色
はじめまして。時音 驟と言います。
ときね しゅうと読みます。
見つけてくれてありがとうございます。
お月様が眠って太陽がおはようと顔を出す。
真っ黒だった世界に、淡く色付き始める。
あたりはしんと静まり返っている。
それはまるで命という命が息絶えてしまったかのように思えた。
無音の世界で、
男の子は泣いていた。
"どうしたの?"
顔を覗いて優しく声をかける。
ただ返事を待った。
泣いていた。
"言わなきゃわからないよ。"
男の子の前に座り込む。
今度はもう少し長く、返事を待った。
それでも男の子は泣き続けた。
泣いて泣いて、
どのくらい経ったかわからない。
気づくと辺りには、
はっきりと色が付いていた。
「なくなっちゃったの。」
か細い声で男の子は答える。
「全部、全部。」
言葉の続きを待った。
「あいつが僕のところに来たんだ。」
"あいつって?"
「夢喰いベアのことさ。」
あいつが僕のところにやって来て、
僕のすべてを喰らって行ったんだ。
男の子はそう続けた。
何も言わずに袖口で涙を拭ってやる。
かける言葉が見つからない。
それしか出来ることは無かった。
「あいつが来たその瞬間、
サンタさんも妖精も、世界を救うヒーロー
も偽物だと分かった。」
「寝ている間だけ、僕がヒーローになることも、ユニコーンに乗って空を飛ぶこともできなくなった。」
「大きくなったら何になりたいのか、それすらもわかんなくなっちゃったんだ。」
男の子は再び泣き始めた。
涙が枯れることはないのだ。
気づくと辺りに色は無かった。
真っ黒だった。
私は、
「世界に色が戻りますように。」
と、ただひたすら男の子の横で朝を待った。
高校に入った春に初めて文章を書いた、初めての作品です。
私はいつも頭の中が文字でいっぱい。
それをどうにかしたくて、ちみちみと文章を書き始めました。
今思えば直したいところたくさんある。
けど、当時の私にとってはこの文章が正解だったみたいです。
読んでくれてありがとうございます。




