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7大魔境、昔で言う6大魔境⑬

兄天使、私の側は私たちの世界の事を話す。普段の延長。成功したも同然の試練。そして勇者タリアのほう、生き残れる戦いではない。私は「ではお手合わせをお願いします」と妹天使と向き合った。勇者タリアは「ダメです」といった。私の心を後悔の念が包む。私に人より大きな自己犠牲精神などない。帰りを待つ者もいる。10歳の私だって、勝てる、お嬢さまにいいところを見せられるという打算があったから魔物に戦いを挑んだのだ。そうに違いない・・・、カティア様は「どういうつもりかしら」と尋ねてくる。回答を誤れば試練が始まる前に消されかねない。静かに怒っている。リリアお嬢さまと同じだ。

オマール様は私の肩に手を置く。震えがを必死に抑える。「その娘は、獣と魔物の国で試練を達成したと吹聴しているようだが、逃げ帰っただけだ。竜の王に聞いたであろう。我々は本能の部分でより格の近いものを大事にする。ただ逃げただけであれば手を出さなかったが、再びこちらの世界に来た。その娘の運命は初めから決まっていたのだ」といった。勇者タリアは青ざめていた。そしてこれ以上かばうようなら私も消すという最後の通告だ。意図してこの対戦は組まれている。

逃げられるわけがない、でも逃げるべきかタリアはそう悩んでいるのだろう。心のどこかでそうなればいいと思っている。責任を感じなくてすむ。「その娘は私の娘です。ここは引けません」といった。タリアは目を見開いた。最初から気づいていたことだ。勇者タリアはリリアお嬢さまの娘。

私の娘も同然だ。勇者タリアは泣いている。「グリフィンさん」私に抱き着くタリアの頭を撫ぜる。リリアお嬢さまから少しは話を聞いていたのだろう。カティアはつまらなそうに見ている。ならば獣と魔物の王の子はどうなると言いたげだった。私の妻はなんというだろうか、何もしてやれなかった。勇者になれば妻に尽くそうと思ったまま勇者になれず。妻との会話の時間も惜しんで次の探検の準備をしていた。子もいない。「天使の兄妹よ、そして勇者タリア。我が友の錬金術師は大切な人の悲しみの涙を喜びの笑顔に変える時人は100倍強くなれるといっていた。試練の突破など造作もない。簡単な試練を選んだだけだ」といった。100倍というのは比喩にすぎない。そして私が100倍強くなったとして勇者タリアにさえ及ばない。魔法の格が1違うという事は数字では表せない。奇跡か無限の力がいる。魔法の格が1以上に違うという事はそれさえ通じない。兄天使はこうなると思ったといっていた。妹天使は悲し気な顔をした。妹天使は「いいでしょう。交換を認めます。5分1本勝負です。どちらかが倒れるまで戦いましょう。」戦いの場に入るだけで私は苦しむ。かつて人食い鬼と吸血鬼の世界に行ったときの仲間と同じ。一呼吸で苦しみだし。そのまま死んだ。このまま倒れてしまいたい。そうすれば助けてもらえるのでは、とふと頭によぎる。勇者タリアは私たちの戦いの場に入ろうと泣きながら結界に斬りかかるが、突破できない。そんなに泣いていては美人が台無しだ。妹天使の手には魔力が集まる。そんなことをしなくても私など息をするだけ、自分の力が外に漏れないようにしている結界を解くだけで、私は死ぬ。いやすでに結界内の空気を吸った、時間がたつだけで死ぬのだ。戦えさえしなかった。カティアの魔法が私をいやす。兄天使が驚いた顔をする。

「相手が私でよかったわね。そしてタリアがとりあえず試練は超えていたことも、さすがに失敗した本人だったらこうはしなかった。私は0.5次魔法、すべての世界でただ一人の存在。1次魔法者でさえ同じものと感じきれない。」勝負は引き分けだった。「それまで」兄天使が試合を止める。私は空気を吸っては苦しみ、それをカティアが治すその繰り返しだった。勇者タリアはまた私を抱きしめ泣き出す。「負けてあげてもよかったのだけど、私に勝ちたいと頑張り続ける兄とか竜の王とか、巨人の王もいるからね。」といった。吸血鬼の王は無限に眷属を生み出し、もし負けても気が付いたら勝った側が自分になっている。竜の王は死なない体をもち傷を受けるたびに無限に強くなる。巨人の王は、最強の攻撃力を持ちながら絶対に倒れない。そんな3人の各世界の最強者を抑える二人。力は全く分からなかった。

勇者タリアはびくびくしながらも大勇者エリーの事をいかに尊敬しているかという話をし続けた。二人の天使はうんうんうなずくだけだった。

天使長の前にたどり着いた50人のうち死者、消滅者30人、達成者3名、その3名は全員すでに勇者の称号を持つ者だ。17人は達成できなかった、私は家にかえるのだ。達成した3名の勇者と、生き残った17人のうち7人が弟子入りを志願した。

そして私はいえにかえるのだ。


風邪で体調崩していることもあり長かった。自分的には十分長かった。あとで結構なおしそう

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