好きな子となわとびを一緒にすると結ばれるって本当!?
・・・僕の友達が言っていた事。
好きな女の子と一緒になわとびをすると? 【結ばれる】
という噂話。
本当の話なのか? 最初、聞いた時は疑わしいと思った。
だけど? 僕の知り合いの何人か? 好きな人と一緒に
なわとびを飛んだ事で、恋人同士になった子達もいる事も分かった。
僕には、ずっと想い続けている女の子がいる。
彼女の名前は、『西口 亜伊香』17歳、高校2年生で僕と同じ
クラスの女の子だ。
見た目も可愛く元気で、勉強もスポーツも何でもできる女の子。
彼女の事を好きな男子も多い。
競争率が高い女の子には、見向きもされない事もあると聞いてい
たけど? 彼女もそうなのかもしれない。
あまり、僕の存在は目に入っていないのだろう。
僕は、幼稚園から彼女と一緒で高校も一緒だ。
僕の初恋は? 【彼女だった】
初めて好きになった時から、今も僕は彼女を想い続けている。
でも、初めて高2で同じクラスになり僕は毎日、彼女にドキドキ
している。クラスが一緒になるのは? これが初めてだからだ。
こんなに僕が彼女の事が好きでも、彼女は僕の事を何とも想って
いない現実が悲しい。
少しは、僕の気持ちに気づいてくれると嬉しいのだが...。
そうすると? もっと【欲】が出るんじゃないかとそれも怖い。
今は、やっぱり彼女の事を見ているだけで精一杯だ。
これ以上、高望みはしない方がいいのかもしれない。
・・・そんな弱気の僕に、友達がこの噂話を教えてくれた。
『お前さ~西口の事が好きなのに、なんで本人に言わないんだよ。』
『・・・彼女は、人気がある女の子だし! どうせ、僕なんか
相手にしてくれるはずがないよ。』
『弱気だな~じゃあーいい話してやるよ。』
『えぇ!? 何?』
・・・お節介な、僕の友達が彼女を呼び出して僕となわとびをさせる
と勝手に計画したらしい。
僕は、その友達に呼ばれて放課後、屋上に行った。
『なんだよ! こんな所に呼び出して!』
『えぇ!? 』
『・・・西口!?』
『私を呼び出したのは? 飯野君でしょ?』
『・・・えぇ!? い、いや? 石井が勝手に、』
『まあ、いいか! 飯野君、私に話って何?』
『・・・あぁ、なわとび! 縄跳びを一緒に飛んでくれない?』
『えぇ!? 何? 意味分かんないですけど?』
『いいから、ほら? 一緒に飛んで! ハイ!ハイ!ハイ!』
『久しぶりかも、縄跳びするのなんか。』
『僕もだよ。』
『飯野君って? よく考えたら? 幼稚園の時から私達って
一緒なんだよね!』
『・・・ううん。』
『初めて、同じクラスになったんだね。』
『・・・ううん。』
【バチッ】
『もぉ~何? 動揺してんのよ。』
『・・・えぇ!?』
『うそ、嘘! 冗談よ。』
『・・・あぁ、』
『でも、楽しかった! ありがとう。』
『うん。』
『じゃあ、また明日! 学校で。』
『あぁ、明日! 学校で。』
『・・・ううん。』
・・・次の日。
なわとびを一緒に飛んだ事で僕達の距離が縮まった。
確かに!? 【なわとび】は効果があったらしい。
僕達は、どんどん親密になっていった。
このまま行くと? 本当に【恋人同士】になれそうだ。
【ありがとう! なわとび! ありがとう! 石井!】
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