表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/44

キャンプからの二択

 俺は一晩考えた。

 結論は二択しかない。


 ・絶対箏羽をキャンプへ行かせない。

 ・オレもキャンプへ同行する。


 それしかない。

 その結論は次の日に持ち越された。


「やっぱり俺も行くよ」

 俺は箏羽にキャンプを行くことを中止して欲しかった。

 しかし、嬉しそうに朝食を食べている箏羽にそんなことは言えない……。

 それて導き出された結果が、先ほどの言葉だった。


「それでも」

 俺は箏羽が心配だった。

「大丈夫だよ、久しぶりにキャンプ行くだけだし。大翔も一緒だから」

 箏羽の頭はキャンプのことで埋め尽くされている様子である。

 これを覆すことはやはり酷だと感じた。


「インドア派の周がアウトドアなんて無謀だよ。大丈夫だって」

 そう笑って告げる箏羽には、俺は「インドア派でインテリで、アウトドアとは無関係な周」と映っているのであろう。

 今まで俺がしていた態度が導き出した結果であるが、我ながら苦笑してしまった。ほんと自分で自分の首をどれだけ絞めたら気が済むのやら。


 もうそんな自分は打破しよう。


「やっぱり俺も行く。それに……」

 俺は箏羽に微笑みながら付け加える。

「箏羽が思うようなインドア派でもないけどな」


 さぁ、俺の「箏羽とアウトドアデビュー」の開始だ!


 決まると夢にまで見た箏羽とのキャンプである。

 嬉しくないはずがない。

 俺は「何持っていこうかなぁ」と気が付いたら鼻歌交じりのテンションマックスで、自室へ戻っていた。


 選択肢が決まったら、することは一つだ。


 いつも箏羽たちがキャンプへ行く同行は把握している。

 二人は原付スクーターの免許を取得していたので、原付スクーターに荷物満載で目的地へ向かっていた。

 俺は玄関に置いていたクルマのキーを手に取ると上機嫌で下に降りる。


 そこで待っていたのは、SUV車だった。

 親は俺が免許を取ったということで、中古だがこれを買ってくれた。箏羽とのデートに何が良いのか一晩悩み、選んだ結果だ。

 アウトドア好きの箏羽の希望を叶えられる! とコレを即決した。

 それが今役に立とうとは……嬉しくて、心の中ではガッツポーズしている自分がいる。


 クルマの後部シートを調節すると、荷物が置けるスペースを十分確保した。


 本当は朝霧なんて乗せたくない。

 俺は()()()()()()、デートしたかったんだ。しかし、今や朝霧は箏羽とセットのキャンプ仲間だ。それに朝霧がいるから、キャンプ場で()()()()()()()()心配も回避されているところがある。


 俺はしぶしぶ朝霧のスペースも確保することにした。


 マンションの下には、各部屋用に物置が用意されている。

 オレのキャンプギアはその中に収納させていた。


「たぶん、手入れしているから大丈夫だとは思うが……」

 そう言いながら、必要品をクルマに積み込んでいった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