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何をしたら良いかな?

「今日ニコラ君の家に遊びに行ってもいいかな?」


唐突に告げられた言葉に俺は素っ頓狂な声を上げることしかできなかった。


「ちょ、ちょっと待っててね、今確認するから」


俺は親に確認という切り札を使って、頭を冷やすように努力をする。

こういうとこ童貞だよな、俺


「あ、母さん?」

「どうしたのニコラ?」

「あ〜〜その、友達を家に連れて行ってもいいかな?」

「良いわよ、というかもう友達ができたのね」

「そ、そうなるね」


流石に可愛い女の子と思ってないだろうな、流石に思ってたらヤバい奴だな。

元からか。


「大丈夫らしいから、このまま行く?それとも一回家に帰っとく?」

「こ、このままで大丈夫、だとお、思う」


そんなに挙動不審になるくらいなら、行かなくて良いと思うが、実際俺も家に女の人を入れるのは前世を入れても一〜二回くらいだから人の事を言える立場では無いけどね。


「分かった、案内するから付いてきてね」

「分かった」


辞めて、そんな笑顔を向けないで惚れちゃうから。

これが彼女がいない=年齢の力か、不思議だ。

そんな事を考えつつ俺たちは教室を後にし自宅に歩みを進めていった。







「ただいま」

「お、お邪魔します」


この世界でも、そんなふうに言ったりするんだ。なんか日本語を聞いてるみたいで懐かしいな。


「おかえり、そしていらっしゃい」


俺たちに気づいたのか、台所に立っていた筈の母さんが玄関までやってきた。


「ニコラ、その女の子の名前は?」


ちょっと驚いた表情をしていたが、流石に本人がいるのに声に出すことを躊躇ったみたい。


「この人はジュリーさん、俺のクラスの同級生でね、俺が迷子になってる時に助けてくれたんだ」

「は、始めました、ジュリー・マリネと言います」


そんなに緊張しなくて良くない?だって目の前にいるのただの元冒険者という名の親バカだよ。


「じゃあジュリーちゃん、ニコラの部屋で遊んでらっしゃい」

「は、はい」


ちょっと声が上擦っていた、こういう所可愛いが、声に出してしまってはどんなイケメンでもキモいと思う、ていうかイケメンに生まれてそんなに時間が経って無いから、イケメンの対応というものが分からん。


「じゃあニコラ案内してきてあげなさい」

「分かった」


考えていたが、お母さんに言われたら案内するしか無いよな。というか元からするつもりだったし。


「じゃあ付いてきて、この家無駄にちょっと広いから」

「よろしくね、ニコラ君」


だからその笑顔を向けないで、目に毒というか、凄い光が出てるから。

俺は自分の家を案内しつつ、自分の部屋へと向かった。






「ここが俺の部屋ね、散らかっては無いから入っていいよ」

「お、お邪魔します」


ヤバい、初めて女の子を自分の部屋に入れちゃった!どうしよう、どうするのが正解なんだ?

ていうか、今から俺等何するの?ゲームは無いし、小説もない暇を潰す方が思いつかないんだけど!?


「ねぇ、ジュリーさん」

「ひゃぃ」


そんなに驚かなくても、お化けじゃないんだから


「俺の部屋に来たは良いけど、これからどうする?」

「これから?」

「そう、どうやって時間を潰す?」

「あ!」


ねぇ、その『あ!』は信用して良いんだよね!今なにかを思いついたからそんな言葉が出てきたんんだよね?頼むからそう言ってくれ。


「どうしようか?私も何も考えてない」

ですよね〜〜俺が考えてないんだし当然だよね。

「じゃあ今から考える?」

「そう、だね」


そんな落ち込んだ表情をしないで、こっちの心まで痛くなってくるから。


「そんなに落ち込まないで、俺も考えてないからさそれに、一緒に考えてる時間も楽しめたら暇を潰しつつ、楽しむ時間方法を考えるって良くない?」

「確かに」

「それに、今日できなくても、また次来た日にやれば良い話じゃん?」

「また、来てもいいの?」

「もちろん、というか毎日来てくれても構わないよ?」

「わ、分かった一緒に考えよ」


なんとか落ち込んでいる状態から回復させることができたようで良かった。

そして、なんで顔が赤いのかな?俺なんか変なこと言ったっけ?







結局その日は何をするのか具体的には決まらなかったけど、話してる時間も楽しかったしまた来るみたいだし、その時に続きを決めよう。


「それじゃあ、お邪魔しました」

「またいつでも来てね」


緊張がほぐれたのか、いつもの口調に戻っていた。


「じゃあ、送ってくるんね」

「え?」

「そうね、まだ明るいけど襲われないとは限らないしね、実際襲われたしねニコラ」


あんな真っ昼間に襲ってくるのは本当に馬鹿だと思う


「だから俺が送っていくの」

「じゃあいつでも来てね、ジュリーちゃん」

「は、はいお邪魔しました」


また緊張状態に陥ってしまった……なんで?










俺たちは並んで歩きつつ、ジュリーさんの自宅を目指していた。


「じゃあジュリーさんって剣が得意なんだ」


まさかのジュリーさんは剣が得意だったらしい。でも俺は剣技の試験なんて受けてないけど合格が出されたけどどうなってんだ?


「ねぇ、俺その試験受けてないけどなんで合格なの?」

「全部を受ける必要は無くてね、どれか一つが飛び抜けていれば合格することができるの、何が飛び抜けてるかはわかってるでしょ」


魔力量が多かったから一発合格なわけか、なんか凄い楽な試験だと思っていたが、理由がはっきりして良かった。


「じゃあ私の家この辺りだから、送ってくれてありがとね」


また笑った、可愛すぎだろこの子。


「お礼を言われる事はしてないよ」

「でも、私が襲われても絶対に勝てるっていう保証が無いからね、だからありがとう」


そんな事を上目遣いで言われたら、並大抵の男なら落ちるだろう。俺も落ちかけたが、なんとか理性がストップをかけてくれて助かった。


「分かった、お礼の言葉受け取っとくよ」

「じゃあまたね」

「また明日、学校で」


小さくなっていく彼女の背中が少し愛おしく思えた。






この辺りはまだ無意識ですね〜

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