表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/44

ライバルに認定される

「お前、せめて箏羽の前ではなんとかできないか……」

 ため息交じりに俺を責める。

「別に俺は普段と変わりないが」

 その言葉を気にしないかのように俺は返答する。

 朝霧は、一瞬考えていたようだったが、俺に対して、口を開く。

「オレに対して別にその態度は気にしない。しかし、それを箏羽にするのなら……お前には『彼氏』という地位は返上してもらいたいんだけどな」


 それが……お前の出した結論でもあるんだな。


「言った通り、箏羽と俺の関係は『箏羽も』了承済みだ。今更お前の入る場所はない」

 俺は現実を突きつける。


 そう朝霧、お前の場所はもう「空いていない」んだよ。少なくとも今は俺は迷いはあるが、それは箏羽の気持ちに対してであって、朝霧に対してではない。

 お前が外堀から埋めていった関係は……俺が全部撤去させてもらう。


「まぁ、先の事なんてわかんないしなぁ~」

 朝霧がニヤリと微笑む。

 今までは「良い親友」という立場で箏羽の一番近い地位に胡坐をかいていたのが、俺がぶん盗ったことで……焦っていたようだ。それが昨日今日の「宣戦布告」で吹っ切れた様子である。

 俺からしたらめんどくさいことこの上ない。

 しかし、避けて通れないことも初めから分かっていた。


 一通り洗面も終わらせて……我に返る。

 朝から何バトルしているんだ……俺ら。


 苦笑するしかなかった。



 撤収作業も手際よく終わらせることができた。

 箏羽も朝霧もやはり慣れているな、と感心してしまった。俺は問題なく撤収終わらせている。

 やはり二人にとって俺という存在は「インドアインテリ周」として定着しているらしい。この結果にびっくりしている様子だった。

「ホントに如月ってアウトドアもできるとか完璧が許せん」

 朝霧は箏羽を連れて恨めしそうに俺を睨む。

「ホントよね、私も知らなかったもん」

 二人して俺を何だと思っているやら……。


 やれやれ、と思いながら荷物を要領よく車に積む。箏羽の場所を少しでも広くするためでもある。俺はパズルのように考えて行きよりは広いスペースを提供できたことに満足していた。

 でもやはり箏羽が後ろになってしまう……箏羽は助手席だ! と思っていたのだが……あっさり朝霧が乗り込んでしまった。


 帰り際に、キャンプ場の受付でチェックアウトして、二人を車に乗せると帰途に就いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