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魔術師戦争⑤

某年某月某日 エルフの国

ドナは目を見張る。サラの実力にだ。ウォルター先生の優秀な弟子がいると聞いていたが、噂以上の実力だ。

敵の魔術師マークは決して低い実力ではなかったが、勝負にならなかった。魔術は守り優勢といわれている。不死身の存在である、2次魔法の再現が我々のつかう2.5次魔法だ。魔術を使える者は最低限の実力があれば、常識や時間の法則を超えて、あとから出た迎撃用や防御の魔術が間に合うのだ。だから、魔術師の戦いは、実力が近づけば魔術で牽制しながらの杖の殴り合いになったりするなんて言われる。実際には精度のよい魔術や威力の高い魔術を出し合い、相手の魔術の発現の隙を作る崩しといわれる技術と、威力を抑えた完璧な迎撃魔法で相手にだけ強力な魔法を使わせ隙を作る透かしといわれづ技術を使う。これは1次魔法到達者異世界の王たちでさえ基本は同じことをしている。ある程度の100回程度の攻防であれば短い勝負といわれる中、サラは数回攻撃でマークを倒した。相手に攻撃の主導権を1度も握らせていない。動けないマークの足を刺す。

痛みは遮断しているため悲鳴などは上げなかったがマークの顔は恐怖にゆがむ。

「一応、縄はつないでいる。お前が魔法なり武器なりで縄を切ろうとしても私は常に見ている。30分後迎えに行く。お前たちの目的をはなせ」そう言って、彼を月の光で育つ樹木の森に連れていく。大魔境の一つ、この森で長居をしてはいけない。もう皆知っている。この森に居続けると、抵抗力のない者から樹木に代わってしまう。「いやだ、いやだ」彼は泣き叫ぶ。30分後彼は目的を話す

「エルフの討伐・・・」言いかけた時に彼の腹に拳を入れる。嘘をついたのだろう。今回の発言はさすがに私でもわかる。3人しか到達していないのに何を言っているのか、探るまでもない。

「1時間後迎えに行く」もう一度マークは連れていかれる。それが何度か繰り返される。私は

「彼、知らないんじゃないかな、幹部だとは思うけど、多分女神正教自体瞑想していて、目的を失っているかも。それにもう何時樹木になってもおかしくないと思う。」一応私のほうが姉弟子になるへりくだる必要はない。サラは「そうですね。ただ、何度か話を聞くうちに大体は読めてきました。女神正教は何かすること自体に意味を求めているようです。ただ帝国に混乱を起こしたいだけとも違うような・・・、樹木については心配いりません。私たちが森に入る時に効果は消してます。私から離れすぎなければ樹木にならないですよ。森全体から消してもよかったんですが、敵もいるんで私の周りだけです。」こともなげに言う。大魔境の呪いを消せるものなど聞いたことがない。ありえないことが起きている。ウォルター先生はとんでもない化け物を育てたのではないだろうか。

次に迎えにいったとき。マークは死んでいた。樹木になったわけではない。サラが初めて驚愕の表情を見せた。今までその力を隠していたかのように森全体の呪いがさらに向く。マークの元に向かった5人のうち3人が樹木になる。そして私をかばったサラも樹木へと変わっていく。「サラ

私は叫び手を伸ばすが何もできない。」サラが樹木に代わっていく。我々は最強の仲間を失ったかに思ったが、サラは樹木から復活した。歴史上初めての出来事。サラは「テリー、ナタリー、ダン、守れなかった。私が油断したからだ」と悲し気につぶやいた後涙をこぼした。


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