プロローグ
この世界には『イレギュラー』と呼ばれる人間がいる。
それは、鬼や吸血鬼、獣人のような異形の存在ではなく人間に1番近い存在であり、神が作り出したと言われる能力者、それが『イレギュラー』と言われている。
『イレギュラー』は様々な能力を持って生まれてくる。
大体は遺伝だがごく稀に突然変異で能力者になる者もいる。
姿形は人間とそう変わりはない。なので街ですれ違っても誰もイレギュラーだということに気付きはしない。
そもそも、その力の強さは様々で己自身がイレギュラーだと言うことに気付かない者もいる。
いま目の前で話している相手も、人の形をしているだけで異形の存在かもしれない。もしかしたら『イレギュラー』と呼ばれる存在かもしれない。それを見抜くのは容易いものでは無い。いまだそれは謎の症状であり未知数なものである。
だが、その存在を良しと思わない者や悪巧みを考えている者が存在しているのも確かだ。
そもそも、それは人間の器には身に余るもであり。
存在してはいけない、欲してはいけない欲望なのかもしれない。
過去に侵してしまった過ちは、もう既に覆しようのない所まで進んでしまっているのかもしれない。
人間は欲望に忠実だ、自分の欲と引き換えに差し出したものの大きさに気づきもしなかったのだから ー。