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こうして、シルヴァ侯爵の逮捕により、これまでの彼の人身売買等の犯罪が明らかになった。今後彼は裁判にかけられることとなり、その後に彼の罪状と処分が決まる。

それに先立って、事態を重く見た王家及び国家中枢の重鎮たちが、シルヴァ侯爵家の廃位を決定した。シルヴァ侯爵家の領地も、裁判が終わり次第没収となる予定である。裁判中と、その後の領地運営は国が行うこととなり、シルヴァ侯爵家領は後に王国領となることとなった。




ルナは、トールとロゼと共に訓練場へ行った帰り道を歩いていた。今日はシルヴァ侯爵家のことでシドが忙しいらしく、本日のシドからの指導はお休みとなった。ルナは、数日ぶりのトールとの組み手にご満悦であった。

トールの処分も、無事事件が解決したこと、そして、その解決に彼が貢献したことにより、特別に免除ということになった。晴れて再びルナの護衛として働くことができるようになった。

すると、シルヴァ侯爵家の件で会議に入っていたシドとソルに出くわした。ルナは、あっ、と声を漏らして立ち止まった。シドとソルはルナ達に気がつくと、こちらへやってきた。


「会議は終わったのか?」


ルナの質問に、ソルは、今日の分については、と答えた。


「シルヴァ家の処分についての会議はまだしばらく続きますけれど。…なにせ、王家とは古くから関わりのある上級貴族の不祥事ですから。再発防止についてやや、他の貴族も同じことをしていないかの調査も始まります。これからまた忙しくなります」


ソルはそう言いながら、しかしやる気に満ちた瞳でそういう。ルナはそんなソルを見たあと、目を伏せた。そして、おずおずと、シエルは…、と尋ねた。すると、前方からシエルが歩いてくるのが見えた。ルナは慌ててシエルに近寄った。


「シエル!」


ルナが声を掛けると、シエルは顔を上げてルナの方を見た。そして、ルナ様、と微笑んだ。右手はあの日の骨折のため、包帯を巻き、首からぶら下げた痛々しい状態になっている。


「父の件で、実の息子としていろいろと聴取を受けていました」

「そうか。…お前、これからどうなるんだ?」


ルナは心配そうにシエルを見上げる。シエルは、眉を少し困ったようにひそめて、目を細めた。


「…家も全部、なくなる予定です。自宅には調査が入っているので帰れなくて、だから一旦、パブリックスクールの宿舎に身を寄せています。でも、もうパブリックスクールにも通えなくなるので、遠方の親戚に連絡を取って、なんとか一緒に住まわせてもらえないか、相談しているところです」


シエルの言葉に、ルナは言葉を詰まらせる。トールは言いにくそうに頭をかきながら口を開く。


「もう貴族ではなくなってしまったんだもんな…。父親のしたこととは言え、こんなふうになってしまうなんて…」

「…帰る家がなくなったことはかなしいです。でも、変な話、どこか解放された自分がいます。もうあの父の言いなりにならなくていい。あの父の顔色をうかがわなくてもいい。そう思うとこれから、少しだけ自由に生きられるような気がするんです。それにもともと俺、大きな家の跡継ぎなんて器じゃなかったし」


