狂錬金術師③
某年某月某日、
妖精と精霊の世界に通じるといわれる大魔境
神隠しの樹海入り口付近、師匠はこの地で生命発生の素を手に入れた。
私もこの地の近くに越してきた。
錬金術で家を作る。
生命発生の素はこちらから近づかなければ触れることはない。
魔力という奴だろうか、それはよくわからないが、動く生き物と触れる位置では何かが邪魔して生命は発生しない。
じっと止まって待つ、魔力も動かない。多少近くに現れる場合がある。
「敵対する意思はない」
精霊が話しかけてくる。精霊は最もわかりにくい種族の一つだったが今は多少なりともわかり始めた。人族は精霊のように剣や銃のきかない体を求め、よく観察をしてきた。
1000年前の錬金術師たちは魔術師を圧倒する観察力で、より早く、銃や剣のきかない体を手に入れた。そのことは錬金術師を傲慢にさせ、魔術師との仲を悪化させた。その少し 錬金術師大英雄クエン と魔術師の大魔導士ジミーそして魔族の国王である大覇王ジュードの交流により、多少は改善され、魔術師や、魔族にも剣や銃のきかなくなる術が広まり、ドラゴンの被害の事を除けば人族と魔族は必ず争うべきものではないという事が考えられるようになり、現在のように徐々に友好が図られている。
この精霊に対し私は警戒を緩めない。人族の本能というものだろう。精霊は言葉に出来ない微妙な違いで人族と敵対するものかどうかがわかる。
この精霊は騙す者と呼ばれる種類だ。精霊に対し人族は○○な者と名付ける。
友好を語りどこかへ連れていく、連れていかれたものは2度と帰ってこない。神隠しの樹海の呪いを一段階弱くしたような術を使う。だが他の生き物にさらわれた時点で殺されると考えるのが自然だろう。ただの、普通の、人類の敵に過ぎない。
私は
「精霊様、この樹海の先には何があるのでしょう。」
と尋ねる。人に害をなす精霊ほど人の言葉をうまく扱う。
精霊は語る
「精霊の世界がある、我々はそこに帰りたいが、樹海は呪いに満ちている。私だけの力では超えられない。ともに来てくれないか。」
私は「行きましょう」
と答えた。
優秀な魔術師や錬金術師でも大魔境を突破できるものは10人に一人、挑戦できるレベルに達しないものがほとんど、まして、だます精霊とともに進む。
私は知恵を巡らせる。
精霊は人に近い姿を取った、全身青い女性の姿
「どうも、騙す者と呼ばれる精霊です。ではいきましょう。」
私は思わず笑ってしまった。
敵か味方か騙す者 まだ決めてない




