あの憧れの武将登場!いざゆかん尾張の国へ
ボードゲームの罰ゲームで過去にタイムスリップしてしまったニノマエ、何とそこは戦国時代だった。織田信長を倒さないと元の世界に戻れない、しかもステータスは農民!?平凡な高校生が果たして魔王・信長を倒せるのであろうか、第二話はじまり~はじまりぃ~
「ま...まさか、織田信長を敵に回すことになるとは...」
あまりの衝撃からか、しばらくの間思考が停止してしまっていたが、落ち着いてから改めて今の状況を考えてみることにした。
「罰ゲームの指令書をもう一度見てみよう」
【 ―罰ゲーム執行内容― 】
1.あなたは、教科書に載るぐらいの功績をあげなければなりません。
討伐対象:織田信長
2.功績をあげた時点で元の世界に戻ることができます。
3.あなたのステータスは以下となっています。
役職:農民
レベル:3
特性:なし
固有スキル:現在無し
極状態:現在利用不可
攻撃:80
速さ:100
防御:90
馬術:0
運:微良
―――
「討伐対象って、化け物か何かなのか??まぁ、俺からしたら化け物みたいな存在なんだけど...
ステータスもこの数値は強いのか弱いのか何ともだなぁ...
あと、極状態ってのが気になる...」
ステータス表示の下に細かい注意書きがあった。
―――
※注意
-壱 基本的に元の世界に戻ることはできません。
-弐 このゲームで死ぬと、ゲームを行っているプレイヤーは現実世界でも死んでしまいます。
-参 与えられたステータスを確認したい場合は、キーパーソンに聞いてみてください。
「やっぱ、死んだら元の世界でも死んじゃうのね、現実なのか、ゲームなのか、どういう技術で出来てるんだこれ??
ステータスを確認するには...キーパーソンね...」
このゲームがどういった技術でできてるとかは置いて考えた方がよさそうだ。
「この罰ゲームの場合、タイムリミットがあるんだよなぁ...」
皆さんご存知の通り、織田信長は自決している。
本能寺の変での出来事だ...
今が何年なのかは分からないが、1582年の6月21日に事件は起きた。
それまでに、織田信長を倒さないといけないはずだ...
「とりあえず...方法は二つだな...」
織田信長を倒す方法...大きく分けて2つあると考えている。
1つは、織田信長の家臣となって倒す方法。
これは、本能寺の変での明智光秀のように反旗を翻し、織田信長を倒してしまう方法だ。
2つ目は、戦で正々堂々とぶつかって首をとる方法だ。
この世界が日本歴史に沿って組まれている場合、織田信長に敵対している武将は多く存在する。
その武将同様に、戦で織田信長を倒してしまうという方法だ。
個人的には、戦で討伐してみたい。
織田信長の戦略を真正面からぶち破って勝ってみたい。
「信長の棘の道」をかなりやりこんだのでシュミレーションには自信がある。
だから、武将になって家来を持てさえすれば、なんとかなるかもしれない....
だが、その武将になるのが非常に大変だろう。
現在の俺のステータスは農民.....ここから武将になるにはかなりの時間と知恵とそして運が必要だと思う..いまのステータスじゃ実力も運も足りないだろう。
であれば、前者の織田信長の家来になって、明智光秀と組んで織田信長を倒した方が手っ取り早いのかもしれない。
対応をミスればその場で斬り捨てられる可能性もあるが、秀吉の例もあるし、上手く気に入ってもらえば幹部になれる可能性だってある。
「よし!!尾張にいくぞ!」
俺は、とりえず織田信長の拠点尾張地方こと愛知県方面に進むことにした。
そのためにも今いる場所の把握することが大事であり、近くの町を探すことにした。
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「とりあえず、強くならなきゃだな。」
俺は近くの町を探す中で、色々と考えていた。
RPGなんかでも、敵に倒されないようレベルを上げてから望むのがセオリー。
織田信長にお近づきになる前に、辻斬りなんかにあって死んでしまったら元も子もない。
ただ...雑魚キャラみたいなのはいるのかな...
