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キャンプ同好会の「真相」

「オレ今からやるから手伝えよ」

 と朝霧がポールを組み立てながら、タープとポールを手渡す。

 別に俺がキャンプの主体ではないので、言われるがままタープを広げてポールをセットしていった。

 それは身についていたので、無意識してやっていたのだが、箏羽がポカンッとしながら俺を見ている。


 まぁ、俺のことはインドアだと思っていたんだよな。


 朝霧は手際よく組み立てていく。

 方法は分かっているようなので、お互い何をしたらいいかとか、いちいち確認する必要がない。

 箏羽の目の前で設営はあっという間に終わってしまった。

 俺は箏羽が心配になって振り向くと……俺らを見て目を輝かせて手を叩いている。


 俺は……褒められているのか?


 何とも言えない気持ちになる。でも箏羽が嬉しそうなので俺は良しとした。

 箏羽も自分のテントを組み終わると、満足そうに見回して「あっ忘れてた!」と叫んだ。

「使用カード貰うの忘れた。ちょっと貰ってくるー」

 それはキャンプの手続きが終わっているテントにかけておく認識カードのことだった。俺もすっかり存在を忘れていた。

「いいよ、俺が取ってきてやるよ」

 箏羽を止めようとしたが、「ううん、大丈夫―」と言いながら箏羽は走り出している。元気になったことにちょっと嬉しくなってしまった。



「一体何の術使ったんだよ」

 朝霧はロープを張り直しながら、俺に質問してきた。

 やっぱりそう出てきたか……俺の感は当たっていたことに苦笑してしまう。

 コイツに対しては勘違いでも何でもなかったことを、再認識することができた。

「なんのことだ」

 俺は朝霧に認めて欲しいとか、説明したいとか、そういうことは一ミリも思っていない。出来れば、俺たちには関わらないでおいて欲しいヤツだ。


 俺は振り向くことさえしなかった。突っ込まれるのは必須。できれば少しでも回避出来たら、と思っていたからだ。

 しかし、それを許す朝霧ではなかった。


「お前らあんなに犬猿の仲だったのが……葉月が戻ってきたら『彼氏面』かよ」

 吐き捨てるように朝霧が呟く。


 あーやはりそうきたか。

 俺は予想していた言葉にまたもや苦笑してしまった。これで朝霧は「クロ」だということは判明した。単なる仲良しキャンプ同好会ではなかったわけだ。


 そう……俺はこれを明確にしたかった。


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