学校に行こう
俺がニコラ・アンドレとして生まれて、12年が経った。
「ニコラ、明日から本当に学校に行くのか?」
「はい、父さん」
この世界に学校が存在するが、入るのは、才能のある人間、上流階級の人間のどれかである。
「この世界の事を学びたいのです」
「お前の魔力量なら大丈夫だと思うが、上流階級の人間の性格をこの辺の人間の奴らと一緒と思うなよ」
公務員だろお前、そんな事言って良いのか?
「良いんですか父さん、そんな事を言って」
「安心しろ、これは事実だ」
大丈夫かな〜〜学校。
俺は、入学試験の会場に来ていた。
来た瞬間吹っかけて来ると思っていたが、俺の身分が功を奏したのか分からないが、言いがかりを付けてくる奴はいなかった。
「ここが、この国一番の学校か」
凄い広い、東京ドーム何個だろ?
「お前か、アンドレ家の息子は」
はい、面倒くさいです
「そうですが、貴方は?」
「良くぞ聞いてくれた、我が名はルイ・ドレルアン、この国の貴族の家系だ」
はぁ〜面倒くせぇ〜でも前世からの言い伝えだが、目上の人間には媚びをを売っとけだ
「そのような由緒正しい家系の方が、私のような中流階級の生まれの私に何か御用が?」
「勘違いするなよ、ただ今年はアンドレ家の息子がいると聞いて、見に来てやっただけだ」
誰が見に来いと言った、誰が!
「貴方様の目から見て、私はどのようですか?」
「顔は良いが、魔力は俺以下だろ」
測ってないくせに。
「お褒めの言葉恐縮です」
「せいぜい頑張ることだな」
「はい、ありがとうございます」
こいつチョロいな、上手くいけば友達になれるかもしれんな。
そんな事を考えつつ、俺は門を通っていった。
「今日お前らの試験を担当するトニー・ヴァロワだ、今日の試験では、魔力量、剣技、学問の三つを測定する」
魔力量は誤魔化すとし、学問は頭に入れていたが、問題は剣技だな。
上流階級御用達の剣技なんか知らないし、どうしたもんか。
「ではまず、ジュリー・マリネ」
「はい」
貴族だろうが、キレイだな。
背中まで伸びた金髪に、整った顔立ちあんな嫁が前世でも欲しかった。
「まずは、魔力測定からだ」
ジュリーさんが手を伸ばしすと、数値が浮かび上がってくる。
「57、合格」
そんな数値でいいの! 俺、ヤバいかも。
「次、ルイ・ドレルアン」
「はい」
でも、数値を下げると、おじいちゃんになんか言われそうだな。
こいつが凄い高い事に期待しよう。
「86、合格」
やっぱり駄目か、周りはざわついているが、俺からしたら全然駄目だ。
「次、ニコラ・アンドレ」
「は、はい」
「おい、今アンドレって」
「聞き間違いだろ」
どうか、人間離れしてませんように。
「よ、四百‼」
全然人間離れだったよ、じいちゃん。
「ニ、ニコラ・アンドレ、合格」
「やっぱり、アンドレじゃん」
「マジかよ、聞き間違いだと思ったのに」
「今年の合格厳しいぞ」
「あぁ、間違いねぇ」
そんなに凄いんだ、四百、俺からしたら低く見えるけど。
その後は順調に進んでいった。
俺が学校から、家に帰っていると。
「ちょっとお前、この学校から出たってことは、貴族の家柄だろ」
「悪いねぇ〜お兄さん達お金が無いんだ、少しお金頂戴」
柄の悪いやつが出てきたよ。
「どのくらいですか?」
一応聞いておこう、実はいいヤツかもしれないし。
「ざっと金貨四千枚くらいかな」
この世界は、金貨、銀貨、銅貨があり、日本円で大体、一万円、千円、五百円で向こうに比べると、物価が高いったらありゃしない。
「そんな大金持ってませんが?」
「身代金で貰うんだよ」
男がそう言うと、後ろから大柄な男が四人、魔法使いが三人出てきた。
俺は、抵抗する間もなく、意識を失い袋に入れられ、拉致された。
俺が目を覚ますと、薄暗い洞窟の中だった。
木が揺れる音が聞こえるし、多分森の中かな?
「お目覚めかい、坊ちゃん」
俺の目の前には、俺を攫った奴の主犯らしき人間が座っていた。
「お前の家の、魔法番号を教えろ」
魔力番号とは、名前そのまま電話番号である。
俺が魔力番号を話すと、その番号にかけ始めた。
「どちら様ですか?」
母さんが出たようだ。
「お宅の息子は預かった、返して欲しければ、四千金貨を」
男が言い終わる前に、母さんが叫んだ。
「貴方!今すぐ逃げなさい!」
息子を攫ったやつにそんな事をいうか?普通?
「死ぬわよ」
母さんが聞いたことも無いほど低い声で男たちに言った。
母さん正解、こいつらは、ここで殺す。
「何を言ってんだババア、こんなガキに負けるわけねぇだろ」
男はそんな事を言いながら、外を見ていたので今がチャンスだ。
まず、辺りを確認する。
「人数はざっと七人、洞窟の後ろに気配は無い」
「何を言ってんだガキ!」
男は俺に飛びかかって来たが、俺が蹴りを入れたと同時に、創造魔法で作っておいた、サブマシンガンで血祭りに上げた。
音を聞いてやってきた残りの男三人も同様に血祭りに上げ、魔法使いは弾丸を魔法で防いだので、魔法を使って殺す。
「爆炎」
その言葉と同時に、魔法使いの周りが激しい炎に包まれた。
「何だ、何の音だ!」
主犯の男がやってきた。
「遅かったなぁ」
「お前か、お前がやったのか?」
「他に誰がする?」
男の顔は恐怖に満ちていた。
「で、どうする?死んどくか?お前」
「い、いや、来るな、こっちに近づくな」
その言葉と一緒に男は気絶した。
「脈に問題無し、気絶か」
しかしどうするか、俺の戦闘を見ていたわけじゃないだろうが、俺が殺ったとこを見られてるし、殺すか。
辺りに馴染みの無い、銃声が響いた。
「ただいま、母さん」
「おかえり、ニコラ」
「大丈夫?殺してない?」
「いや〜なんと言いますか」
「自分が危機に陥ったら殺せとは教えてるけど、ほんとにそんな状況になるとは思わないじゃない」
まず教えんなよ!
「魔法は三人にしか使ってないよ」
「他の人たちは?」
「跡形も残ってないと思う」
「じゃあ、大丈夫ね」
何処が大丈夫なのかお聞きしたい。
「どうだった?試験?」
「驚かれたし、大変だったよ」
「でしょうね、そんな若さでそんな数値、貴方しか見たこと無いわね、ねぇ、貴方」
「そうだな、可愛い嫁」
面倒くさいことが始まる気がしたので俺は自分の部屋に逃げた。
アンドレ夫妻はバカップルです。
そして、これを見て育ったニコラもバカップルになります。