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錬金術師と魔術師は仲が悪い (0次魔法シリーズ①)  作者: sisousi.kenta


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クレイジーメタリックブルーバード⑧

天国から私たちの星を見る。

周りが明るすぎる、月に代わってからのほうがきれいだろう。


ドラゴンが火を吐く、太陽の炎よりよほど危険な2.5次魔法の火、これが1.5次魔法まで達すると、世界が消えてなくなる。

ネズミは杖で魔術の氷を作る。太陽の熱でも溶けない氷。その上に登り、氷の矢を作り放つ。

自然現象の形をとる魔法は主流ではなくなった。3次寄りの2.5次魔法からより防ぐことの難しい2次寄りの2.5次魔法は反射魔法も防御魔法も守る側の技能が必要になる。距離や時間による減衰も普通の条件では起こらない。

それでも1.5次魔法に達すれば2次魔法に達しない魔法は全く効かないと考えてよい。



ゴクラクチョウは私の仲間の鳥の魔族と仲よげに話している。防御魔法の得意なゴクラクチョウの防御を突破できるか、腕試しを始めたが私の仲間は誰も突破できなかった。精霊も無言で加わった、人族と魔族にはわからないが、ゴクラクチョウとはなぜか意思疎通できるらしい。

我々とは別で来ていた人族の魔術師もドラゴンとネズミと腕試しを始めた。

「隊長もやってみなよ」

ミシェル様から促される。皆が突破できなかった防御魔法を突破できるわけがない。

データが示している。それでも隊長としてかっこ悪いとこを見せられない。案の定防御魔法は突破できない


「隊長さん、力隠してますね。今が解放するときよ」

とゴクラクチョウが話しかけてくる。私は力を隠している。

戦争時代のトラウマ、私の部隊の隊長の不正により3流の魔術師を伴って、命令にない魔族の街を襲う。私は不正を嫌い、仲間と戦うことになった。私はヘビの特徴のある魔族に育てられた。仲間たちも隊長を嫌い、国にも不利益しかもたらさない、非難されることになっても責任も押し付けられていただろうことも察している。魔族の街を攻めることには反対すると思っていた。


私は10人の仲間を切り魔族の街を守った。2人は死んだと聞いているし、実際国が亡びるきっかけとなり、私の部隊のものは私の切った残り8人も含めて結局ほとんど死刑となった。実行犯でない隊長は死刑になっていない。

あの時私が不正に加担していたらどうなっていたのか、それはわからない。データは何も示さない。

誰も本心を多くを語らないからだ。


私の部隊はその村の若い魔術師たち。本当は体の傷だって治そうとした。

事情を知る私の隊員たちは心配そうに見ている。


ドラゴンが私の肩に手を置く。

「今がきっかけだ。」

私は気づく。彼はシエルの国であったドラゴンと同じだ。姿かたちは違う。

私のように変身しているわけじゃない。


口調で女の子とわかったゴクラクチョウは

「そうよ、みんなのねがいが詰まっている。」

といった。気が付くと皆が私のほうを見ている。時が止まったように誰も動かない。誰も言葉を発しない。皆が私を心配してくれていたのだ。


私は剣を取り出す。剣は使えなくなったが、かつてのなっかまを捨てるようで捨てることもできなかった。

私は昔、剣は両手で持っていた。今も自然とそうしている。

私はもう魔術師になったのだ。剣を左手に持ち替える。私は軽く剣を振り下ろす。

ゴクラクチョウの防御魔法は砕け散った。


ティアラは私に抱き着き泣いている。

皆の拍手をうける。私は軽くお辞儀をする。


「あっ」

誰かが言った。


太陽に大きな亀裂が入る。

私たちは急いで逃げだしたのだった。

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