表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/31

1

よろしくお願いしますm(*_ _)m



コンビニでビールを買って家に着くと、パソコンを開くところから私の時間が始まる。

毛布に包まり、ビールを片手にパソコンの画面を見つめる。


そこに映っているのは頬に手を当て腕によしかからせながら不機嫌そうに窓の向こうを見つめる男性の姿。

彼の名前はアルフォンス・シュゲイザー。

乙女ゲーム、恋する乙女は誰のものっ!?通称恋ものの攻略対象キャラの一人だ。

このアルフォンスというキャラクターは、シュゲイザー王家の第1王子。しかし、諸事情により第1王子という立場は隠されていて、普通に攻略していくと表には出てこないキャラ。いわゆる、隠しキャラだった。


そんなアルフォンス・シュゲイザーという人物に私は一目惚れした。


そもそも友人に勧められて乙女ゲームを始めた私はアルフォンスに出会う前はまだ、そんなにハマっていた訳でなく、友人と共通の趣味を持てて暇つぶしにもなるから続けている、くらいのものだった。


そんなある日、友人に紹介されたのが、恋ものだった。

私はいつものように暇つぶしがてら恋ものを始めた。そしてついに全ルート攻略したその日、まだ寝る時間には早く隠しキャラとかいないかなー、と軽い気持ちでネットの攻略サイトを検索した。


そうして見つけたのが、アルフォンス・シュゲイザーだった。攻略サイトに載せられていた彼の姿に、私は一目惚れした。

それまでリアルでも二次元でも誰に対しても一度も恋愛感情を持ったことがなかった私が、一目でこれが恋だと自覚したのだった。


それからというもの、私はアルフォンス・シュゲイザー様のためだけに生きている。

朝、支度を済ませたらパソコンを開き彼を見て、家を出る。夜、仕事から家に帰ってきてカバンを部屋に置いたら、彼に会うためパソコンを開く。


こんな日々を約3年過ごした私だったがそれも、明日で終わる。


理由は単純だ。彼のいる乙女ゲーム恋ものがサービスを終了するから。


これから私は何を楽しんで生きていくのだろう。一度彼を好きになった私は、元の恋愛感情を持ったことがなかった私に戻れるのだろうか?

そして彼くらいに好きになれる人がどこかにまた現れるのだろうか?


そんな不安を抱えたまま、私の充実した日々は終わりを告げようとしていた。


私の一番のお気に入りである不機嫌そうに窓を見つめる彼のスチルをビール片手にじっと眺めて頬を緩ませながらいつもの夜を過ごして私はベッドに入り目を瞑った。



目が覚めて真っ先に視界に入ってきたのは白くぼんやりとした人の形のようなものだった。


…??私はこんなに目が悪かっただろうか。いや、そんなわけ無い。私は小学生の頃から視力はずっとオールAのはずだった。


なら、これはどういうことだろうか…?

そんなことを思いながら、私の意識はなくなった。


読んでくれてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