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最期

アラクネは悠真に進言した。

「主様、闇の源を断つ時です。我らに、偵察を命じてください」




悠真は頷き、シャドウ・ストライダーたちを派遣した。

手のひらサイズの小型蜘蛛たちは、影から影へ瞬間移動し、荒野を越えて闇の要塞に潜入した。

彼らは目に見えない銀糸を張り巡らせ、霧の隙間を縫うように進む。

要塞の壁を登り、闇の回廊を潜り抜け、ついにアークスの玉座の間を特定した。




「主の居場所……奥の玉座。霧で守られているが、隙間は多い」

蜘蛛たちは情報を糸で伝達し、アラクネを通じて悠真に報告した。

アークスの居場所は、完全に特定された。




一方、アークスは恐怖の極みに達していた。

軍団の壊滅を知り、要塞の全ての隙間を閉じこもった。

一時代を築いた魔導士は、霧の結界を強化し、扉を封じ、窓を塞ぎ、地下の通路さえ埋め立てさせた。

「奴らが来る……月影狼、影蜘蛛……緑の使い手……

俺の霧が、奴らに勝てるはずがない。

ここに閉じこもり、待つしか……」

部下たちも霧の中に隠れ、要塞は完全な密室となった。

アークスは玉座に縮こまり、震えながら霧を濃くした。

全ての隙間を閉じ、外部からの侵入を防ぐはずだった。



アラクネの報告を受け、悠真は能力を起動した。

「緑の守護者よ、種を賜れ。毒霧キノコの胞子を……」

極々小さな胞子は人間に見えない。だからその胞子は蜘蛛が受け取った。蜘蛛はその胞子を持って要塞を探索する。そして蜘蛛は隙間を発見する。それは極々小さな隙間だった。しかしアーカスにとってはそれが大きな落とし穴だった。蜘蛛はその穴から胞子を散布する。

悠真は遠隔で念じ、能力を発動。

要塞の内部――玉座の間、回廊、地下室――に、毒のある霧を放つ大きなキノコが生えた。

キノコは瞬く間に成長し、黒い胞子を噴出。

毒霧が要塞全体を満たし、アークスの霧を上書きするように広がる。



アークスは咳き込み、目を見開いた。

「こ、これは……毒? 内部から? どうして……」

部下たちが次々と倒れ、霧が溶けていく。

アークスは最後の力を振り絞り、呪文を唱えようとしたが、毒霧が肺を蝕み、声が出ない。

一時代を築いた魔導士は、玉座に崩れ落ち、息絶えた。

アークス一味は、要塞内で絶滅した。




悠真は森から遠くの要塞を見つめ、静かに息を吐いた。

「これで……闇は終わったな」

ルナとアラクネが傍らで頷く。

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