RPGでは、親切設計で始めの街には自分よりも弱いキャラを配置しレベルを上げれるような仕組みになっている。
先への進め方が分からず、雑魚キャラを倒し過ぎて最大レベルまで成長させてしまう猛者もいるぐらいだ。
けど、ここは日本の歴史、魔物もいなけりゃ、敵キャラもそんなにいないはず...
敵キャラが出たとしてもそれは、侍とかで手だれが多いだろう。
今の俺は刀もないし、ステータスも農民...恐らく斬られてゲームオーバーだ。
(と...とにかく町を探そう!!!)
大体数時間ぐらい歩いただろうか、遠くの方に村のようなものが見えた。
「良かった。そこまで大きくはなさそうだが情報は得られそうだ...」
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遠くから見てたらそこまで大きくはなさそうだったが、近くでみてみると、そこそこの村だった。
ざっと見るに、100人規模ぐらいの村で何名か畑仕事を行っているのが見えた。
「すみません!」
俺は、そこで働いている一人の百姓に声をかけた。
「あぁ!?」
「すみません!ちょっといいですか??」
「何だ、こむせぇ野郎だな!」
「こ、こむせ!?あのー、ここってどこですか?」
「はぁ??」
「いや、この場所ってどこか教えてもらえますか?」
「何でぇ、戦のぶちゃり子か??このへんは、小県だっちゃ」
「こ...小県!?小県ってことは...長野県!?」
「な...ながの??なんだそりゃ?」
「しかも、小県って...上田の近く!?」
「そうだぁ。」
「ま..まじか..」
「なんか、おめぇ怪しいな?」
「えっ?」
「喋り方も変だし...おめぇ、ぬすっとじゃないだろうな?」
「は??いやいや、そんなことは...」
オイ! ドウシタ!?
まずい...長話しすぎたかも...
「変な奴が来たんだ!!ぬすっとかもしんねぇ!!」
「なにぃ!?」
「いや!!違うんです!!!
いてっ!!いたい!!」
あっという間に、村の人たちに捕まってしまった。
そのまま、縛られ、中釣りにされてしまった...
「おめぇ、何が目的だぁ?米か!野菜かぁ??」
「ち...違うんです....」
「なぁにが!!変な言葉喋りやがって!!おらたちの目を盗んでわるさしようとしてただろう!」
「うぅ...」
「こげなやつ?百叩きで、放り出してまえ」
「えぇ!?」
皆が、道具を手に取り殴られそうになった...
その瞬間!
「やめい!!」
パカッパカッ!!
奥の方から、馬に乗った侍が近づいてきた。
ヒヒーーーン!!
「お前たち!弱い者いじめはやめろ!」
「あぁ!!!真田様!!!」
ハハァーーー
その場にいた全員がひれ伏す。
まさか...この人!!
綺麗な絹を身にまとい、颯爽と現れた姿は正に貴公子。
この時代ってことは恐らく真田幸隆だろう。
俺のあこがれの武将の一人だ...
「して、この者は何者だ?」
「はい、畑のわるさしようとするぶちゃり子でして..」
「違うんです!!そんなつもり無いんです!!!」
「ほう...そうか。」
その場でじっと俺を見た後..一言
「,,,はなしてやれ...」
「...えっ?」
「聞こえなかったのか?放してやるんだ!!」
「はっ...はいぃい!!」
その一言で俺は解放された。
「貴様、名は何と言う?」
「えっ!?...にっ...ニノマエです...」
「そうか...お前たち、こ奴はわしが預かる!
ニノマエとやら、ワシについてくるが良い!」
そういうと、乗っていた馬に乗せられ俺は颯爽とその場から離れて行った。
おれは、真田幸隆の後ろでニヤニヤしながら馬に揺られていた。
「もう、ここで死んでしまってもいい....」
そう思えるほど最高な気分だった。
歴史物、特に真田は多くの人に人気がありますよね。時代の関係で幸村のおじいさんになってしまいますが。後のち幸村も出てくるやもしれません。お楽しみに♪
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