シエルはそう言うと、困ったように笑った。ルナはそんなシエルを見つめる。


「…遠いところへいくのか?」


ルナの言葉に、シエルは優しく目を細める。そして、はい、と頷いた。


「このお城からずっとずっと遠くです」

「…もう会えないのか?」


シエルは、目を丸くする。一度目を伏せると、またルナの瞳をみて、はい、と頷いた。


「もう会えません。距離以上に、俺達はずっと遠くに離れてしまうから」

「……」


ルナは真っ直ぐにシエルを見つめる。シエルはまた優しく微笑むと、それでは、と頭を下げた。そして、ルナの方を見ずに、背中を向けて歩き出した。


「…まって!」


ルナはそんなシエルを呼び止める。シエルは歩みを止めて、ルナに背中を向けたまま立ち止まる。

ロゼと、トールが、2人のことを固唾をのんで見守る。ルナが真剣な瞳でトールを見つめる。


「…お前が何を言っているのかわからん。なぞなぞか?」


ルナの言葉に、ロゼとトールがずっこける。シエルが、えっ、と声をもらしてルナの方を振り向いた。

シドがすっとルナのそばに来ると、そっと耳打ちをした。


「これまでは上級貴族であったシエル殿が、平民の身分に落ちてしまうため、姫と今後婚約者候補としてどころか、これまでのように会うことすら不可能になってしまった、という意味でございます」

「身分が違うと会えないのか?」

「ほぼ不可能にございます」

「なんでだ。法律にあるのか?」

「ございません。しかし、慣例としてそうなっております。そういった慣例は、不文律ではございますが、貴族たちの間では重きを置いているものにございます。もちろん、姫にも守っていただく必要がございます」

 

シドの言葉に、ルナは少し考える。少しの間の後、それじゃあ、とルナは口を開いた。


「それじゃあ、シエルをオレの勉強を教える教師として雇おう」


ルナの言葉に、さすがのシドも固まった。ルナは、うん、そうしよう、と目を輝かせる。


「…姫、教師は私で十分事足りますゆえ」

「でも、お前執事のくせに内政に関わってるじゃないか。今回もそのせいでしばらくオレの面倒が見られない事が増えるだろうし、今後もそういうことが起きないわけじゃないだろ?シエルと分担すればいい」

「…したところで、私の代理となればそこまで勤務時間はありません。食べていくに足りる賃金は支払えません」

「そんなもん出してやれ」

「国の財政にも限りがありますゆえ。それに、姫の私的な理由で使うには説明がつきません」

「(絶対国王なんかは好きに使ってる分あるだろ…)…なら、城の近くに子どもが通う学校があるだろ。そこの教員の仕事を斡旋してやれ」

「…は?」

「その仕事と、シドの代理の仕事を掛け持てば良い。学校の人手は足りていないと聞いていた」


ルナの提案に、またシドが固まる。ロゼがトールに近づき、ひそひそと耳打ちをする。


「でたわよ、ルナ様の下手な知識とネジ飛び情緒のハーモニー」

「いや、ネジは飛んでないんじゃね?だって…」


トールはルナの方を見つめる。ルナは、シエルの方に向き直す。


「シエルはどうしたい?親戚のところに行きたいか?」


ルナの真剣な瞳に、シエルは固まる。シエルは目を泳がせる。ルナは、しかしシエルから瞳をそらさない。


「俺、俺、は…」

「オレは嫌だ。もうシエルと会えないなんて」

「えっ…」

「オレは、シエルの言葉が聞きたい」


ルナの真っ直ぐな言葉に、シエルは目を丸くする。今まで散々邪魔者のように扱われてきた、愚図のレッテルを貼られた少年が、初めて母親以外に必要とされたことに動揺する。そして、心が揺らされる。うれしい気持ちが胸の奥からこみ上げる。シエルは目を伏せてから、また真っ直ぐにルナを見つめる。


