魔術師戦争①
某年某月某日 帝国は壊滅が近づいている。
初代皇帝は1代で人族史上最大の国を作った。2代目の皇帝には双子が生まれ、それぞれが皇帝になった、帝国が良かったのはそこまでだった。二人の皇帝が争いだしたのだ。初代皇帝の侵攻にたいし早くに恭順を示した7つの国の国王は帝国併合後も王を名乗ることを許された、3人が兄につき、3人が弟についた、残りの1人を2人の皇帝が取り合う。二人の皇帝の勝敗のカギをにぎる王はいつしか大王と呼ばれるようになり、皇帝もうかつに手を出せない。そして宰相、2人の皇帝を唯一つなぐ男、2人の皇帝の意見が割れた際には宰相が味方をした皇帝の意見が通る。大公は帝国の最激戦地となる魔族領の国と接する国を任される。その実、30年戦は起きていない。そのことを伏せたまま最激戦地として帝国本国から支援を受け、軍事大権まで有している。そして女神教の新たな宗派、女神教は帝国内でも国教として、根付いているが、異端が力を持ち始める。女神教団が魔術師協会と合併したことは女神の教えに背くことだと考える一派、女神正教だ。魔術師の戦争への不参加の決まりは実際には攻める側のみに適用される。どちらも不参加とされているが守る側の場合は軍として戦争に参加したわけではなく、個人として身を守ため戦ったとみなされる。女神教が裏で糸を引いていなければ、帝国は領土を広げることはできていなかった。という噂も、女神正教の浸透を後押しした。噂は真実かはわからないが、女神正教は帝国内に本拠地を置いた。
先生は話始める。人族と魔族が互いに争っていた時代、3女神以降の時代では初めての魔術師が多数参加する戦争。そう思うと魔術師協会はよくやっていた、学園を複数の国で共同で作らせることで、魔術師同士を友人、知人にすることで、参加させない。防衛側のみ実質戦争参加できることで、攻める側を大幅に不利にする、それに付随して各国に魔術師を一人はいるようにする魔術師派遣制度、魔術が発達した時代に起きた戦争は、帝国自体を滅ぼすこととなる権力争いを発端としていた。




