クレイジーメタリックブルーバード②
各種のデータが示している。クレイジーメタリックブルーバードはシエルの治めた国での目撃情報が圧倒的に多い。シエルの国は平和な国だ。この国を攻撃できる国はない。
歴史と伝説に守られている。豊かで攻められる心配がないから攻めることもしない。
そしてここは魔術師と錬金術師にとって特別な地であり、この国の危機となれば何万もの魔術師がやってくるのではと思われている。
国の危機となれば最強の魔術師シエルが帰ってくるのではという事もある。
この国に何かあれば何があるかわからないのだ。
私は図書館に向かう。魔術師ならば下位のものであれば表紙にふれるだけで内容を理解できる、私があらかたの本を読み終わるころ
「隊長、この近くにドラゴンが出たそうです。」と部隊の1人が話しかける、ペンギンの特徴を持つ魔族の若い女性魔術師、ペンギンの魔族は人と比べ長く水中にもぐれ、寒さに強い。ただそんな特徴は水中にいつまでも潜れて寒さ厚さをシャットダウンできる魔術師には特に利点はない。
また特徴の元となったペンギンを魔物とするか獣とするかは論争が絶えない。
それにしても街中で隊長というのはやめてほしい。結構な人がこちらを振りむいた。
我々はすぐに異変の元へ向かう。濃厚な魔力が伝わる。こちらの世界のドラゴンでこれほどの魔力を持つ者は初めて見た。門兵はドラゴンに「ご用件は」と尋ねる。自分たちに子供が生まれたから王妃に名付けと祝福をしてほしいという要件だった。私は唖然としている。王族との面会を求める者にはさすがに人食い鬼や精霊はいなかったが、ドラゴン、妖精、知恵を持つ魔物や獣、果ては世界に100体もいないとされる巨人までまじっていた。
2.5次魔法に達しているものは意思疎通ができるのたまか、しゃべっているわけでなく、テレパシーで話しかけているそうだ、ただどう見てもしゃべっているようにしか見えない。
この国には人族や魔族以外のものもやっつくると噂ではきいたが実物を見ると驚愕する。私の近くで母親に抱っこされた子供がドラゴンを見て喜んでいる。それに答えドラゴンはポーズをとってっくれてさらに喜ぶ。
「隊長、ボクもドラゴン初めて見ました。」とペンギンの魔術師の兄もつぶやく。鳥の仲間の魔族の元にクレイジーメタリックブルーバードは訪れやすい。データが示している。だから私は彼らに隊員として同行してほしいと頼んだ。
ドラゴンや、巨人など大人でも思わず見てしまうのはしょうがなかい。とけに私には4人の鳥の魔族の魔術師がなかまにおり、彼らは魔術師には珍しく純粋なものたちなのだ。
そこに一体の鳥が門に近づく。金属の鳥だが、クレイジーメタリックブルーバードではない。ただ悪意を持つ者だという事がわかる。そして強い。1000人の魔術師が武器を構えるのがわかる。王城の付近だけでそれだけの魔術師がいた。真っ先に先ほどのドラゴンが飛び立つ。どこか遠くへ金属の鳥を連れていく。戦いを見慣れていない。王都の住民たちへの配慮だろう。
我々は移転で後を追うがすでに勝負がついていた。「すごく強い」ニワトリの魔術師がドラゴンに話しかける。表情が変わっていないはずなのに笑顔に変わるのがわかる・それでも「ありがとね、でも人族とドラゴンはべつの生き物、これ以上後をつけてくるなら戦うことになるよ」と答えた。牽制なのだろう。互いの交流のばとなっている場所ではない生活圏にまで入ってくるならば争わないといけない。そういう思いがあるのだろう。ペンギンの魔術師は「じゃあ友達になればいいじゃない。私は魔族だけど、魔族の国のために魔物をこちらに連れてきてから倒してくれたことはうれしく思うし、優しいドラゴンなんだとわかる。私の尊敬するシエル様だって、知らない人に自分の気持ちを話すのは最初はきっと怖かったと思う。隊長はぼけーっととしてたけど他のみんなはいつでも逃げられるように、準備もしてたしね。」といった。そうだ、3女神は各世界の王と友人となっている。逆にシエルの興した国にドラゴンが来れるのも当時からの友人関係があるからだ。ドラゴンは驚いて我々を見つめる。「考えとく」と答えた。もちろん一族を守るために信頼もできない魔族を急に皆に合わせたりはしない。それでも友達になろうといわれたことはうれしかったのだろう。だまそうとする人の常套句だという事も吞み込み、考えとくと答えたのだ。
私は「私は隊長だから、ぼけーっとしてても大丈夫だから、ぼけーっとしてただけだ。握手だけでもして下さい。」と答えた。隊長はぼけーっとしても大丈夫それはデータが証明している。今日はもう手はあらわない。




