誓い
闇の脅威が絶滅し、不毛の大地に本当の平和が訪れた朝。
悠真の森は、黄金の朝陽に照らされ、果実の香りと花の匂いが満ちていた。
広大な緑の海が広がり、遠くの砂漠さえ、優しい芽吹きの気配を帯び始めている。
狼の一族と影蜘蛛の一族は、森の中央に集まり、悠真を囲んだ。
ルナが先頭に立ち、金色の瞳を輝かせ、群れの狼たちが一斉に伏せた。
アラクネは優雅に跪き、影蜘蛛の軍団が銀糸を張り巡らせ、森全体を神聖な光のドームのように包んだ。
それは、ただの感謝の儀式ではなく、大地の再生を祝う壮大な儀式だった。
ルナが低く、しかし響き渡る声で口を開いた。
「恩人よ……主よ。
我が一族は、災厄の闇に散り散りとなり、飢えと絶望に苛まれていた。
だが、お主の緑が我らを蘇らせ、月影の実が我らを強くした。
今、この大地は再び命に満ち、月狼王として我は誓う。
お主の恵みに、永遠の忠誠を。
この銀の嵐は、お主の盾となり、矛となる!」
ルナの言葉に呼応し、狼の一同が一斉に遠吠えを上げた。
「アオオオオン!」
百頭の遠吠えが大地を震わせ、空に響き渡る。
それは感謝の合唱、荒野を駆け巡る銀の風。
月光のオーラが森を照らし、悠真の周りを渦巻くように輝いた。
狼たちは頭を低く垂れ、尻尾を振って忠誠を示す。
悠真の過去の病弱な日々を知るルナの瞳には、深い敬意と絆が宿っていた。
次に、アラクネが立ち上がり、銀糸を優しく振るわせた。
糸が空に広がり、朝陽を反射して虹色の光の幕を形成する。
「主様……我ら影蜘蛛は、闇の産物として生まれた獣。
飢えと戦いに明け暮れ、住処を追われ、滅びの淵にいた。
だが、主様のサンジーバニーが我らを癒やし、月影の実が知性を与え、軍団へと変えた。
影潜みの歩兵、月鋼の巨躯、糸紡ぎの狙撃手……我らは今、守護の絆で結ばれています。
この銀糸は、主様の恵みに永遠の感謝を紡ぎます。
我ら一族は、主様の楽園を、命に代えても守り抜きます!」
アラクネの言葉に、影蜘蛛の一同が脚を震わせ、銀糸を一斉に輝かせた。
無数の糸が森を覆い、光のドームが拡大し、大地を祝福するように揺らぐ。
それは感謝の舞、闇を払った銀の輝き。
蜘蛛たちは跪き、知性の瞳で悠真を見つめ、絶対の忠誠を誓う。
アラクネの声には、進化の衝撃と深い感動が込められていた。
狼と蜘蛛の一族が一体となり、悠真を囲む輪が完成した。
遠吠えと銀糸の響きが交じり合い、大地の空気を震わせる。
悠真は胸が熱くなった。
「みんな、ありがとう。
俺も、みんなのおかげでここまで来れた。
これからも、一緒にこの大地を豊かにしよう」
感謝の儀式は、朝陽の下で続き、平和の訪れを壮大に祝った。




