せっかく直したというのに、また壊されるなんてね」
老人は零の方を見て…舌打ちする
_____
『嫉妬』の魔人と化し、『人操者』の支配から解き放たれた兵士たちは…セナ、グレン、美白、優亜、シャイン、渚、エヴィル達に襲いかかる
戦況は混乱する…しかし、大きなプレッシャーが戦場を包む
遥か上空から零はそのプレッシャーの発生源を見る
「あれは…雷?」
兵士たちが現れた方角から大きな雷と共に、斬撃が発生し…全ての兵士たちが斬り殺されて停滞する
その人物が大太刀を鞘に収めると…斬られた全ての兵士が血を吹き出して死にゆく
その姿は…純白の軍服だ
そして、その姿は…渚に見覚えがある
「あれは…『雷霆者』!」
その人物は再び大太刀に手を当てる
すると飛び上がり、零に大太刀を振り抜く
零は『絶対障壁』によって攻撃を防ぐ
「大きくなったね…零君」
「!…あなたは…天月優菜!」
その人物は…『天月芽愛』の母親であり、世界最強と呼ばれる『超越者』…『雷霆者』の天月優菜だった
次回予告
戦場に突如現れた『雷霆者』…その刃は…白神零へと向かう
一方…帝国の内部ではレヴィアタンが暗躍し、『知識の神』がレヴィアタンの手に落ちる