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ダンジョンでびゅー

スキル名ストレージをスキル名アイテムボックスに変更いたしました。

起きたら全ては夢でした。

母さん変な夢みてたのよーうふふ。



そうなってくれるのをどんなに願っていたことか。起きたら固いベッドのせいで背中と腰がいたいし、宿の朝食は食堂で全粒粉パンor黒パンと、塩味だけの野菜スープ。日本のやわふわもちふわなパンに慣れ親しんだ私の口の中は砂漠状態になりました。ありがとうございます。むせていたらとなりの席のお兄さんが残念な子を見る目でたっぷりと私を見つめてきたあと、スープに浸して食べてごらんと優しく教えてくれました。

おばちゃんに優しいいい子…あ、今若かったか。世に美魔女はそこそこいても、桃色頭にうっかり転生させられて、赤ちゃん経ずに17になったおばちゃんはそんなにはいまい。

ってか家族いないのよね?天涯孤独?戸籍どうなってるのぉおぉ!


ふと脳裏をよぎる桃色神のテヘペロ顔。


あ、なんとなくその辺ザルな気がしてきた。

あの神が治める世界にマイナンバーとか戸籍とかなさそう。無い気がする。


御馳走様をして、チェックアウト。かなしいかな、荷物何もないから部屋に戻らずそのまま出れる。お米とマヨネーズはアイテムボックスに入ったしね。夜は部屋備えつきの麻で出来た寝間着みたいなのを着て寝て、申し訳程度に服を洗って乾かしたけど流石に着替えがほしい。先立つものは何もないけど。悲しい。やっぱり殴りたい。

宿屋の前でぼんやりと脳内桃色神ぼこぼこ大会を開催していると、道の先から陽射しを浴びてキラキラ輝いている銀髪のイケメンが近付いてきた。クロードさんである。相変わらず神々しいぐらいに整った顔。拝みたいレベル。アイドルコンサート開きますといわれても納得できるわ。アイドルにしてはちょっと顔が冷たそうだけど。冷たそうな切れ長の瞳に鍛え抜かれた体。羨ましいぐらいサラッサラの銀髪…うん、眼福。

「……シオン、なに拝んでいるんだ。朝から変な奴だな」


ハッ!?どうやら無意識に拝んでいたようだ。すんごい怪訝な顔をされてしまった。怪訝な顔もイケメンって一体どうなっているんだこの男は。


「あ、あはは…すみません、つい」


魔が差して、と犯罪者みたいなことを口走りそうになったのを満面の笑顔でごまかす。なにか言いたげな顔をしていたけれど、一つため息をついただけで追撃はしてこなかった。


「まぁいい。ダンジョン行く前に冒険者ギルドに行く。どうせ身分証もないんだろう?」


「良くわかりましたね」


エスパーか!


「荷物も記憶もない奴が身分証持ち歩いてるとは思えないからな…ギルドカード作れば身分証になる」


「あ、あはは…」


「着いてこい」


スタスタと長い足で進んでいく広い背中に取り残されないように早足で追いかける。宿屋の前はあまり人が居なかったが、大通りに足を進めれば、皮革の鎧に身を包んだ冒険者や、村人たち、鍬を片手に背には大きな篭を背負った推定農夫がわらわらと行き交って、大きな建物に入ったりダンジョンへと消えていく。


って、だから何でダンジョン!?鍬と籠でなにする気なの!?自然にダンジョンに消えていった推定農夫に驚きが隠せないものの、農夫さんですよね?なんて聞くわけにもいかず、心の中で突っ込むだけにして一際大きな建物へと足を踏み入れた。今まで自然に会話したり宿屋の手続きしても気付かなかったが、字、読めるらしい。

驚きだ。いきなり17歳にしただけあって言語ぐらいはサポートしてくれていたようだ。

ありがとう。でも、やっぱり一発殴らせてくれ。


冒険者ギルドの中は、世紀末漫画に出てきそうなパンチの効いた厳つい冒険者がびっしり貼られた依頼ボードの前にたむろしていたり、5つある受付窓口には綺麗な受付嬢が座っていて、依頼の対応に追われて忙しそうにしている姿が見える。その横には買い取り・報告窓口とかかれたカウンターがあるが…買い取り窓口に座ってるがっちでむっちなガチムチオジサン、なんだろう、拳だけで全てを解決しそう。シャツがぴちぴちで今にも破れそうで怖い。

むぅうぅうんっ!!とか言わないかな?


「ほら、ボーッとしてないでこっちにこい。」

いつの間にか受付に並んでいたクロードさんに手招きをされて走りよれば、受付嬢さんの前には紙とぼんやりと輝く水晶玉、薄い銅板みたいなのが用意されていた。

「まずは、こちらの紙に、お名前とご年齢をご記入していただき…そのあとこの水晶にふれてください。」

「はい、えっと…」

言われるがままに記入して、水晶にふれれば、ステータス画面がふわりと現れた。どうやら自分以外にもステータスが見えるようにするための魔導具らしい。

ふんわりとしたスキル系統と、犯罪歴、ステータスが表示されている。


こんな感じだ。


『スキル:ラウミア神の寵愛

なんだか凄いモノづくりに特化したセットスキル。残念ながら攻撃スキルはないよ☆


犯罪歴:なし

あの恥ずかしすぎるHPとDEFまで白日のもとにさらされる羞恥プレイ。



「創造神様のご寵愛…!?」


え、あの桃色有名な神なの?ヤバイやつだよあの桃色。創造神って、お偉いやつだよね?ハハハ、まっさかぁ!お姉さんもクロードさんも驚きのあまり固まるとか、演技派すぎるぞ。

うっかりテヘペローとかする奴が世界をつくりたまいし神な筈がない。


「人違いじゃないですかね」


人違いか神違いに違いない。そうだ、間違いない。


「と、と、とりあえずギルドカードに犯罪歴の有無と、お名前と魔力登録しますね。登録した魔力に反応するので、貴方以外の方に悪用される心配はありませんが……あーにしても…スキルは凄いのですが…その…あの…大丈夫何ですか?」


「HPとDEFについてはふれないでください…」


「あ、あはは…!し、死なないようにお気を付けて!では手数料小銀貨二枚になります。依頼などを受けられるようでしたらボードをご覧ください」


「ありがとうございます。」


ギルドカードを受けとり残ったのは大銅貨一枚。約五百円である。今時小学生だってもう少し持ってるぞ…!泣きたい。掌にのせてしんみり眺めていたら、肩をポンッと叩く大きな手。


「カード出来たならダンジョン行くぞ。一階で受けられる依頼なんてほとんど無いからな…」


「うー…」


「安心しろ、ドロップ品で今晩の宿代ぐらいは稼げる筈だ。お前は死ななきゃそれでいい。」


「…お世話になります」


冒険者ギルドをでて、とうとう、とうとう…ダンジョンに!入り口前に立つ衛兵さんにギルドカードを見せて、いざ、ダンジョンの中に。



悲しいことに入った瞬間死にかけました。

頭から回復ポーションぶっかけられたのと、周りの冒険者達の驚愕の顔は当分忘れられなさそうです。

不安はあるけど、野宿は嫌だ…!


よし!今日は頑張るぞ…!当たらなければどうということはない…はず!


決意を新たに再挑戦。抜き足差し足忍び足ーっ





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