月狼王
ルナのオーラが増した姿を見て、悠真はさらに興味を引かれた。
群れの狼たちも、金色の果実を食べ、進化を遂げている。
体がスリムになり、毛並みが月光のように輝き、爪と牙が鋭く伸びる。
だが、ルナの変化は特に顕著だ。
悠真はルナに尋ねた。
「ルナ、お前のこの姿……月狼の進化形態って言うのか?
詳しく教えてくれ」
ルナはゆっくり頭を下げ、言葉を紡いだ。
「我の姿は、月狼の進化形態のひとつ……『月狼王』だ。
我が一族は、月影の実を摂取することで段階的に進化する。
最初はただの荒野の狼。飢えと災厄で弱っていた姿。
お主のサンジーバニーで蘇り、基本的な力を取り戻す。
それが第一形態、『影狼』。傷が癒え、体が大きくなる。
次に月影の実で、オーラが増し、体が洗練される。
これが第二形態、『月影狼』。速さと知性が向上し、一族を統べる力が生まれる。
そして、完全な進化……我のようにオーラが頂点に達した時、『月狼王』となる。
体は小さくなるが、力は倍増。月光を操り、闇を切り裂く。
災厄の霧すら、払うことができる」
悠真は息を呑んだ。
ルナの体から淡い青いオーラが溢れ、夜空の月を映すように輝く。
背中の毛が翼のように広がり、瞳が金色から深い蒼に変わる瞬間さえ見えた。
群れの狼たちも、月影の実をさらに食べ、第二形態へ移行し始めている。
低く唸り、オーラを放ち、ルナに恭順を示す。
「我ら月狼の進化は、月影の実と絆で成る。
お主の力なくしては、到達できぬ境地。
故に、恩人よ。我らは永遠に盾となろう」
悠真は頷き、能力でさらに月影の実を育てた。
狼たちが実を分け合い、進化の光が荒野を照らす。
不毛の大地に、月狼たちの新たな形態が広がっていく。




