悴む手【WEB】
悴む手
はあ〜…… はあ〜……
白いわたしの内なる弱気が
空へと登ってゆく
はあ〜…… はあ〜……
あの空にどれ程のわたしの
内なる弱気が登っていったのだろうか……
はあ〜…… はあ〜…… はあ〜……
真っ赤な伍指を擦り合わせて
はあ〜…… はあ〜…… はあ〜……
真っ白なわたしの弱気を吹きかけて
はあ〜…… はあ〜…… はあ〜……
真っ白な純白の世界にぽつり……
はあ〜…… はあ〜…… はあ〜……
真っ赤な夕陽が寂しそうに沈んでゆく……
楽しく笑いあってた 何時もの顔も
笑顔でバイバイの手を振り
またね……と、手を引かれて
ひとり……またひとりと
あたたかな陽だまりのもとへと帰ってゆく
はあ〜…… はあ〜…… はあ〜……
立ち上る わたしの白い淋しさみつめて
はあ〜…… はあ〜…… はあ〜……
ひゅ〜〜〜〜〜〜〜……
ぱあ〜〜ん!
……ど〜ん……
はあ〜…… はあ〜…… はあ〜……
「あっ! 始まったんだ……」
ひゅ〜〜〜〜〜〜ん……
……
……
ぱ〜〜〜〜〜〜ん……
……
……
……
ど〜〜〜〜〜ん……
「ごめんね! 遅くなって、あれ手袋は?」
「雪遊びしてたら、濡れちゃった……あそこに干してある」
「そう……寒かったね! ママのもうひとつあるからこれ使って」
「うん! 花火始まってるよ!」
「そうね! 行こっか!」
「うん!」
「冬の花火って始めてだよね? どんな感じかな?」
「きっと空気が澄んでるから綺麗なんじゃないかな?」
「楽しみだね」
「うん!」
ひゅん! ひゅん! ひゅん!
ひゅ〜〜〜〜〜〜ん……
ぱぁ〜〜〜〜〜〜ん……キラキラキラ……