番外編 エリー10番勝負 現代解説
「エリー様のお話です。この物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません」
妹が語り終える。初めての探検を喜んでくれている。いつもより少しテンションが高い。ボクは優しく頭をなでる。
これは最後になるかもしれない探検。世の探検家からはただの旅行だとバカにされるかもしれない。エリーは賢い子だそんなことを考えられない子ではない。
魔法の力で飛ぶ空飛ぶ家で移動する、速度を全く感じさせないが世界の端にある灼熱の門へと数時間で突くことができる。
移転ではいかない。優雅な旅だ。最後になる可能性が高いことを知っているからだろう。黄泉の国に入ればもう後戻りはできない。ボクは考えるのがつらくなって投げ出しただけなのだろうか。
「エリー様、ちょこちょこ負けるんだね。何度負けたって中心にいるのはエリー様、大勇者といわれるだけあるよ。それにみんなけっこう甘えんぼでかわいい話だったよ。」
「不老不死とはいっても、タリア様もエリー様もサラだって年齢的にはおばあちゃんなんですよね」
サラはニアさんたちが出会ったことがあると聞いたことから、彼女の事を世間の評判ほどは憎んでいない。サラはニアさんたちの事を気にいったのだろう。ニアさんはこれまで何度も出会ったといっているが、ニアさんも大分話をもっているだろう。
「タリア様と悪女サラは不老不死、エリー様は時間を超越した存在というところかな、この辺りは考え方次第ともいえるけれど。」
エリーは興味深そうに聞いている、師匠なんて言ってもボクにまともに教えられるわけがない。
授業といいつつおとぎ話を聞かせただけ、ずっとそうだった。自分の無力さに常に打ちのめされる。
目的地、灼熱の門ふもとの町、ボクはエリーの手をひき、列に並ぶ。3女神の像、列は少しづつ進む。ボクにはもう、それが残り少ない時間が流れているようにしか感じられないけれお。エリーは止まっていた時間が動き出したのだと感じていてほしい。
エリーは
「エリー様かわいい、ピー助ちゃんずっと守ってくれてありがとう」
といっている。
エリーは自分と同じ名前の大勇者エリーを最も尊敬している。ボクはマナ様のようになりたい。錬金術師と魔術師は仲が悪い。錬金術師と魔術師はずっと仲がわるかった。錬金術師の傲慢といわれるかもしれないけれど、錬金術師は魔術師の失敗をずっと小ばかにしていただけだった。自分たちはすごいのだからと、魔術師を避け、人を避け、隠れて暮らしていた。エリー様だってそうだ。エリー様が初めて出会った時マナ様に二つしか魔法を使えないといったのは一部の魔術師の言う通り。かまととぶっていたからだ。
自分のほうがすごいことはわかりきっているから、力を誇示しなくていい。勝手に見下し、勝手にはなれるそれが錬金術師。
そんな大勇者エリーをマナ様がまもった。自分より圧倒的に強いけれど、エリー様を一人にしなかった。ボクは大勇者でも大賢者でもないけれど、大切な妹エリーを守りたい。
ボクたちは3女神の像に祈る。探検の無事を祈る。
特に番外編にする必要なかったです。




