狂錬金術師⑩
オマールとカティアと名乗る天使、噂では聞いたことがある。
天使の世界の長。大魔境黄泉の国は突破率自体は最も高い。
魔法が今後発展すれば、どうなるかわからないが、自分と戦うことが条件とされるため、実力差が出にくい。ただし、黄泉の国に入れば生きるか死ぬか。途中で引き返すことはできない。
私はなんとなく、だます者だった生命誕生の素をかくす。
「天使様今何が起きたのでしょう。」
私はわけもわからずたずねると天使の妹カティアが冷たく答える
「知る必要のないことです。あなたたち人間には過ぎた知識でしょう。私の力で消滅は免れたとだけ言っておきます。この新たな精霊の処遇も考えねばなりません。」
と答える。私には憎しみの感情はない。悲しみの感情もない。だます者は私とは違う。死ぬことも意味も。きっと他のものにはわからない。手元の生命誕生の素はだます者が変化したものではあるけれどだます者ではない。せれでも怒りも悲しみもないのだ。
「何もしなくても世界を消滅さる者よ、天使長殿を怒らせないようにな」と声をかける。カティアと名乗る天使長は驚いた表情をした後微笑む。何もしなくても世界を消滅させる者を兄オマールとともに帰らせ、私の元へやって来る。
「あなた人造人間ね、発想が面白い、天使も精霊もほとんどの生物は自然発生するから自分で生命を作り出そうなんて考えない。とても興味深い。」そう言って私を値踏みするようにのぞきこむ。恐怖などない。それが不思議なのだろう。目の前の天使が何もしなくても世界を消滅さる者でさえ歯が立たない最強の存在であり、すべての世界に恐れないものなどいなかったのだろう。
世界は消滅する前に半分を切り離したこと、半分を犠牲にしなければ、力が漂い続けよりひどいことになったこと、錬金術師の小さな石がユーアルコントグリレスになりユーアルコントグリレスが人に人が世界、そしてその世界は実は最初の石と同じものというシンボルは足りないものがありそれは世界は一つじゃないことに関係することなどをおしえる。錬金術師に伝わる神話では天使兄妹が世界をつくったことになっている。
「私はどうなのだろう。」考えるだけにとどめるつもりが思わず口をついた。
「人よ、錬金術師のシンボルのあらわす先を目指しなさい、」カティアはそう言い残し去っていった。
「誰よ、その女!」
だます者があらわれる。皆だまされた。けれども、それは本当の本当に最後の力だったのだろう。
だます者は今度こそ本当に生命誕生の素へと変わった。最強の天使さえだまして。