「俺も、会いたいです。ルナ様に会えないなんて、…そんなの、考えられない」


そう言い終わったシエルの頬がどんどん赤くなる。ルナはシエルの言葉を聞くと、顔を少しずつ綻ばせる。

ロゼは、驚いた表情で2人を見つめる。トールは見守るような瞳で2人を見つめ続ける。


「どうするんだ、シド」


ソルがシドに近づき尋ねる。シドは、はあ、とため息をつく。


「…わかりました。そのように致しましょう」


シドの言葉に、ルナは目を丸くする。そして、目を細める。


「ありがとう、シド」


ルナは、初めてシドに微笑みかけた。ルナの笑顔に、シドは固まる。


「(…やはり似ている…)」


シドはそんなことを心のなかで思う。彼の記憶にある一人の女性の顔が思い起こされる。シドは、シエルの手を取って喜ぶルナを、自然な笑顔で見つめる。


「…姫、前にも申し上げました。男性の手を気安く取ることのなきように。ましてやここは外でございます」

「ああ、そうだった」


ルナはシエルから手を離す。シエルは、まだ赤い顔のままルナを見つめる。ルナはそんなシエルに口元を緩める。


「これでまた、一緒にチョコレート食べられるな!」


ルナの言葉に、シエルとロゼとトールが同時に、えっ、と声をもらした。ルナは、ん、と首をかしげる。


「どうした?」

「いや、あの、ルナ様、チョコレートって…?」


ロゼが恐る恐るルナに尋ねる。ルナは、え、と首をかしげる。


「だから、またシエルとチョコレートが食べられてうれしいって…」


ルナの言葉にシエルがショックを受けたような顔をする。ロゼは呆れたようにため息をつき、トールは、あはは、と笑った。


「恋っつうか餌付けか!」

「なんだ、人をペットみたいに」


ルナが不服そうにトールを見上げる。シエルは、ショックの余韻を持ちながらも、苦笑いを漏らす。


「(それでも、俺には贅沢なくらいだ、またルナ様に会えるなんて)」


シエルは、そんなことを思いながら小さく微笑む。

ロゼは、またため息をついてトールに耳打ちをする。


「ほら、ネジが飛んでるでしょ」


ロゼがトールにそう言った後、シドが、そろそろ部屋に戻りましょう、と声をかけた。ロゼは、はい、と頷くと、ルナと部屋へ向かった。ロゼの後ろを歩いていたルナに、トールが話しかけた。


「チョコレート、そんな好きなんだな」

「ああ、あれは美味い…!」

「別に、シエルとじゃなくても食べられるだろ。おやつとかに出てくるだろ」


トールが笑って言えば、不思議なんだがな、とルナが言う。


「シエルと食べるとより美味いんだ。シエルからチョコレートの店を聞いて、同じ物を買ってきてもらっても、シエルと食べるのとは違うんだ」


ルナの言葉に、トールは目を丸くする。そして、ゆっくり微笑む。


「よかったな、シエルとまた会えることになって」

「ああ」


目を細めるルナを、トールは優しい気持ちで見つめる。


「(やっぱりシエルに関してはネジは飛んでない…。にしても、あのままじゃ気の毒だからシエルに教えてやりたいけど、教えたら教えたでもう叶わない恋だからそれはそれで酷だしな…)」


