仲間
狼の変化に驚きながら、悠真はゆっくり手を差し伸べた。
狼は抵抗なく、鼻を寄せてくる。
体は温かく、毛並みは今や銀色に輝いている。
「よしよし……お前、名前はどうしようか。
ルナ、って呼ぶよ。月みたいに綺麗だから」
ルナと名付けた狼は、金色の瞳で悠真を見つめ、軽く頭をこすりつけた。
ルナは悠真の傍を離れなくなった。
夜になると、木々の周りを巡回し、守るように座る。
数日後、荒野の向こうから不穏な気配が近づいてきた。
それは、数匹の野生の獣――牙の長いハイエナのようなモンスターたち。
痩せた体で唸り声を上げ、果物の香りに引き寄せられたのか、悠真の小さな森に向かって突進してくる。
「やばい……!」
だが、その時。
ルナが低く唸り、前へ躍り出た。
体が光を帯び、巨大な爪と牙で獣たちに襲いかかる。
一匹を軽く振り払い、もう一匹を噛み砕き、残りを威嚇して追い返す。
戦いはあっという間。
ルナは傷一つ負わず、悠真の前に戻ってきた。
まるで「守ったぞ」と言うように尻尾を振る。
「ルナ……ありがとう。
お前がいなかったら、俺の拠点が壊滅してたかも」
悠真はルナの頭を撫で、ポケットから残りの白い実を取り出した。
まだ効果の全貌はわからないが、ルナを蘇らせたものだ。
「これ、仲間にもあげてやるか?
お前みたいに元気になれるかもよ」
ルナの目が輝いた。
突然、ルナは空に向かって遠吠えを上げた。
「アオオオオーン!」
声は荒野に響き渡り、遠くまで届く。
何時間経っただろうか、荒野の彼方から、ノロノロと影が集まり始めた。
痩せこけた狼たち。
一匹、二匹……やがて100頭近く。
どれも傷だらけで、飢えた様子だが、ルナの呼びかけに応じてゆっくり近づいてくる。
ルナの一族か、荒野の仲間たちだろう。
悠真は実を摘み、狼たちに一つずつ与えた。
狼たちはむしゃむしゃと食べ、みるみる体が回復し、大きく強靭になっていく。




