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それぞれのレベル

 とりあえず駐車場でクルマを停めると、受付を済ますことにした。

 受付は朝霧が代表で済ませてくれたようだ。


「人数一人ぐらい増えたって問題ないってさ」

 そういうと、あっさり受付を済ませてくれた。俺の分の使用料払おうとしたが、「お前はクルマ出してもらったから箏羽とオレで出すよ」と気を使ってくれたらしい。


 ここの使用料なんて高いものではない。その程度で借りができるのは死んでもお断りだ! と思ったのだが……そばで箏羽が笑顔で頷いている。

 この行為を無にするのも、箏羽に対して気が引けた。本当なら俺が箏羽の分まで出す予定だったのだが……。


「わかった、サンキュー」

 俺は素直に行為を受け取ることにした。




 テントサイトに移動して……。


「場所は決めているのか?」俺は二人に尋ねた。

 朝霧が湖畔の木々が生い茂る場所を指さし、指定している。

「ここは水場やトイレが近いから、便利なんだよ」

 そう言いながら箏羽に笑いかけている。


 まぁ、こいつらも初めての場所での、初めてのキャンプではないだろうしな……と俺はその意見を尊重した。

 クルマもちょうど停車しやすい。俺はクルマを停めると設営に取り掛かることにした。


 二人は手際よくテントを組み立てていく。それを横目に見ながら「流石に同好会と謳って、毎週のように出かけていたわけではないんだな」と感心していた。


 俺はめんどくさいのと、クルマだということは分かっていたので、テント用品は荷物の心配をせずチョイスしてきている。

 折りたたみ傘みたいに広げると設営できる一人用のテントをさっさと広げて、ロープとペグで固定してしまうと、手持ち無沙汰となってしまった。


「はやっ! って、それワンタッチテントじゃん。いいなぁ~」

 朝霧が俺の手持無沙汰に気づいたのと、設営が終わったのに気づいてテントを覗き込んできた。

 確かにかさばるが、このテントの方が楽である。

 コンパクトさを追及すると、骨組みから組み立てるタイプの方が、片づける時にはコンパクトなのではある。

 しかし、設営する時には、骨組みを組み立てて、テント広げて、骨組み通して……と手順は増える。個人の好みでもあるが、俺は楽な方がいい。


 俺はこいつらとはキャンプは初めてだから、こいつらが他に何を持ってきているのか不明である。

 荷物を横目で目で追いながら、軽く何を持ってきているか軽く査定した。

 朝霧の方が箏羽よりは約組み立て終わっている。「流石というべきか」と思っていた。


 気が付けば朝霧は長めのポールを組み立て始めている。

「ほれ、タープ設営してやるから出せよ」

 俺は何を始めようとしているのか理解できたので、「ほれほれ」と急かしながら、タープの袋を出すよう促した。


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