人知れず他人のことを繊細に悩むトールをおいて、ルナはすたすたと自室に戻っていった。








城の最上階の会議室にて、シドとソルが向かい合って座っていた。様々な問題ごとについて情報共有をひとしきり終えた後、ソルがシドの方を見た。


「それにしても、港の件は、君らしくない判断だったね。僕は間違っていたと思う。姫様を戦力に数えた勝ち筋なんて、正気の沙汰じゃないよ」

「ええ、十分に反省しております。ただ、」

「ただ?」

「ミナという女は、利用価値があるように思ったのです」


シドの言葉に、ソルはシドの目を見る。シドはいつもの笑みを浮かべたまま話す。


「ルナ様はあのメイドには特別に心をお寄せになっている。使い道は色々とあるかと」

「…使い道ね、なかなか悪趣味だな」

「ソル様もよくお考えになることでしょう」


シドの言葉に、ソルはすっと視線をそらす。シドはそんなソルを笑顔で見つめる。


ーーオレは女王にはならない


あの日のルナの言葉を、シドはふと思い出す。


「(…似ている、あの人も同じ事を言っていた)」


シドは少し黙った後、またソルの方を見た。


「シエル殿についても、同様です。利用価値があるから姫の側に残しました」

「…確かに、姫様は彼を気に入っておられるようだ」

「ソル様の恋敵に塩を送ってしまいましたね」


シドが笑顔でそう告げる。ソルはそんなシドに同じように笑顔を返す。


「構わないよ。彼は姫様の恋人にはなれても、婚約者にはなれないのだから」


ソルとシドは、笑顔で見つめ合う。お互いがお互いに笑顔で圧をかけながらの話し合いは、この後もしばらく続いた。









数日後、シエルはシドに言われた学校に向かった。実際に働くのは、腕のケガが治ってからということになっていたけれど、事前に挨拶と、仕事内容の確認のために訪れた。

城から近いこの学校は、国が運営しているもので、貧しい家の子どもたちも通うことができるものである。

一通りの説明と挨拶を終えたシエルは、校長に頭を下げた。


「これから、どうぞよろしくお願いいたします」

「いえいえこちらこそ。人手不足なので、本当にありがたいです」


シエルはまた頭を下げると、待たせている場所に戻った。そして、パブリックスクールへと向かおうとした。


「…すまない、港へ向かってくれないか。旧シルヴァ家領の」


シエルの言葉に、運転手は少し驚いた後、はい、と頷いた。




シエルを乗せた馬車は、港に向かった。シエルは、港から広がる海を眺めた。


「(…もうここは俺の家の港じゃない。家も土地も全部なくした。…俺には何も残ってない。でも俺、頑張るよ、母さん)」


シエルは海を眺めながらそうつぶやく。ゆっくりと目を閉じたとき、ふと、子どもたちの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。シエルが声の方に視線をやると、港でいつものように子どもたちが笑顔で遊んでいるのが見えた。シエルはほほ笑み、彼らに近づいた。

子どもたちはシエルに気がつくと走ってシエルの周りに集まった。


「シエル様!シエル様の家が領主様じゃなくなるってほんと?」

「もうシエル様に会えないの?」

「遊べないの?」


口々に不安を漏らす子どもたちの頭を、シエルは順番に撫でた。


「…俺はもうこことは無関係になる。でも、たまにはみんなに会いに来るよ。大丈夫。会えないわけじゃない」

「シエル様…」

「それに、シルヴァ家がここの領主から退いたから、もうみんなはここで安全に遊べる。もうあんな怖い思いはしなくてもいい」


シエルはそう言って微笑む。自分が何をできたわけではない。けれど、子どもたちがまたここで自由に遊べる事実が、シェフにとっては一番だった。

しかし子どもたちは、シエルの言葉に一様にぽかんとした顔をした。シエルは、子どもたちの様子に首を傾げた。


「ど、どうしたの?」

「あんな怖い思い?」

「なんのこと?」


子どもたちはお互いが顔を見合わせて尋ね合うが、誰もシエルの言葉を理解するものがいない。シエルは、異様な空気にさらに首を傾げる。しかし、あんな嫌な思い出をわざわざ掘り起こす理由もないと思い、シエルは笑って、ごめんね、俺の勘違いだよ、忘れて、と子どもたちに告げた。

シエルはしばらく子供たちと遊んだあと、馬車に向かった。子どもたちに手を降って港をあとにしたシエルは、黙り込んで考えた。


「(…おかしい、みんなあの日港にいたはず。…あまりの恐怖にショックで記憶が飛んでいる?だとしても全員が?)」


シエルは窓から海を眺める。子どもたちはまた、楽しそうに遊んでいる。その姿に目を細めるシエルだが、不可解なことに頭を悩ませる。


「(…わからない。とりあえず、みんなが元気ならよしとしよう)」


シエルはそう思い直し、違和感を無視することにした。








港での事件からしばらくして、ルナはまたいつもの姫教育が再開した。

ルナは午後の勉強を終えて、いつものようにロゼの目を盗んでミナのもとへ行き、ミナの手作りサンドイッチに舌鼓をうっていた。ミナはおいしそうにほおばるルナをほほえましい笑顔で見つめながら、夕食の下準備を続けている。

