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真田のお城は迫力満点!まさかの、農民が薬作り!?

織田信長討伐に向け、信長の配下となるべく尾張の道へ歩みを進めるニノマエ。途中、小さな村をみつけ百姓に声をかけるが、米泥棒と間違われ捕まってしまう。そんなとき颯爽と現れた男に助けられる。その男は何とあの真田家の当主、真田幸隆であった。

「おぉーすごい!!!」


俺は、真田幸隆と共に、真田城へ向かっていた。


今の日本の都といえば、鎌倉や京都などになるのだろうが、ここ信濃の中でも随一の繁栄をみせている真田城の城下町も活気にあふれ賑わいを見せていた。


「すごかろう。これも信玄様の力あっての事だがな。」


「信玄....」


そう、真田家は代々武田家の家臣であり、武田二十四将のうち3名が真田の人間が務めていたとされている。

ただ、信玄はその見返りの為に真田家の息子を自らの部下として招き入れ若いうちから様々な事をさせられるのだが....


体のよい人質として、武田の手の内に囲われてしまう...


ゲームやドラマでおなじみ真田幸村も武田家の人質として送り込まれるんだ、華やかなイメージのあるんだが結構大変な暮らしをしていたという....


「さぁ、これが我が城だ!」


真田城だ。

写真なんかで城跡は見たことがあったが、まじかで見るとかなり大きく迫力がある。


「で...でかいなぁ!!」


「はっはっはっ!!!まぁ遠慮するでない。」


ドカドカドカドカ!!


「殿!!!!」


後ろの方から、臣下とおもしき人たちが駆け寄ってきた。


「おぉ!お前たち!」


「「おぉ!お前たち!」ではありませぬ!!何処に行っておられたのですか?」


「ちと、馬の調子をな...」


「部下のものも付けづに!!何かあったらどうするおつもりですか!?」


「大丈夫じゃ!それとも、ワシの腕を甘くみておるのか?」


「い....いえそういう訳では...ん??


その後ろの、小汚いのはなんです??」


「うむ、村のはずれで拾ったのだ、戦の捨て子だそうだ」


「そ..そんな者!拾ってきてどうするつもりですか?」


「惣右衛門...国は何でできている??」


「く...国ですか...?」


「そうだ!国はな、民でできておるのだ、民無くしては国は成り立たん。必死に民が働いてくれるおかげで作物がとれ我々が暮らしていけるのだ。一人でも多くの民がよりよく暮らせるのを目指す...


どんな親無し子でもかくまうのが当主の務めだ」


「と...との!!」


「ニノマエのやら」


「はっ!!はい!!」


「先ほども申したが、遠慮はいらん。しばらくはここで過ごすと良い。」


「あっ!有りございます!!!」


「惣右衛門!しばらくこ奴の世話をしてやれ!」


「はっ!ははぁ~」


そのまま、殿様は城の中へと去っていった。


「どうじゃ、凄いお方じゃろ。自らを犠牲にしてでも民を救わんという、志高いお方なのじゃ。」


「そ..そうですね。」


「ふむ...まずはその小汚い恰好をなんとかせねばな、沐浴でもするか?」


「も...沐浴...」


「なんじゃ、貴様のようなものでは、有りえないほどの贅沢じゃぞ!」


「はっ!はい!!ありがたく!!!」


俺は、沐浴をさせてもらい、身についていた泥や汚れは全て落ちた。

その後、新しい着物もあしらってもらい、食事も食べさせてもらった。


食事をとっていると、後から真田幸隆がやってきた。


「どうじゃ...うまいだろう?」


「はっはい!」


「して、お主について聞かせてもらおう。おぬしは何故あの村におったのじゃ、何か用事があったのか?」


ど...どうしよう....


織田信長の部下になりたくて尾張に行きたかったなんて口が裂けてもいえない....


織田信長の宿敵にして、この世界で数少ない織田信長に対抗できる勢力、武田軍。

その武田軍の臣下である真田家において、織田信長の話はご法度。

ここまで良くしてもらっているのに、スパイと間違われ打ち首だってあり得る。


「あ...あの実は、両親をさがしていて...」


「ほう...?」


「戦で離ればなれになってしまった、両親を探しているんです。色々と情報を聞いていると、尾張の国に向かったのいうので、旅をしていたのです....」


「ふむ。そうか、そうか...」


う....苦し紛れの嘘をついてしまった...こんなに良くして貰っているのに...心がいたい...


「それは....辛かったな....お主と同じように親を殺された子供はこの辺りにも沢山おる。

そういう子供たちは、国の為にと兵士として加わってくれる者もいれば、百姓となり国の為に作物を育ててくれる者もおる。


そういった者に比べ、まだ救いのある話ではないか。希望を捨てる出ないぞ、きっと見つかるはずだ。」


うっ...うぅ...辛い....こころが痛む....憧れの武将に嘘をつくなんて....


「す...すみませんこんな話...長居はしません...すぐに出ていきますので。」


「ワシは一向に構わん。好きなだけここにいるとよい」


直ぐに出ていくようにしよう...

