3流魔術師⑨
サラを見つけたカトリーナはつかみかかる。彼女はなんというか、猪突猛進だ。
サラは体をそらしカウンター気味にボディを入れる。
「ぶつぶつぶつぶつぶつ」
親友のカトリーナが倒され、ケロちゃんが立ち向かうけれど、魔法で止められる。
サラの魔法により分身男の分身の1体が撃ち抜かれた。
サラは
「あれ?私の魔法は分身一体攻撃したら本体にもダメージいくはずんなんだけど」といった。
恐ろしい。分身なんて全く本人じゃないはず。そんなこと関係なく普通なら本人のほうを倒せるといている。分身男は
「ボクもびっくりしてる。本体含めてすべての分身が本体じゃなくなっていた。初めての感覚だ」といった。サラは楽しそうに微笑むがそれがひどく残虐に見える。毒舐め男の体から甘い香りが漂う。ケロちゃんの傷がいえ始める。そして私にはわかる。毒舐め男の体から出た甘い霧は大魔境の呪いさえふせいでいる。
逆にさらには呪いが集まる霧の効果だろう。サラは剣を取り出すがケロちゃんの舌がカエルのようにのびはたき落とす。サラは新しい剣を召喚しようとするけれどできない。呪いが入った。
大悪女サラですら次の剣を召喚できない強い呪い。
そしてここは大魔境樹木の呪いもある。
それでも私たちは劣勢に立たされる、大魔境の呪いに対処しながら剣も出せない。
魔法は防ぐ方が有利という状態で私たちを追い詰めていく。はたから見るとわかりにくいけれど、うまい魔法を防ぐと次の魔法が使いにくくなるのだ。そうやってだんだん魔法を防げなくなて行く。それが魔術師の勝負。このままではじり貧だ。ハンナさんが勝負に出た、誰にもできない、誰も聞いたことない技。ハンナさんは拳に魔法をまとっていた。
乱戦になってからは終始余裕を見せていたさサラに初めて焦りが見えるだけどそれまでだった。ようやく呪いのとけたサラの手には剣が握られていた。ハンナさん腕が切り落とされた。
「あゃぁぁぁぁ」
ハンナさんの悲鳴が上がる、サラの剣は痛みを消す魔法を打ち消していた。
数秒後にはとりあえず痛みを消すことに成功したようだが首元には剣を突き付けられている。
「あなたたち、結構すごいじゃない。私とここまで張り合える人はなかなかいない、その分身だす子の能力が分かった時点で分身をうまく使って、逃げるのが正解だったでしょうけど。ニアちゃんにしても、他の子にしてもかなり変わった能力を持ってる」
「ぶつぶつぶつぶつ」
カトリーナがいうと、カトリーナの言葉に反応した呪いがサラを襲う、これは知っている。サラはこの呪いにより一度樹木になった。伝承では樹木になったのち復活したとあるけれど復活の隙を与えずに壊してしまえばいい。だけどその呪いはハンナさんが打ち消してしまった。
ハンナさんは「あなたは呪いを受けたらしいけど、私なら同じ呪いを打ち消せるわ。」とどや顔で言った。
こんな時に張り合わなくてもとしか思わない。学園一の天才ハンナさんに初めていう。
「あんた、バカでしょ」
せっかくのチャンスを棒にふってケロちゃんがしゅんとしている。分身男は四方を固める。
「ぶつぶつぶつぶつぶつ」
毒舐め男は毒をぶかっける。私は頭突きを食らわせる。
「負けたまま終われないもの」とハンナさんは言った。
サラは「は?勝負は私の勝ちだけど?腕斬られてすごく痛がってたでしょ。あのままとどめを刺すこともできたし」といった。
ハンナさんは
「後からならなんとでも言える。」といって勝ち誇った。そこで私たちは気づくサラは最初から私たちを殺す気なんてなかった。分身男への攻撃も戦闘不能にするのが目的だった。
「そのふてぶてしさをみならいたわ。隠したら罪になるだろうし、私と会ったことは協会に報告してもいいわ。もう今更だし。ただ本当に殺しに来る相手だったらちゃんと逃げるのよ。分身くんの能力使えば行けるでしょう。」といった。そういって消えていった。やっぱり私たちは探検家になるべきだ。毒舐め男は呪いをあやつる、ケロちゃんはサラにさえ呪いをつけることができた。
私の道は決まった。今日帰ったら皆に話そう。一緒に探検家になろう。
いつか大魔境だって超えられる。
かつて勇者の照合を目指した人達の気持ちが分かる。目指す決心をするときの気持ちが大切なんだ
こんな落ちでいいのか?後で自分で読み返してダメなら治そう。学園編は圧倒的に話をまとめるのが難しかったけど、人数増やすと3段落ちみたいな状況を作りやすくてよかった。