そんなとき、ロゼが調理場にやってきた。ルナは、げっ、と声を漏らす。


「まだ食事中だぞ」

「ルナ様、シド様がお呼びです、陛下が…」


ロゼのただならぬ様子に、ルナは立ち上がる。ミナは不安そうにルナとロゼを見つめる。ルナはロゼに連れられて、国王の寝室に向かった。





国王の寝室には、シドにソル、そして、後ろにトールが控えていた。普段から国王のそばにいるメイドや兵士たちは外に出されているようだった。ロゼはシドに、ルナ様をお連れしました、と告げると、トールの隣に立った。ルナはシドの側に向かった。


「国王がどうしたんだ」

「…陛下が…」


シドの言葉のあと、ルナは、静かに横たわる国王を見る。そして、シドを見つめる。


「陛下が、先ほど……もう1人、実子に覚えがあると……」

「……は?」


ルナは、なんだ、とがくりとした。そして、国王の口元に耳を寄せた。健やかな寝息が聞こえてきた。


「(…もう先がない先がない言われてだいぶたつよなこのジジイ…)」

「少しだけそのお話をされて、今はもう眠られました」


ソルがルナの隣に立つ。ルナはソルを見上げる。


「で、実子とは?」

「詳細は語られませんでした。後日詳しくお伺いしますが、国内にいる男子だそうです」

「男子…」


ルナは目を輝かせる。トールは、この調子だと、もう少し粘ればあと3人くらいは実子がでてくるんじゃね、とつぶやく。するとロゼがトールの足を勢いよく踏んだ。


「良いじゃないか、そいつに次期王になってもらおう。それがいい。オレは城を出て、シエルの学校の近くでパン屋でもやろうかな」


ルナはそそくさとカツラを脱ぎ捨てて、寝室から出ようとする。そんなルナの腕を、シドが笑顔で掴む。


「いけません、ルナ様には姫として城に居続けていただく必要があります」

「なんでだよ。男がやるほうがいいだろ」

「他国では男性が優先的に王位を継ぐことが多いですが、我が国ではそういった決まりはありません」

「そうなのか?」

「まあ、この国の1代目に王として即位したのは女性だったしね」


ソルの言葉に、ルナは、そうだったか?と首を傾げる。そんなルナに、お勉強が足りませんよ、と笑顔でシドが告げる。ルナは、お前の圧のせいで頭に入らないんだよ、と内心悪態をつく。


「それに、国のことを考えれば王位継承権のある方は多ければ多いほど良いですから」

「オレはスペアかよ」

「新しい王子がスペアかもしれません」


シドのほほ笑みに、ルナは引きつる。


「…ちくしょう、まだこんな生活が続くのかよ…」

「ほら、カツラもちゃんと被って」


トールが、捨てられたカツラを拾い、ルナの頭にかぶせた。ルナは雑にかぶせられたカツラを脱ぎ、乱れた頭を振る。


「この暑苦しいカツラもまだまだつけなきゃならんとは…」

「せっかくちょっと伸びてきたのに、ばっさり切っちゃうんだもんな」


トールがけらけらと笑う。ロゼは、あの日見た雑に短く切られた髪を思い出しながら、私がいつもきれいに揃えてるんですから、もう勝手に切らないでくださいよ!と怒る。ルナは、へいへい、と空返事をする。

ルナはカツラを持ちながらシドを見上げる。シドはルナと目が合うとにこりと笑みを返す。


「さあ姫、陛下のことはソル様におまかせして、次の授業へ参りましょう」

「げっ…」


ルナは嫌そうな顔をする。シドは、そんなルナはお構い無しに、さあ向かいましょう、とルナを促した。ルナは重いため息をつきながら、この面倒くさいのはまだまだ続くのか、と呟いた。








ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

ブックマーク、いいね、評価ありがとうございました。とっても励みになっていました。

男女バディの話が書きたい…と思いながら考え始めた話でした。考えるにつれてどんどんバディ感はなくなり、最終的にこんな話になりました。

この話はシリーズ化したいなあと考えていて、続きがまとめられたらまた更新したいです。

とりあえずこのお話はこれで終わりです。

また次のお話を書くことがあれば、読んでいただけると嬉しいです。

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