俺の中の疑問
実はポテチの「ぜんざい味」は実在しました(笑)
確かにあった。「ぜんざい味」のポテチ。
俺は目が点になる。そんなものが存在して居るとは……。
しかし、箏羽は嬉しそうにそれを籠の中へ入れた。
「ちょっと後で味見させてくれ」
俺も興味の方が勝っていた。どんな味なのか想像できない。
「うん、いいよー後で一緒に食べよう」
嬉しそうに箏羽が承諾してくれる。ポテチにチョコ掛けも大概びっくりしたものだったが……。
ナポリタンその他食材を買って、袋へ詰める。
帰り際、「クレープも食べたい」という箏羽に、俺にはお願いを断るという選択肢はなくて、ついつい甘やかしてしまった。
嬉しそうにクリームを頬張っている箏羽を、こうやって隣で眺めていられる幸せを実感していた。
箏羽はクルマの助手席に座ってクレープを食べながら、思い出したかのようにオレに尋ねてきた。
「そういえば、周って大翔と仲あまり良くないの?」
急にぷっこんできたが、俺はポーカーフェイスは得意である。
「別に嫌いでも好きでもないよ。単なるクラスメイトだし」
たぶん全く平常運転だ……たぶん。
クレープを食べながら、箏羽は「うん、そうだよねぇ。確かに」とぶつぶつ呟いている。やっぱり今朝のキャンプ地ことが気になっていたのか……。
「箏羽は朝霧がお気に入りみたいなものだよな」
言って、〝しまった〟と焦ったが遅かった。こんな発言する気も無かった。気になっていたのだが、このタイミングで……。
俺は自分がしでかした巨大なミスに、内心汗タラタラである。
箏羽はちょっとびっくりしていたが、「同好会メンバーだしね」と話し始めた。
「キャンプ一緒に行くし、ノリも合うから一緒に居て別に苦ではないけど……お気に入り……とか考えたことないかも」
箏羽も困惑していることが手に取るように伝わってきた。
「でも周がキャンプとかアウトドアできるのは意外だったなぁー」
箏羽がちょっと驚いたように呟いていた。
「これからは周も一緒に行こうよ、キャンプ!」
その言葉に対して俺は疑問が出る。
それは、俺とだけで行くということなのか?
聞きたい衝動もあったが、心の中に仕舞っておいた。
がっつくつもりはない。箏羽も少しは俺のアウトドアのことを知ってくれたわけだし、これで良かったのだと自分に言い聞かせていた。




