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3流魔術師⑤

某年某月某日

私たちは山にカエル獲りに向かう

「あらあなたたちもいくの。どうせなら一緒に行きましょう」

早速ハンナさんにみつかってしまう。カテリーナから貴様にはもう必要ないだろうが。という声が聞こえてきそうだ。むろん私からも。

ハンナさんはあれ以来特に突っかかってくることはない。

ただエリク君は最近よくハンナさんと一緒にいる。私といたときは全然上がらなかった成績が上がり始めている。

今日はケロちゃんと忍者男だけだ。ケロちゃんが尻尾を振ってやってきたのをカテリーナが撫ぜる。カテリーナはべちゃべちゃになって泣いている。忍者男は分身の術を使い、4人に分身する男のお株をうばう。これ以上負けられない私は

「ええ」

と、答える。カテリーナは

「着替えてくるから、まってて」

といった。カテリーナを待つ。カテリーナは山にまぎれそうなかっこをしてきた。なぜか誇らしげだ。

ハンナさんは

「じゃあ、行きましょうか、巨人の世界に続く大魔境、永遠の渇きの迷宮」

皆はこぶしを突き上げる。学生時代に突破した人なんていない。なんとなく、卒業後探検家が行く場所というイメージがある。たあこれ以上ハンナさんに負けたくない私も同じように拳を突き上げていた。


永遠の渇きの迷宮 ここではすべての生き物は乾燥して石みたいにになりやがて砂になる。

致死率が高いところは黄泉の国、突破率がひくいのが月の光で育つ樹木の森、そして呪いを防ぐことが難しいのが永遠の渇きの迷宮だ。


迷宮の入り口に手を入れる。

「ひゃん」すごいカサカサになる。ハンナさんに笑われる。

ケロちゃんは心配そうに「くぅーん」

「ぶつぶつぶつぶつぶつ」

カテリーナは私のカサカサの手を見て心配そうに言った。

毒舐め男は

「これを」といって手に毒をぬりやがった。

私は一応「ありがとう」

と答えておいた。


ハンナさんは

「突破は考えないでおきましょう。今日の目的は太陽石、体が石になりだしたら潔くでること。」

といった。太陽石は賢者の石と呼ばれるものの1種その中で、すべての呪いを取り払う効果を持つものだが。

今は探すものは少ない。世界でもほとんど見つからない割に、優秀な錬金術師や魔術師はすべての呪いを取り払える。

大勇者エリー以降の主流の魔術は、どんな距離も防御も突破し必ず当たり、当たった相手を必ず消滅させる魔術だが、そうならないことは誰もが知っている。魔法も呪いも、矛盾を超えた先にある。どちらが自分の魔術をどれだけの割合で実現させるか。

近年の研究で明らかになった妖精的進化はそのようなルールの押し付け合いの強さなのだ。すべての呪いを取り払うみたいな極端なものは簡単にグレードダウンされる。

そして魔術師はもう太陽石の押し付け合いの強さを越している。今更命をとしてまで拾う価値のない石。けれどハンナさんは真剣だった。



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