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ガラス桟橋の約束-図書館の“時限公開”と脚注で守った生活の湯気-

作者:NOVENG MUSiQ
 硝港――海をガラスの防潮壁で細かく仕切り、積層した桟橋で人まで仕分ける階層都市。上層区は夜景と資本を、下層区は夜勤と塩気を所有する。透明をうたいながら曇りを抱く街で、情報は“並べ方”で顔を変え、証拠は市立の漂砂図書館に『時限公開』で預けられる――そんな透明と管理が制度化された世界の港が舞台。

 下層育ちの新聞社記者ミオ・ニヴァリスは訃報欄を担当し、『言葉に呼吸を、死者に席を』と文章を整える日々。企業の寄付特集を追う最中、監査部の若手リヴィエル・アクアリスと出会い、二人は“幸福を数える”というささやかな合図を共有する。やがてリヴィエルは寄付を隠れ蓑にした安全予算の流用を告発。ミオは証跡を漂砂図書館に三日間の時限公開で預け、内部是正を待つという綱渡りの判断を下す。

 配るように数え、数えるように配る――有限の幸福をどう分けるか。恋を言葉にせず仕事として守るか。硝港の塩気とインクの匂いのなかで、二人は**“配分”としての愛と正義**を学んでいく。


登場人物紹介

ミオ・ニヴァリス(主人公)
職業:新聞社・訃報欄担当の若手記者(調査報道寄り)
背景:下層区生まれ。
 死者への礼儀から文体を鍛え、行間で事実と感情を分けて記す癖。
性格/能力:冷静で倫理軸がぶれない。
 匂い・言葉・配置から状況を分解する設計思考。
『待つ』を能動に変える判断ができる。
キーワード:時限公開、配った幸福メモ、空白の使い方。

リヴィエル・アクアリス(相手役)
職業:港湾複合企業・監査部
背景:上層の名家出身。
 寄付と免税の“並べ方”を熟知しつつ
 現場の訃報に滲む段差に耐えられず告発を決意。
性格/能力:誠実で嘘が下手。数えることに長け、比喩は抑制的。
 母が寄付名簿の“顔”であることを引き受け直す。
キーワード:三日の猶予、鍵を壊さない選択、接続詞になる人。

ローザ
職業:ミオの同僚記者
口癖:「効いてる」

ハル
職業:港の現場労働者
評:『骨がある』

編集長
職業:新聞社編集長

リヴィエルの母
立場:寄付名簿に名を連ねる“顔”

ミオの母
居住:内陸の町。ときどき硝港に来て、ミオの部屋で台所に立つ。
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