真田幸隆は俺の思った通りの懐の深い、寛大な人だ。

それだけに、だまし続けてここで過ごすのは辛すぎる...


「幸隆さん。」


「き....貴様!?幸隆さんだと!!様と呼べ!!無礼者!!!」


「ひっ....ひぃいい!!」


「よせ!惣右衛門!!かまわん!!続けろ!!」


「す...すみません。あの、今は何年なのですか?」


「ん...何年とは...」


「あ...すみません。げ...天文..だっけか?」


「あぁ、いまは天文23年じゃ」


天文23年...

ということは、大体1554年ぐらいか。


信長は、父親が死んでしまい、家督を継承した後ぐらいか....

家族に謀反を繰り返しされて狙われてる時期だなぁ...



ただ、時代はぴったりかもしれない。ちょうど、徴兵制度をとり行って農民からも兵士を募っている時期と重なる。

上手くいけば、兵士として潜りこめるかもしれない。


「あ...あの僕は明日には....」


ちょうどその時だった。


「とのぉ!!とのぉ!!!」


「なんじゃ騒々しい!!」


「大変です!!忍芽様が!!」


忍芽とは、真田幸隆の妻のこと。詳しくはあまり分かっていないが、他にも「とり」や「恭雲院」ともよばれていたらしい。


その場にいたものが慌てて、寝室へ向かう。

そこには病に倒れた女性が横たわっていた。


「ご容態があまりよろしくないようで、今朝から身体がさらに熱くなって御座ります」


真田幸隆がそっと傍へ寄りそう。


「忍芽!大丈夫か??」


「...はい....」


「忍芽!しっかりするのだ!」


「ゴホッゴホッ!殿、わたくしは、あなたに使えて幸せで御座いました。」


「な...なにをいうか!!」


「わたくしも、自分の死に際ぐらい分かります....あなたに使えたこの一生悔いはありませぬ」


「忍芽!そんな事をいうでない!まだ助かる!ワシが何とかする!」


そういったあと、忍芽は気を失ってしまった。


「くそっ!!!」


「朝からこのようなご様子。食事ものどを通らないほど...」


「流行り病か....」


「このような病がここ数年で増えております。なんとかならないものか....」


これは...咳がひどくて、熱もある...インフルエンザ..なわけないか。

何れにせよ、体内に悪いウイルスが入っているんだろうな...


「抗生物質さえあれば....


ん...!!

いや...何とかなるかも!!!」


「ん?どうした?ニノマエ」


「抗生物質!!ペニシリンですよ!!!」


「ペ...ペニ??」


「幸隆さん!!


僕に任せてもらえませんか??」


ペニシリン...昔漫画で読んだことがある。

確か、それもタイムスリップしてその時代の人たちを助けたとかいう内容だった。


歴史系の漫画は全部読みこんで気になる内容はメモして詳しく調べていたので、ペニシリンの採取の方法も簡単に調べたことがある..

そんな大層なものじゃないにしろ、抗生物質まがいのものでも作れるはずだ。


「あの...台所に案内してもらえませんか??」


「はぁ??」


「いいから!!はやく!!!」


「はい!!」


かなり大きな台所、案の定、そこに目当てのモノがあった。


「よし!みかんだ!」


「あの..それは、近くに実っていたモノですが...」


「これでいいんです。しかもカビているものもある!」


「えぇ!?その腐ったものをですか?」


それから数日間かけて見よう見まねでペニシリンを採取した。

忍芽さんを処置していた医者と一緒になって、頑張って試行錯誤した。

忍芽さんは、その間なんとか病と闘っていた。

ただ、日に日に悪くなっていく一方だった。

そして....


「で...できた!!」


「こ...こんなもので...本当に大丈夫なのか??」


「はい!きっと」


時間はかかったが、生成することに成功した。


「幸隆さん!!できました!!」


「殿!!このようなどこぞのものと分からないモノが作った薬など...なりませぬ!!」


「幸隆さん!!これさえ飲めば忍芽さんは助かるかもしれないんです!!僕を信じて下さい!」


「殿!!!」


「うむ...確かにお前たちの言う通りかもしれぬ。

ただ、忍芽は日に日に弱っており、いまでは口もまともに聞けぬ状態じゃ。

かすかな希望があれば、ワシは試してみたい」


そういって、作った薬を忍芽さんに飲ませた。


「と....殿!!」


「これで良いのだ...」


その薬を飲ませて数日、少しずつではあるが忍芽さんは回復の兆しを見せていた。

熱も下がり、食べ物も食べれるようになってきた。


ペニシリンももっと培養できるようレシピを書いておき、俺がいなくても作れるように虎の巻を作っておいた。


ふと思ったけど....


これだけで俺、教科書に載るんじゃね??

他の作品に比べ、すこし実話をまぜているのでわりと書きやすいかもしれません。

もう一つの「異世界から帰ってきたら日本が滅んでいた件」と同様で行き当たりばったりなストーリーですが...頑張って考えます。

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