番外編 エリー10番勝負①
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勇者タリアVS大悪女サラ
魔法も身のこなしもタリアが一歩上。サラは防戦一方だ。時代が進むほど魔法は進歩するとはいえ、黄泉の国の試練を超え、善き指導者も得、その時代最強の魔術師となったタリアと最強候補の一角でしかないサラには確かな差があった。
タリアが錬金術を学んだことも大きい。魔術師はどんなところも進める。地面にもぐれる、鋼鉄の中を歩ける。ただそれは切り替えができるからだ。空気をとっさに金に変えられたら、反応しないわけにはいかない。それでも勝ったのは大悪女サラだった。
「ぶつぶつぶつぶつぶつ」
全員首をかしげる。タリアに大魔境の呪いがすべてのしかかる。
「何これ」タリアは呪いに飲み込まれる。その瞬間をサラは切り裂いた。タリアは負けを認める。
「この前、エルフで元の世界に残った子が呪い操るのみたのよ。あの子は強くなるわよ。エルフは精霊的進化に重きを置くから2次魔法になってもよわいけど、あの子はちゃんと妖精的進化も大事にしてた。多分王家の血も引いてる。」
あの子はまだエルフの世界の技しか使えなかったけど、今後の成長次第では今の私くらいにはすぐ使えるようになる。タリアに手を貸し立ち上がらせながらサラは答えた。
「またやりましょう」
「ええ」
これは架空の物語、誰が一番強いかそれを決めるのはみんな大好きなのだ。
「おしかったね」
大勇者エリーに話しかけられ、タリアは顔を真っ赤にする。タリアのずっとあこがれてきた人だ。今の魔術師錬金術師のすべての基礎を作った人。多数の優秀な魔術師、錬金術師などの魔法使いが集められ手合わせをしている。今のように知らない魔法が突然飛び出してくることもあるため、後の時代の魔法使いが勝つことが多い。
「2次魔法でごり押しするのも少し違うと思いましたから」とエリー様にこたえる。次は勝つ。
「今回はサラちゃんの作戦勝ちだね。あの子も2次魔法に達してるよ。あの子はかなり起用だし、3次魔法と2次魔法行き来できるみたい。」エリー様の言葉を聞きだまされたと気付く。あのまま戦ってたら逆転出来たのに。ぐやじぃ。明日と明後日戦おうそれで2勝1敗で勝ち越そう。順位的には1回目が記録されるとかはもう関係ない。「き、気づいてましたよ。やだなぁエリー様」
エリー様は笑っている。
「では、同じ勇者として私が敵を討ちましょう。」
「いえ、あの子も勇者の称号は持ってますよ。悪魔認定を受けた巨人を倒しています。」
「き、気づいてたよ。やだなぁタリアちゃん」
大会とはいえエリー、マナ、シエルのいわゆる3女神は別格、もし勝てるとすれば私かサラたちの時代の3人、そしてとあるダークホースもいる。
「大勇者エリー様、お初にお目にかかります。大悪女などと呼ばれる私にこんなこと言われたくないかもしれないですが、ずっとあなたにあこがれていました。」
戦闘前、サラが話しかける。サラは元探検家、帝国の混乱がなければ、大魔境も突破していただろう。魔法使いには悪魔退治より、探検家として大魔境攻略にあこがれる者が多い。彼女もそういうひとりだ。
そもそも彼女が大魔境を簡単に突破できることは皆知っている。自らが悪魔認定を受けているために、人族魔族の世界では認められないだけだ。
エリーは
「うん、君さえよかったら、探検にも行こうね」
と答える。私もいきたい。
私は一度、大魔境の先に行けない身になったけれど、魔物と獣の世界の王に許しを得られた。
大魔境に行けなくなるきっかけとなった試練の卵は5個あったが、5体の獣が生まれるわけではなく。1体の獣が5つの卵に入っていたそうだ。1つ孵れば全部孵ったのと同じだったらしい。
獣の王子は私の魔力を覚えていて、会いたがったいたようで、今は大魔境の先の世界に行けるようになったのだ。
サラとエリー様の戦いは一方的なものになった。さすがにここまでの差があるとはおもわなかった。
エリーは宝剣は振るう。旅立つ時に納めたものとは違う宝剣だ。
エリーの魔力に反応し無限の世界が生まれる。比喩ではなく本当に無限に生まれる。
魔術師の勝負は最終的にはルールの押し付け合いになる。現在の魔法は、防御も回避もできず、当たれば消滅する。
そしてそれを真実にするか嘘にするかそれが魔術師の力量であり戦いだ。
世界の数はその押し付ける強さ。というのは2次魔法に達しているものの認識、世界を1個作れないのが普通の魔術師、世界を作らずに自分の周りだけルールの押し付け合いに強くしている。
「ぶつぶつぶつぶつ」
サラの現代魔法最強の呪いはエリーが手をかざすだけで祝福に代わる。
「この剣はちょっと卑怯だね。普通のにするよ」
エリーはローブの中に数本の短剣を持っている。
エリーは別のまだ育てる途中の剣に持ち替える。
エリーはまだ普通の剣をふるうが私には違いが判らない。同じように1次魔法が出ているようにしか見えない。
その後サラが魔法で攻撃を続けるけれども、エリーはわざと威力を落として迎撃する。1/16の法則、迎撃は1/16の威力でできる。それを続けられると。自分だけ強力な魔法を使わされることになり攻め手は徐々に攻撃の方法がなくなる。エリーはカウンター型、1/16で魔法を防ぎ、相手の攻め手が尽きた時に強力な一撃を叩き込む。それは基本であり、普通はそれだけねらってうまくいくようなものではない。エリーはサラに確実な敗北を予測させる魔法を放った。
サラは敗北を認める。
エリーはその後、ウォルター、ポーラ、キムンカムイにも勝利し、遊びで4人同時に戦っても全く何もさせずに勝利していた。
本編が結構終盤なので、これまでの登場キャラのその後のその後みたいなのを書きたくて始めました。
簡単な近況とみんな大好きランキング、エリー以外の勝敗はかきながらのりで決めています。
補足 サラが呪いを操ったのに対してタリアが「何これ」という場面があります。ある程度魔法を鍛えると魔術は5感以外の感覚で直接感じる事が出来ます。 タリアの場合、それが視覚以上に発達しているため、変わったものとか初めて見るものをを見つけたみたいな反応になっています。 見える以上にどういうものか認知出来ますが、言葉の選択として見た時の言い方をしています。
またもし、幽霊が見えるという人がいたとしてそれは、見たに過ぎません。感じるだけの人の方が魔法の格としては上です。ただ私がそう思っているだけで、脳の構造として、幽霊を感じるを見るとして代替してるケースとかもあるかもしれないので本当には分かりません。私はもちろん感じる事も見ることも出来ないです!




