番外編 エリー10番勝負⑦
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大勇者エリーはドラゴンキラー・ブレットとの戦いに挑む。
「やぁ、エリー、ボクに勝ち目はないから降参してもいいんだけれど、どう戦うかも見ておきたいし、一応戦おうか。」
エリーよりもはるか昔の錬金術師、探検家としてのエリーの業績の一つはブレットの錬金術村の発見だ。錬金術師の歴史はエリー以降が語られることが多いが、それ以前にも数多くの錬金術師がいた。
エリーはブレットとその弟子の修行した土地を発見し、魔法により解析を行った。彼の弟子たちが各地に散らばり、錬金術を広めたのだ。小さな石がユーアルコントグリレスになりユーアルコントグリレスが人に人が世界、そしてその世界は実は最初の石と同じものだという錬金術師のシンボルは当時からつかわれていた。
エリーは「お願いします。今の錬金術師の力をお見せします。」と礼をする。
ブレットはホウキをエリーは先ほどの戦い後、絵描き男にわけてもらった衝撃で光る石を構えた。およそ真面目に戦う姿には見えない。
ブレットはピストルで攻撃する。まっすぐにしか飛ばないせいぜい音速程度の球などエリーに効くわけがない。魔法はもっと早く強い。防御せずとも痛みもない。
エリーなら魔法により無限の速さで動くこともできるが、普通になんとなしに弾丸をつかむ。
ブレットもホウキで向かってくるが、光る石をはじき真っ二つに、中から出てきたナイフは先ほどのピストルの弾で破壊。
近付くブレットに支釣込足を仕掛ける。ブレットは最後のあがきの仕込み銃をも支釣込足の技中にかわすという離れ業を見せた。
エリーは魔法は使わなかった。見えないところでもエリーは魔法により呼吸は必要なく、効きもしないのだが、仕込まれた気化する毒も空気をより分けて吸う徹底ぶり、
魔法は時代とともに進化する。それを魔法を使わないことで見せた。
審判は「一本」を宣言した。
互いに礼をし試合場から出る。
マナがやってくる。
「1回負けたけど、それからは順調なようね。それにタリアとの勝負でつかった魔法はすごかった。でも今回は私が勝たせてもらう。私には秘策がある。次は私と勝負よ」
といった。
エリーはマナはなんだかんだで負けず嫌いで結構熱くなりやすいなと思っていた。
それをうらやましく思う。自分なら、そんなことは言えないとよく考えさせられる。
マナは学園ではずっとエリーを守ってくれていた。前の学校と同じ失敗をしなくて済んだのはマナがいてくれたからだ。
結局マナと一緒の年に卒業したのは逃げたという事だと今も思っている。
3年間ではたりなかった。エリーはそのことを放置している。少しでもそれをごまかすために今の性格になった。
だから自分はもっと強くなれる。錬金術師はそういうものだと思い気が楽になった。エリーは笑顔で
「互いの成長を見せ合いましょう」といった。魔法使いの多くは不老不死、感性も若いまま。それでも出会った頃よりはすこし口調などは変わる。
マナはそれをみて勝利を確信した。




