木彫りのフクロウ
掲載日:2016/06/01
突然何か閃く事ってありますよね。今回私がフクロウの詩を書こうと思ったのはまあそんな感じです。ピーンと来たんです。
木彫りのフクロウは私を見る。
かつて愛したあの人が、私にくれた一羽のフクロウ。
飛ぶことを止め、時を告げることを選んだあのフクロウ。
私の大事な思い出のカケラは、記憶を超えてここにいる。
ベッドの横で静かにたたずむ。
フクロウが見るのは私だけではありません。
フクロウは私以外のものを、私以上に見ています。
この世界を、少し離れたところからじっと観察している。
フクロウが見るのは全てです。
全てはフクロウに見られています。
それはおそらく、この先もずっと。
ずっと。
ずっと見続けるのです。
フクロウは何でも知っているけれど、それらを私に教えてはくれない。
誰にも教えない。
教えてくれるのは、何でも知っているということだけ。
ただ。
ただ。
ただ、見るのです。
世界と、あと私を。
木彫りのフクロウは私を見る。
事実、私の部屋にもフクロウがいるんですよ。温度計の上にとまってます。




