クレイジーメタリックブルーバード④
某年某月某日
あの後地獄にはいったがクレイジーメタリックブルーバードは見つけられなかった。
最初は私が見つかったが皆同じように見つかった。探し終えるまでに20回ものトライが必要になったが、最後まで諦めなかったことで地獄にはクレイジーメタリックブルーバードはいないことが確認できた。いないことが確認できたのだ。
トビーとティアラ、そしてペンギンの魔族の弟魔術師ベルナルドが1回、ミシェル様が0回見つかっている。戦いを避け魔物、獣側にも犠牲者を出さずに秘境探検を終えたのだ、上々の成果といってよいだろう。
次は天国へ向かう。太陽の別の呼び名だ。昼は太陽となり、夜は月となる。
世界に直接固定されているため、落ちてくることはないといわれている。
月と太陽の裏側る時間その場にいると2度と帰ってこれないとされる、その上に時間の流れがあいまいなのだ。2次魔法に近い実力をもつ魔術師は問題がない。時間の流れはこちらが支配する。
ただそれ以上に大勇者一行は普通1日中いた。大勇者エリーは「なんもない、なんもない」と言いながら一応一周した。「あんたがきたいって言ったんでしょ」とマナ怒られて喧嘩になった。
誰もいない太陽の世界、魔王になる事が決まったシエルの自由にできる数少ない時間。思い切り暴れられる世界が太陽だった。攻撃技術に特化したシエル。攻撃がうますぎると相手の攻撃をすべて押しつぶせる。守りを固めて、スキを見て強力な攻撃を叩き込むエリー天使姉弟との戦いではエリーだけがまともに戦えた。万能型のマナはすべての能力をうまく組み合わせ的確に相手の弱点を突く。
普通に戦うとシエルが強く。エリーとマナはほぼ同じくらいでエリーとマナは5回に1回もシエルに勝てないとされる。
それでも、負けられない勝負ではマナが勝ち、負けたくない勝負ではエリーが勝つ。
天国ではいつも通り、シエルが強かった、喧嘩しているように見えても、負けられない勝負でも、負けたくない勝負でもなかった。
彼女らが1日超えても帰ってきたことから。我々ももし、時間をこえてしまっても、帰ってくる手段はある。データが証明している。
私は地獄で1回も獣と魔物に見つからなかったことから当分様付で呼ぶことになったミシェル様に「ミシェル様、次は天国に向かいかしょう」と相談した。こういうのは多少不必要でも名前をあえて呼ぶのがお約束だ。私はゲームを楽しめる隊長なのだ。




