表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/21

狼たちの遠吠えが荒野に響き渡る中、悠真はポケットを探った。

あの白い実――ルナが「サンジーバニー」と呼んだ薬草の実。

群れに与える前に、自分で少し残しておいたものだ。

悠真は実を一口かじった。

苦みが口に広がるが、飲み込むと、体に暖かな力が染み渡る。

最初は変化を感じなかったが、数分後、体の奥から活力が湧き上がってきた。

先ほど能力を連続使用した疲労が、嘘のように軽減している。

「これ……疲労がほとんどない。

能力を使っても、生命力の消耗が少ないみたいだ。

サンジーバニー、すごいな……これで食糧生産が楽になる」

悠真は興奮を抑え、群れの狼たちを見た。





「お前たちも腹減ってるだろ。

よし、食料を作ってやるよ」

悠真は能力を起動した。

「緑の守護者よ、種を賜れ。野菜の種を、たくさん」

掌に複数の種が現れ、地面に次々と埋めていく。

手を当て、念じる。




瞬く間に、広大な畑が広がった。

トマト、キャベツ、ジャガイモ、果物類――地球の豊かな野菜と果実が、鈴なりに実る。

サンジーバニーの効果で、疲労は最小限。

普段なら倒れそうな量の植物を、一気に育て上げた。



狼たちは目を輝かせ、畑に近づいた。

ルナが先頭に立ち、トマトの実を一口かじる。

むしゃむしゃと音を立て、汁を滴らせながら食べる。

他の狼たちも次々と果物や野菜にかぶりつき、美味しそうに頰張る。

尻尾を振り、満足げに唸る声が響く。

荒野で飢えていた一族が、初めての豊かな食事を楽しむ姿。

悠真は笑みを浮かべた。

「美味いか? もっと作ってやるよ」




食事が終わると、ルナが悠真に近づき、月影の実の植物を鼻で指した。

「恩人よ。我が一族をさらに強くせよ。

この実を、皆に」





悠真は頷き、能力で月影の実の植物をさらに育てた。

金色の果実を摘み、狼たちに一つずつ与える。

ルナが最初に食べ、他の狼たちも次々と。

体が光に包まれ、どんどん進化していく。

体がスリムになり、オーラが増し、毛並みが輝く。

爪と牙が鋭くなり、目が知的に光る。

群れ全体が、伝説の月狼の姿に変わっていった。

ルナのオーラが特に強く、一族のリーダーとしてさらに威厳を増す。





「我ら、強くなった……お主のおかげだ」

ルナの声に、群れの狼たちが遠吠えで応じる。

不毛の大地に、緑の畑と進化した狼の群れが広がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