俺の不安。
電話に出て開口一番
「ねぇ、聞いて」
びっくりした
「どうしたのさ」
「さっき?今?いまさっき!」
あれ?早口になってる
「どうした、どうした」
「ピンポーンって人が来てはーいって出ていくでしょ?」
「うん」
誰か来たのか。
なんかイライラしてるみたいだけども嫌なことでもあった?
「そしたらね、リフォーム会社の営業の人で、何て言われたと思う?」
営業されて押しに弱いキミだからまた長話して契約させられた?
「リフォームしませんか?」
「ちがう!」
え?ちがうの?
「お父様かお母様はご在宅ですか??ですって!!!」
「え?」
「本当にありえないでしょ?絶対にあの営業の人私より年下に見えるのに!!!」
「え?」
童顔なキミ。毎回年下に見られ、それが不満なんだとぼやく。
「私よりも断然若いリフォーム営業の人に言われたの」
でも、同姓から言われても気にしないキミだから今回は
「男の人?」
「男の子!」
男の子?この時期だと新入社員の子とかに
「お父様かお母様いますかって?」
「そう!だから、言ってやったの!
ここは私の家ですけどって!」
「どや顔でやったでしょ」
「え?なんでわかったの?」
「なんか、キミらしくって想像がつく」
前は新聞の営業のおじさんに根負けして契約してたくせに。
今回は頑張ったのね。
「なんで笑うのさ」
成長したと言うかなんと言うか
「キミはかわいいからね」
「いきなりなに!?」
いろんな意味でかわいいから
「俺は不安だよ」
離れてるからこそキミから聞く異性の話は気にしないようにしてるけど不安になるんです。
「どうして?」
こんなとき素直に言葉にできない自分がいる
「キミに変な虫が付かないかとか、どこぞの馬の骨に奪われないかとかさ」
茶化しながらでしか伝えられない。
「好きよ」
突拍子もなく素直に思ったことを伝えてくれるキミ
「アナタが好き」
こんな攻撃がくるなんてね。
勝手に不安に思って素直に言葉が言えなくって少し状態異常気味だった俺にはとてつもなく効果抜群だよ。
「ありがとう」
会えたときには俺をメロメロにさせたぶん覚悟してろよ?