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狂錬金術師⑤

呪いとは何か、私はだます者と話す。

現在の定義では使用者のいない魔法の中で禍をもたらすものの総称だ。

幸福をもたらせば祝福と呼ばれる。

呪術師とはそれを有る程度狙って誘発させる。魔術師の一派閥だ。


だます者は

「僕たち精霊も昔は呪いの一種とされていた、人間とはなんと愚かなのだろう。」

という。それを聞き、私はだます者の叩こうとするがすり抜ける。


仕方なく私は

「せっかく、かわいい姿をしているのだから僕とか言って台無しにするな」

と言い返した。

いや、精霊に性別はないから関係ないのだけれど。


精霊はかわいいといわれて喜んでいるのだろう体の色をピンク色に変える


「まぁ、お上手ね」


と答える口調が多少変化したのだろうけど私にはわからない。


使用者のいない魔法の話に戻すと、精霊が正体不明だった時代には確かにあった。

さらに古い時代には、、、徐々に正体が明かされて、呪いや祝福は消えていく。

呪いや祝福が消えるにしたがって現れたのが精霊だ。こんなに人と話し、人前に姿を現すことをためらわない精霊がその昔正体を知られていなかったのは、呪いや祝福が消えることで誕生したのが精霊だからではないか。

いや呪いや祝福をもたらす者は精霊だけとは限らない。


「聞いてくれ、生命の素は生命が出てくる前、強い呪いに満ちている。この世界の生命の誕生には使用者のいない魔法が…」

だます者の肩を揺らし私がまくしたてると、だます者は

「興奮しすぎ、鼻ががすごい膨らんでる」

といった。


若かったころに戻ったようだ。私には話を聞いてくれるものが少なかった。錬金術師は皆そうだ。少ないうえに自分と数人の友人だけでその話が完結してしまうものが多く、錬金術師の間で前提となる知識の共有がされないため、さらに分断がすすむ。いつの日か、かの”ドラゴンキラー・ブレット ””大英雄・クエン”に並ぶ優秀な錬金術師により、錬金術の基礎が共有されることを望まずにはいられない。


私はだます者に謝罪した後、神隠しの樹海突破への準備を進める。だます者は興味深そうにのぞき込む。神隠しに合わないコツは知っている。行方不明と神隠しの違いも知っている。神隠しを避けるには神隠しを起こす存在に近づかないことだ。

私はだます者を見つめる、女性の形をとっているが全身が青い。それでもフォルムだけで美人だとにおわせる。私の目的は神隠しに合わない事ではない。私は6大魔境の1つ神隠しの樹海の突破を目指す。



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