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九話

休憩時間が終わりミレイユが戻ってきた。

「それでは戦史の講義をはじめる。我が国の置かれている状況は危機的状況だがそれはなぜか言ってみろ」

「中つ国と国境で激しい戦闘が行われているからです」

「その通り。我がインドシア王国と中つ国は古代より常に争ってきた。開戦当初はまだ戦術機はなく、歩兵と歩兵のぶつかり合いからはじまり、戦術機が開発されると国境での争いは激しさを増していった。現在の戦闘について解る者はいるか」

ズススが手を挙げる。

「ではズススいってみろ」

「基本は戦術機を中心とした部隊同士の争いですが相手に気づかれぬよう接近し相手の戦術機を破壊するなど多様な作戦が取られています。いかに相手の戦術機を無効化するか。それに尽きるでしょう」

「よろしい。現在、我が軍は製造を急いでいるが戦術機の数で負けており急ピッチで確保が進んでいる。また操縦する機操士も数が足りておらず育成を急いでいる段階である。諸君が立派に成長し優秀な機操士となることを期待するものである」

その後も講義は続き過去に起きた紛争や大規模戦闘などについて細かく語られていった。


「それでは本日の講義はここまでとする」

ようやっと講義が終わった時、友和はぐったりとしていた。

「友和は講義は苦手かい」

「勉強は不得手なんだ」

「そんなこと言ってもここに入った以上は頑張ってもらうしかないけどね」

「ルーキー。ズスス。食事に行くぞ」

エドワルドはそう言って教材を持って部屋を出ていった。

友和は大量の教材を抱えつつ自分達の部屋へと戻ると棚の中にしまい込む。

それが終わると急いで食堂へと向かう。

食事の乗ったトレーを受け取りエドワルドが取っていた席につく。

食堂は講義の終えた者でいっぱいであり席を取ってくれたエドワルドに感謝だ。

「友和。早く食事を食べ終えて君の知識量を確認するよ」

そういってズススはにっこり笑っているが解放感を味わっていた気持ちが醒めていく。

「わかった・・・。迷惑をかけるわけにはいかないからな。よろしく頼む」

食事を食べ終えた友和はズススに引きずられるように自分達の部屋に戻り少ない消灯までの時間で知識を確かめられた。

「友和・・・。正直に言うと君、馬鹿だね」

散々な結果ということでズススの言葉がグサリと刺さった。

「これから毎日、消灯までの時間は勉強をしてもらうよ」

「ほどほどにしてやれよ。次の日、ヘマをされても困るからな」

エドワルドは同情するようにそう言ってくれる。

「エドワルドも甘いね。友和、君のためだから容赦はしないよ」

これから毎日、地獄を見ることが決まったのだった。


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